姥の湯
1.入浴時間・料金・混雑度
○日帰り入浴時間 10:00〜15:00
○日帰り入浴料金 800円
○露天風呂 あり
○お風呂の数 内湯(男3・女3)
露天(混浴1)
○客室数 19室
○タオル 150円(ロゴなし)
〇公式HP https://ubanoyu.com/
○混雑度 お風呂で会った人数 1人
○個人的オススメ度 ★★★★★
2.場所・電話番号
〇電話番号 0229-83-2314
3.泉質
【こけし湯 硫黄泉】
■源泉 姥の湯(硫黄泉)
■泉質 含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉
■温度 65.4度 pH7.0
■成分総計 1858mg
【義経の湯 芒硝泉】
■源泉 芒硝泉
■泉質 ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉
(含重曹芒硝泉)
■温度 56.2度 pH7.7
■成分総計 1354mg
【亀若の湯単 単純泉】
■源泉 姥の湯(芒硝泉)
■泉質 ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉
(含土類芒硝泉)
■温度 49.4度 pH7.2
■成分総計 1183mg
【鳴子の湯 重曹泉】
■源泉 旧姥の湯
■泉質 ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉
(含芒硝重曹泉)
■温度 56.0度 pH7.5
■成分総計 1510mg
4.鳴子温泉について
その歴史は古く、837年に潟山(鳴子火山)が噴火大爆発し、温泉が轟音とともに湧き出したと伝えられています。噴火口のカルデラは現在も潟沼として残っています。源義経や松尾芭蕉も訪れた歴史ある温泉で、現在でも大小様々な旅館がひしめく大温泉地となっています。
鳴子温泉郷は鳴子温泉の他、東鳴子温泉、川渡温泉、中山平温泉の5つの温泉の総称で、実に370本以上の源泉があります。鳴子温泉郷の特徴はその泉質の豊かさ。現在11種類あると言われる泉質のうち、実に9種類もの泉質がそろうと言われています。
日帰り入浴にも超寛容な温泉街で、これだけ多くの旅館がある中で、日帰り入浴不可の旅館はほとんどありません。
湯巡りのしやすさや泉質の面白さなど、どれをとっても完璧な温泉街。
5.外観・館内・お風呂
姥の湯は国道沿いにある湯治旅館。
4種類の泉質を持ち、お風呂の数も鳴子温泉で最も多い、温泉好きには有名な旅館です。
とにかくお風呂の数が多いので、この旅館のお風呂をコンプリートするだけでもなかなか大変。
こちらがロビー。
自炊棟を持つ湯治メインの旅館ですが、館内はそこまで古さはありません。入浴料は800円。
奥から女将さんが出てきて受付。
まずは簡単にお風呂の紹介から。
一番人気はこけし湯で、こちらは硫黄泉で男女別の内湯。
義経の湯は芒硝泉で、これも男女別の内湯。
亀若の湯は単純泉で、これも男女別の内湯。
鳴子の湯は重曹泉で、混浴の露天風呂です。
これだけあると、湯巡りするにはある程度の覚悟が必要。
4つのお風呂はほぼ固まっているので、館内をあちこち歩き回る必要はありません。
ロビーから真っすぐで、すぐにお風呂ゾーン。
この休憩エリアを中心に、こけし湯、亀若の湯、鳴子の湯が並んでいます。義経の湯のみちょっとだけ離れています。
まずは一番人気のこけし湯から。
男女別の内湯です。
脱衣所は小さめ。
こちらがお風呂。割と小さめのお風呂ですが、白濁の硫黄泉がたたえられています。やはり乳白色のにごり湯が一番人気。
鳴子温泉郷は黒湯が多く、白濁のお湯は鳴子温泉の中心部の限られたエリアにしかない貴重なお湯。
この日は乳白色でしたが、こんな風にちょっと深緑のような色の時もあります。泉質は含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉。
旧泉質名では含芒硝重曹硫化水素泉となります。成分が複雑な硫黄泉です。同じ白濁の鳴子ホテルや鳴子観光ホテルは、これに食塩が混ざり、より複雑になります。
洗い場は弱め。知っている人同士ならギリギリ3人くらい入れますが、知らない人なら、入るのはちょっと待ったほうがいいサイズかも。
お風呂はまだまだあるので、湯疲れしないうちに素早く切り上げて、義経風呂へ。
鳴子温泉は源義経とも関わりがあり、奥州へ逃れる際、義経の奥方が男児を産み、ここの温泉を産湯に使ったと言われています。
そんなことから、旅館名も「姥の湯」となったとのこと。
鳴子温泉では中心部の共同浴場滝の湯と並び、古い温泉だそうです。
義経の湯は芒硝泉(硫酸ナトリウム)のお湯です。
男女別の内湯の他、貸切風呂もありましたが、貸切風呂は鍵がかかっていて入れず。
こちらが義経の湯。
お湯は透明で、特徴的には姥の湯で一番弱め。
温度は結構熱めのお湯でした。
鳴子温泉特有のアブラ臭も少しあり。泉質はナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉で、旧泉質名では含重曹芒硝泉です。
芒硝は下剤にもなる成分で、便秘にも効能あり。
お湯が熱かったこともあり、義経の湯も早めに切り上げて、亀若の湯へ。こけし湯のすぐ隣です。
亀若の湯入口。こちらは単純泉。
亀若とは義経の子供の名前です。
ちょっと古い感じの脱衣所。
こちらがお風呂。単純温泉ということで、正直一番期待していなかったのですが、黄土色のにごり湯。単純温泉の感じがしません。
浴槽の縁に鉄分が付着しているとおり、しっかりと鉄の味を感じるかお湯です。鳴子温泉郷で一番鉄を感じる温泉でした。
温度もちょっとぬるめで入りやすく、思わず長湯したくなる温泉でした。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉。
カルシウムを含む温泉は鳴子では珍しい泉質。
旧泉質名では含土類芒硝泉です。
おや?単純温泉ではない。。
成分が変わったのが、現在こちらのお湯は芒硝泉です。
同じ芒硝泉ですが、先程の義経の湯とは全然違うお湯。
湯巡りが控えているので、後ろ髪を引かれつつも次へ。
最後は唯一の露天風呂である鳴子の湯。
露天風呂は一つしかないため、混浴になります。
ですが、この時露天風呂は調整中で入れず。。。
ということで、以前訪れた際の露天風呂の写真を借用。
泉質はナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉。
旧泉質名では含芒硝重曹泉です。
結局泉質的には、硫黄泉、芒硝泉、重曹泉の3つでしたが、それぞれ源泉が違うため、お湯の感じも全然異なります。
800円でこれだけ入れるなら超オトク。
キレイさや設備面では、やはり湯治宿クオリティなので、観光客向けというよりは、どちらかというと温泉好きのマニア向けです。
6.温泉分析書の説明
【こけし湯】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1666mgで1000mgを超えます。陽イオンはナトリウム、陰イオンは炭酸水素イオンと硫酸イオンが20%を超えるので、ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉となります。
また特殊成分として総硫黄(チオ硫酸イオン、硫化水素イオン、遊離硫化水素の合計)を2mg以上含むと硫黄泉となりますが、こちらは40mg含むため、含硫黄とつきます。硫黄分はガス成分とイオンが半々ぐらい。
以上より、含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉となります。旧泉質名で含芒硝重曹硫黄泉です。
【義経の湯】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1309mgで1000mgを超えます。陽イオンはナトリウム、陰イオンは硫酸イオンと炭酸水素イオンが20%を超えるので、ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉となります。旧泉質名では含重曹芒硝泉。
【亀若の湯】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1131mgで1000mgを超えます。陽イオンはナトリウムとカルシウム、陰イオンは硫酸イオンと炭酸水素イオンが20%を超えるので、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉となります。旧泉質名では含土類芒硝泉です。
【鳴子の湯】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1263mgで1000mgを超えます。陽イオンはナトリウム、陰イオンは炭酸水素イオンと硫酸イオンが20%を超えるので、ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉となります。旧泉質名では含芒硝重曹泉です。