橋本屋旅館
1.基本情報
【日帰り入浴時間】
10:00〜15:00
【日帰り入浴】
500円
【タオル】
150円(ロゴあり)
【露天風呂】
なし
【お風呂の数】
内湯(男1・女1)
【客室数】
7室
【公式HP】
【個人的オススメ度】
★★★★☆
2.住所・電話番号
【住所】
【電話番号】
0556-36-0006
3.泉質
【ぬる湯】
■源泉
共同泉
■泉質
■温度
31.7度
■pH値
8.8
■成分総計
371mg
【高温源泉】
■源泉
しもべ奥の湯
■泉質
アルカリ性単純硫黄温泉
■温度
49.4度
■pH値
9.4
■成分総計
902mg
4.下部温泉について
下部温泉は山梨県の南部、身延町にある温泉。1300年前の奈良時代中期に甲斐の国主の霊夢に熊野権現が現れ、温泉が湧き出したと伝えられる古い温泉です。戦国時代には武田信玄の隠し湯として、川中島の合戦で傷ついた兵士を癒やした他、武田信玄自らも入湯したとか。
くねくねとした下部川側沿いに旅館が密集し、山梨県下では石和温泉に次ぐ大きな温泉街です。歓楽的な要素の強い石和温泉と対照的に湯治場らしい雰囲気を色濃く残す温泉街となっています。
日帰り入浴には割と冷たい温泉で、半分以下の四件ほどで可能です。
5.外観・館内・お風呂
橋本屋旅館は温泉街の中央にある小さな旅館。
廃墟も多い下部温泉の中では珍しく、かなり元気に営業している旅館。
知名度は決して高くはないと思いますが、なぜか固定ファンが多い人気の旅館です。以前訪れた際は、小さなお風呂に常連客がたくさんいらっしゃり、写真も撮とれずに敗退。
今回は満を持して、オープンの10時ちょうど、いやむしろちょっとフライングでやってきました。
日帰り入浴の看板が出ているので入りやすいです。
日帰り入浴に厳しい下部温泉では貴重な存在。
橋本屋は下部温泉の中心にある神泉橋の目の前にあります。
対岸には下部温泉のシンボルともいうべき、たいそう立派な建物の裕貴屋という旅館があったのですが、現在は廃業してしまいました。
建物はそのまま残っていますが、シンボルが廃墟ではちょっと寂しい。
実はこの裕貴屋と神泉橋は、人気アニメゆるキャンにほぼそのままの形で出てきます。
聖地巡礼をしている方は見かけませんでしたが、下部温泉もジワジワ人気でるんでしょうか。
さっそく橋本屋の館内へ。建物の中はキレイにリノベされており、椅子やテーブルなんかもおしゃれです。
何度か呼び鈴を鳴らすと、若くて明るいお姉さんが対応。
日帰り入浴料は500円で、下部温泉の日帰り入浴では一番安いです。
タオルは150円で買えます。しっかりロゴ入り。
ちなみに受付には「ゆるキャンファンの方お声がけください。ステキなプレゼント」と書いてありました。私はあまり詳しくなかったので、申出ませんでしたが、何がもらえるんでしょう。ファンの方はぜひ。
お風呂は帳場横の急な階段を登ります。
2階もキレイ。少し進むとお風呂です。
途中には休憩スペースもあります。
お風呂入口。激シブの温泉分析書が掲示されていて、雰囲気あります。こういう所は古いものを残しているセンスはさすが。
脱衣所。
こちらがお風呂。内湯風呂のみで露天風呂はなく、至ってシンプル。
ぬる湯で知られる下部温泉は源泉温度が31度。
夏場にはもってこいの温泉なのです。
浴室内はお湯が豪快に湯船に注がれる音がひびきます。
あちらこちらに点在する温泉は総じてぬる湯が多く、アツアツのお湯はほとんどありません。
富士山以外にめぼしい火山がない山梨県では、高温の源泉はあまりなく、ぬる湯がそもそも多いのですが、あえて加温せず、そのままの温度で楽しめる所が多いです。
入口側には大きな岩組が配されています。
温度が31度では冷たいと思うかもですが、夏場にはちょっとぬるいなぐらいで気持ちの良い温度。温水プールみたいな感覚でしょうか。
下部温泉は自家源泉を持つ宿も多く、このぬるさは各旅館で微妙に異なりますが、個人的には橋本屋が一番気持ち良いと感じる温度でした。
源泉は下部温泉でオーソドックスな共同泉。
泉質はアルカリ性単純温泉です。飲める温泉としても有名です。味などはなく、ミネラルウォーターのよう。
虫が入るので、窓は開けないで欲しいそう。
あがり湯として熱い湯船も用意されていますが、夏はいらないかも。
ぬる湯を加温しているのかと思っていましたが、こちらは2006年に掘削された新しい源泉。
アルカリ性単純硫黄泉という別の泉質です。
昔からのぬる湯の成分をそのまま濃くして、硫黄をプラスしたような泉質。こちらは循環消毒ありのよう。
古くからのぬる湯よりも成分が濃い温泉なので、あがり湯だなんて馬鹿しにしないでぜひ入ってほしいです。
橋本屋は日帰り入浴のしやすさ、ワンコインという料金の安さ、泉質もの良さから下部温泉で人気の旅館。
最初は誰もいませんでしたが、この日もすぐに常連さんのおじいちゃんがやってきていました。
帰り際に会ったソロおじさんも、来月の予約をその場でしていたので、相当人気なのでしょう。
ソフトアイスもいただけるそうなので、湯上がりにピッタリ。
まだまだあります 下部温泉
【下部温泉】日帰り入浴完全マスターガイド(温泉ソムリエのオススメ6選) - 大露天風呂の日記
6.温泉分析書の説明
【ぬる湯】
溶存物質が1000mg以下の場合は単純温泉となります。
こちらは371mgのため、単純温泉です。
もし1000mgを超えていれば、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉となる温泉で、成分的には芒硝と塩化土類を主成分としています。
またpH8.5以上で、アルカリ性とつきますが、こちらはpH8.6で、ギリアルカリ性です。
【あつ湯】
溶存物質が1000mg以下の場合は単純温泉となります。
こちらは838mgのため、単純温泉です。
もし1000mgを超えていれば、ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉となる温泉で、成分的には芒硝と食塩を主成分としています。
その他に総硫黄(硫化水素イオン、チオ硫酸イオン、遊離硫化水素の合計)が2mg以上で硫黄泉となりますが、こちらは3.1mgあるので、ギリギリ基準を満たします。
またpH8.5以上で、アルカリ性とつきますが、こちらはpH9.4でアルカリ性です。
以上より、アルカリ性単純硫黄温泉となります。