大露天風呂の日記

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東鳴子温泉 久田旅館 油臭がする琥珀色の重曹泉に日帰り入浴

久田旅館


 
 
 

 

 

1.入浴時間・料金・混雑度


 
○日帰り入浴時間 11:00〜17:00
○日帰り入浴料金 500円

○露天風呂    あり
○お風呂の数   内湯露天(男1・女1)

○タオル     200円(ロゴあり)

○客室数     13室

〇公式HP               https://kyu-den.com/

○混雑度     お風呂で会った人数 2人

○個人的オススメ度 ★★★★☆

 

 

2.場所・電話番号


 
 
〇住所  宮城県大崎市鳴子温泉久田67

〇電話番号   0229-84-7639

 

 

 

3.泉質

 

【露天風呂】

■源泉   久田1号

■泉質   含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉

      (含食塩重曹硫黄泉)

■温度             67.1度 pH7.3

■成分総計  2934mg

 

【内湯】

■源泉   久田2号

■泉質   ナトリウム-炭酸水素塩泉

      (純重曹泉)

■温度             56.5度 pH7.4

■成分総計  1285mg

 


 4.東鳴子温泉について

 


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東鳴子温泉鳴子温泉の入口にある温泉。

鳴子温泉とともにその歴史は古く、837年に潟山(鳴子火山)が噴火大爆発し、温泉が轟音とともに湧き出したと伝えられています。噴火口のカルデラは現在も潟沼として残っています。

その薬効の高さから、江戸時代には仙台藩主の御殿場も置かれ賑わいを見せました。明治時代の1910年に山崩れにより、一度壊滅しましたが、復興し、昭和に入り新たな源泉も開発されました。

鳴子温泉と比べ、大型旅館は少なく、湯治場としての雰囲気を今直残しています。

 

5.外観・館内・お風呂

 

 


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久田旅館は江合川の左岸にある小さな旅館。

薄黄色の壁が印象的。

鳴子温泉郷江合川の右岸に宿が密集していますが、左岸にある旅館は3件ほどしかありません。そのためあまり目立たず、ちょっと静かな雰囲気の場所にあります。


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久田旅館は「ひさだりょかん」ではなく、「きゅうでんりょかん」と読み難読旅館です。看板にもご丁寧にひらがな振ってますが、普通きゅうでんとは読まないでしょう。

久田とはこの地の地名です。源義経が奥州へ逃れる際にこの地を訪れたことを記念して、「宮殿」と名付けたのが、いつかしか「久田」になったそう。詳しくは旅館のHPに書いてあります。

 


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館内。入浴料は500円です。

優しそうなおじさんが受付。


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タオルは200円。立派な名入。


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お風呂は一階の廊下をくねくねと曲がった先にあります。

館内はリニューアルされているようで、綺麗です。


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お風呂入口。


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清潔感のある脱衣所。必要なものは揃っている感じ。


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こちらがお風呂。鳴子温泉に多い植物系の臭いが混ざったアブラ臭が立ち込めています。


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お湯はオレンジ色に近い琥珀色。

浴槽の底が白タイルのせいかもしれませんが、黒湯が多い東鳴子温泉で、このようなオレンジ色のお湯はあまりありません。


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泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉。

旧泉質名では純重曹泉です。

 

源泉は久田2号という宿の独自源泉。もちろんこの旅館でしか入浴できないお湯です。

泉質的には東鳴子温泉に多い純重曹泉です。

重曹は肌の古い角質を溶かし、クレンジング作用があります。

お湯はちょっと熱めです。

源泉が高温のため、加水していますが、源泉かけ流しです。


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続いて露天風呂へ。無理やり付け足し感のある小さな露天風呂ですが、内湯と露天風呂は源泉が異なります。


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露天風呂は真っ黒なお湯。

泉質は含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。

旧泉質名では含食塩重曹硫黄泉で、内湯のお湯に硫黄と食塩を足した成分になっています。

こちらも、源泉が高温のため、加水はしていますが、源泉かけ流しのお湯です。


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実はこの源泉、成分総計が3000mg近いかなり濃い温泉。

これは数多の個性的なお湯を持つ鳴子温泉郷でも、ナンバーワンの数値です。

内湯の3倍近い成分の含有量があります。


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アブラ臭にプラスして、クレゾールのような消毒液臭もする個性的なお湯。化石海水が泉源の新潟県瀬波温泉や松之山温泉なんかで嗅ぐ臭いと同じような香りでした。

もちろんクレゾール臭のする温泉は鳴子温泉郷でもここだけ。

 

久田旅館はちょっと地味な印象ですが、意外にも鳴子温泉郷でも最も成分総計の濃いお湯。消毒液臭のする温泉は鳴子温泉でもここだけで、温泉好きにもオススメです。

 

 

まだまだあります 鳴子温泉郷

 

【東鳴子温泉を入りつくせ!】日帰り入浴完全ガイド(温泉ソムリエのオススメ8選) - 大露天風呂の日記

 

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6.温泉分析書の説明

 

【内湯】


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成分総計が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1285mgで1000mgを超えます。陽イオンはナトリウム、陰イオンは炭酸水素イオンが20%を超えるので、ナトリウム-炭酸水素塩泉となります。旧泉質名で純重曹泉です。

 

【露天風呂】


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溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは2934mgで1000mgを超えます。陽イオンはナトリウム、陰イオンは塩化物イオンと炭酸水素イオンが20%を超えるので、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉となります。

 

また特殊成分として総硫黄(チオ硫酸イオン、硫化水素イオン、遊離硫化水素の合計)を2mg以上含むと硫黄泉となりますが、こちらは11mg含むため、含硫黄とつきます。

 

以上より、含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉となります。旧泉質名で含食塩重曹硫黄泉。