阿部旅館
1.入浴時間・料金・混雑度
○日帰り入浴時間 9:00〜18:09
○日帰り入浴料金 500円
○露天風呂 なし
○お風呂の数 内湯(貸切2)
○タオル サービス
○公式HP なし
○混雑度 誰にも会わない(貸切利用)
○個人的オススメ度 ★★★★☆
2.場所・電話番号
〇電話番号 0229-83-2053
3.泉質
【旧男湯】
■源泉 赤這温泉3号混合泉
■泉質 含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉・硫酸塩泉
(含重曹芒硝硫黄泉)
■温度 71.8度 pH7.2
■成分総計 1970mg
【旧女湯】
■源泉 赤這温泉1号・3号混合泉
■泉質 ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉
(含芒硝重曹泉)
■温度 62.1度 pH6.8
■成分総計 1649mg
4.赤這温泉について
赤這(あかばい)温泉は東鳴子温泉から江合川を挟んだ箇所にある温泉。赤這温泉と名乗る旅館は阿部旅館一件のみ。周囲に旅館はなく、温泉街という雰囲気はありませんが、分類的には東鳴子温泉の一つとして数えられることが多いです。源泉数が370本もある鳴子温泉郷ですので、同じ温泉と言えども泉質は全部違います。
東鳴子温泉はかつて赤梅の湯とも言われていましたが、「赤這」はここから来ているのではないかと思います。
赤梅の湯と言われた東鳴子温泉は、江戸時代には仙台藩主の御殿場も置かれた由緒ある温泉です。
5.外観・館内・お風呂
阿部旅館は赤這温泉の一件宿。江合川の対岸には東鳴子温泉の温泉街がよく見えます。宿前の道は細くて急坂なのでちょっと気を使います。
駐車場は玄関前を一度通り過ぎた先に広いスペースがあります。
ロビーと帳場。入浴料は500円。
タオルはサービスしてくれました。
阿部旅館は二箇所お風呂があります。昔は男女別だったと思いますが、コロナ対策なのか、現在はどちらも貸切での利用となります。
お風呂に入ろうとすると、「ちょうど10分前くらいにお客さんがいらしてお風呂がふさがっているんです。。15分くらいお待ちいただくかもですが、よろしいですか?」と言われました。
タイミングがちょっと悪かったですが、ここまで来て、引き下がるわけにも行かないので、待たせていただくことに。
小さい旅館なので、お風呂は廊下を進んですぐです。
お風呂ゾーン入口。廊下の奥が旧男湯、手前が旧女湯です。
それぞれのお風呂の前にはベンチが置いてあるので、狙いのお風呂の前で順番を待つことができます。
阿部旅館は2つのお風呂で源泉が全く異なります。
成分が濃いのは旧男湯ですが、こちらは源泉温度が高いため加水あり。旧女湯の方は逆に源泉かけ流しです。これはどちらも入りたい。
貸切利用中はこの青い札をドアノブにひっかけます。
貸切利用は30分程度でお願いしますと書いてありました。
ベンチで待っていましたが、どちらのお風呂からも物音があまり聞こえず。これは長時間待ちもあり得るかと覚悟しましたが、旧女湯の方から、洗面器でお湯をバシャーと流す音が聞こえ、がチャっと中の扉が開く音が。旧女湯が最初に空きました。
先客はちょっと若いカップルでした。
「隣のお風呂も入りたいね〜」なんて会話をしていました。
お風呂の真ん前のベンチに座っているわけですので、ガッツリと目が合います。ちょっと気まずさを感じつつも、素早くお風呂へ。
脱衣所。ドライヤーなどはなく、脱衣籠のみ。
こちらが旧女湯の浴室。露天風呂はありません。
シャンプーやボディソープなどもなく、あるのは奥に小さく見える石鹸一個のみ。
純粋に温泉を楽しむだけのお風呂です。
お湯はちょっと黄緑色がかった透明なお湯。ほんの少しの硫黄臭と鉄の臭いがします。味も少し鉄分を感じます。鉄を感じるお湯は鳴子温泉郷では珍しいです。お湯は熱すぎず、適温でした。
加水もなく、完全なる源泉かけ流しのお湯です。
泉質はナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉。
旧泉質名では含芒硝重曹泉となります。
重曹はクレンジング作用により、肌をサラサラにします。
天井が空いているため、隣のお風呂の話し声も聞こえます。
隣のお風呂が上がりそうなオーラを感じたので、
ちょっと勿体無いすが、こちらのお風呂は5分くらい入浴しあがることに。旧男湯へ移動します。
先程のカップルが待っているかなと思ったのですが、待ち客は誰もいませんでした。旧男湯の前のベンチで5分ほど待ちます。
とするとまたしてもカップルが。男の方はちょっと年配で、女の方は若めの年の差カップルに見えました。
貸切利用なので、カップルに人気なのでしょう。
こっちは一人で来ているので、なんだか悲しい気分になります。
地元のおじいちゃんのような方には全然会わず。
貸切ではない時代は、おじいちゃん方もたくさんいたような気がしますが。
こちらが旧男湯。湯船は旧女湯と左右対称で違いはありませんが、お湯の色が全然違います。先程は濁り湯ではありませんでしたが、こちらは土色の濁りがあり、鉄泉のような様相を呈しています。
ですが、鉄分は1mg以下でほとんど含まれていません。
泉質は含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉・硫酸塩泉。
成分総計は2000mg近く、鳴子温泉郷でも濃い温泉です。
旧泉質名では含重曹芒硝硫黄泉で、旧女湯とは異なり、硫黄が含まれるお湯です。
この泉質は隣の川渡温泉と全く同じですが、硫黄の臭いは弱めで、代わりに鉄の臭いをわずかに感じます。
源泉温度が高いため、常時加水はしていますが、源泉かけ流しです。
加水のおかげが、湯温はかなり適温でした。
10分くらいであがると、最初のカップルが旧男湯に入ろうと、ちょうど向かってきているところでした。タイミングよくバントンタッチ。
駐車場へ戻る、新たなお客さんが駐車。この方たちもカップルでした。どんだけカップル多いのよ。。
6.温泉分析書の説明
【旧男湯】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1970mgで、陽イオンはナトリウム、陰イオンは炭酸水素イオンと硫酸イオンが20%を超えるので、ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉となります。
また特殊成分として総硫黄(チオ硫酸イオン、硫化水素イオン、遊離硫化水素の合計)を2mg以上含むと硫黄泉となりますが、こちらは9mg含むため、含硫黄とつきます。これは川渡温泉よりも多い値。
以上より、含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉となります。
【旧女湯】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1649mgで、陽イオンはナトリウム、陰イオンは炭酸水素イオンと硫酸イオンが20%を超えるので、ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉となります。
以上より、ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉となります。