勘七湯
1.入浴時間・料金・混雑度
○日帰り入浴時間 8:00〜20:00
(20時以降要問合せ)
○日帰り入浴料金 500円
○露天風呂 あり
○お風呂の数 内湯大浴室(男1・女1)
内湯小浴室(男1・女1)
○客室数 33室
○公式HP https://kansiti.com/
○混雑度 ほとんど誰にも会わない
○個人的オススメ度 ★★★★☆
2.場所・電話番号
〇電話番号 0229-83-3038
3.泉質
【小浴室 薬湯不老泉】
■源泉 勘七源泉
■泉質 ナトリウム-炭酸水素塩泉(純重曹泉)
■温度 51.5度 pH6.8
■成分総計 1001mg
【大浴室】
■源泉 新井第2号源泉・動力揚湯源泉
新井第5号源泉・唐岳沢源泉
■泉質 ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉(含食塩重曹泉)
■温度 66.4度 pH7.4
■成分総計 1303mg
4.東鳴子温泉について
鳴子温泉とともにその歴史は古く、835年に潟山が噴火大爆発し、温泉が轟音とともに湧き出したと伝えられています。噴火口のカルデラは現在も潟沼として残っています。この鳴子火山が鳴子温泉郷のエネルギー源でもあります。
その薬効の高さから、江戸時代には仙台藩主の御殿場も置かれ賑わいを見せました。明治時代の1910年に山崩れにより、一度壊滅しましたが、復興し、昭和に入り新たな源泉も開発されました。
鳴子温泉と比べ、大型旅館は少なく、湯治場としての雰囲気を今直残しています。
5.外観・館内・お風呂
勘七湯(かんしちゆ)は江戸時代の天明4年(1784年)創業の超老舗旅館。勘七湯という旅館名もいかにもな貫禄があります。
てすが、外観はこんな感じで、老舗の貫禄はあまりなく、ちょっと錆びれた鉄筋コンクリート造。
旅館の前に小さく佇むこの建物が勘七湯の旧館。
現在は使われていないようでした。
東鳴子温泉街の入組んだ場所にあるため、駐車場がちょっと小さい。
宿前のわずかなスペースに駐車。
もしかしたら他にも駐車場があったのかも。
ロビー。勘七湯は東鳴子温泉でも一番早い、8時から日帰り入浴可能。ということで朝8時に伺うことにします。
念のため事前に電話してみると、「今留守にしているので、帳場にお金置いて、入ってよいですよ」とのこと。
どうでもいいですが、宿のご主人は結構早口。
電話によると、鍵があるところにお金を置いて欲しいとのことでした。入浴料は500円。ですが、持ち合わせがお札しかない。。。
留守だとわかっていたはずなのに、小銭を持ってこなかったことを激しく後悔。かといって、引き返す時間ももったいなく、すぐにでもお風呂に入りたかったので、大サービスで千円札をバンっと置き館内へ。
浴室は男女それぞれ大小二箇所あり、贅沢にも源泉が異なります。
500円で二箇所も入れるんだから、とってもお得。
(実際は1000円払っていますが)
まずは小浴室から行くことにします。
右の廊下奥が小浴場。左側が大浴場です。
大浴場には特に名前はありませんが、小浴場には不老泉という名前がついています。なんとなく不老泉のほうが、宿の推しの源泉と予想。
不老泉入口。脱衣所は結構狭めです。
こちらが小浴場。窓が小さいため、狭い印象を受けます。
サイズ的には知らない人と入るなら、二人か三人が限度でしょう。
ちなみにフロントに言えば、貸切利用も可能(30分程度)なようです。
浴室自体にはなんの特徴もないのですが、すごいのはお湯です。
東鳴子温泉らい真っ黒なお湯がたたえられています。
小さい浴槽なので、なんとなく熱いお湯を覚悟しましたが、全然熱すぎることはなく、入りやすい温度でした。
このお湯の正体は純重曹泉。「純」とつくとおり、重曹以外の成分をほとんど含まない、純度の高い重曹泉です。
純重曹泉は全国的には意外と希少な泉質で、鳴子温泉以外ではあまりお目にかかれません。
不思議なお湯を桶ですくってみました。小さいですが、黒い湯の花が混ざっています。湯の花だと知らなければ、湯垢だと思ってしまいそうな形状ですが、これはれっきとした温泉成分。お湯自体に濁りがあるわけではなく、褐色がかった透明なお湯です。
重曹泉はクレンジング作用が強く、肌がサラサラになります。
その他、別名肝臓の湯とも言われ、胆汁の分泌を促し、肝臓や膵臓の働きを活発にすると言われています。
また、胃酸を中和するため、胸焼けなんかにも効き目あり。
重曹特有のちょっと焦げ臭い匂いはなく、お湯はちょっと油臭のような木材臭のような臭いがします。
その他、保湿成分として知られるメタケイ酸も豊富に含むお湯。
重曹とメタケイ酸のダブルパンチでまさに超美肌の湯。
続いてもう一箇所の大浴場へ。
こちら側の脱衣所は広め。ドライヤーもありです。
こちらが大浴場。さきほどと浴室のテイストは同じで、ちょっと広いくらい。ここも窓が少ないので、開放感はイマイチ。露天風呂もありません。
がここもお湯が素晴らしい。黒さは小浴室よりは薄めですが、
源泉かけ流し。湯温が高いため、加水はしているようです。
湯口は階段状。成分総計的にはさきほどの不老泉よりも濃いお湯です。
食塩を含む点のみ異なりますが、しょっぱさは感じず、さきほどのお湯と違いはほとん分かりません。
ただ、浴後はちょっとだけ、食塩が肌にまとわりつくような感覚があり、よく暖まります。
浴槽の半分は残念ながら空になっていました。
7年前くらいにも訪れた事があるのですが、そのときにこちら側にもお湯があったかどうかは忘れました。
お風呂上がりにも、宿のご主人には結局会えず。
500円は戻りませんでしたが、1000円払ってもいいくらいのよき湯でした。
6.温泉分析書の説明
【小浴室】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1001で、陽イオンはナトリウム、陰イオンは炭酸水素イオンが20%を超えるので、ナトリウム-炭酸水素塩泉(純重曹泉)となります。
成分の80%以上を重曹が占める珍しいお湯。
その他、泉質名にはなりませんが、天然の保湿成分と言われるメタケイ酸も213mgで、温泉基準値の4倍以上の濃度があります。
【大浴室】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1303mgで、陽イオンはナトリウム、陰イオンは炭酸水素イオンと塩化物イオンが20%を超えるので、ナトリウム-炭酸水素塩泉・塩化物泉(含食塩重曹泉)となります。