奥の湯湯元館
1.基本情報
【日帰り入浴時間】
11:00〜15:00
【日帰り入浴料】
700円
【タオル】
300円(バスタオル・フェイスタオル)
【露天風呂】
あり
【お風呂の数】
内湯露天(男1・女1)
【客室数】
12室
【公式HP】
【個人的オススメ度】
★★★☆☆
2.住所・電話番号
【住所】
【電話番号】
0257-25-3500
3.泉質
■源泉
広田温泉
■泉質
■温度
14.1度
■pH値
9.3
■成分総計
589mg
4.広田鉱泉について
広田鉱泉は柏崎市の山間にある温泉。1805年に谷間で鳥が傷を癒やしているところから発見されたと言われ、その後、江戸時代の天保年間に湯小屋が建てられ、湯治場として利用されていたそう。
宿はかつて3件ありましたが、現在は湯元館の一件のみです。
5.外観・館内・お風呂
奥の湯湯元館は広田鉱泉の一軒宿。
明治時代の1874年創業の老舗旅館です。
奥の湯という名前がついてますが、かつては湯元館の手前に湯澤館、中山館という旅館がありました。湯澤館は相当前に廃業、中山館も2015年前後に廃業し、現在は湯元館のみ。
かつて3件もの旅館があった面影は全くありません。
広田鉱泉は住所的には柏崎市ですが、ほぼ長岡市と言っていいくらいの山奥にあります。周囲には他に温泉もなく、湯めぐりの工程に組み込むのはなかなか大変。
道路は比較的しっかりしており、運転の心配はありませんでした。
湯元館に到着。こんな辺鄙な山奥ですが、駐車場には車がびっしり。マイクロバスやベンツの姿も。
これは相当人気な旅館なのかも。
車から降りれば、鳥のさえずりが聞こえ、濃厚な緑の匂いがします。
宿の前には小さな小川も。
こちらが玄関。山奥の鉱泉はほぼ100%ひなびた小屋のような旅館ばかりですが、湯元館は想像に反し、建物はキレイでなんかちょっとオシャレ。
長岡市の山間には一軒宿の鉱泉宿が点在していますが、その中でもここはかなり異彩を放っています。
山奥に来てこのギャップは、確かに人気が出そう。
さっそく館内へ。いきなり障子戸で、どこが受付なのか戸惑います。日帰り入浴の案内が右側にデカデカと出してあるので、とりあえず障子を開けてみると。
おーこれはすごい。畳敷きの座敷で、高級感溢れるロビー。
障子戸を開けた瞬間、ビシッと冷房が効いた快適な空間。
帳場は奥。日帰り入浴は700円。タオルはバスタオルとフェイスタオルセットで300円です。
受付を済ませ、毛氈が敷かれた高そうな廊下を進みます。左側は明治風の大きな座敷になっていて、ここは食事処のよう。
お昼時に伺ったのですが、おじいちゃん、おばあちゃんの団体様が昼食休憩中。たくさんの車はこの方々だったよう。
館内は所々にテラスがあり、土日はカフェもやっているようでした。
テラスカフェはナポリタンやカレー、ハンバーグが頂けるそう。
先程の団体様とは別にカフェ目当ての人もちらほら。
これは宿泊したら、料理が相当期待できそうな気がします。
湯上がりにどころ。というかここがカフェだと思います。
ドリンクセットやケーキなどもあり、ここにもちらほらとお客さん。読書をしたりテーブルで寛ぐ方々も。
階段が現れたら、ここを左に曲がると湯殿。
廊下をまっすぐ進むと客室ゾーンでした。ちらっと覗いてみると鉱泉とは思えないほどキレイな感じでした。
ちょっと泊まりたくなってきた。
お風呂入口。
脱衣所。ここも新しい感じです。
駐車場が満車だったので、混雑覚悟でしたが、お風呂に人一人いませんでした。みなさん食事がメインだったのかも。
こちらがお風呂。外には露天風呂もあります。
内湯は熱気が籠もっていて、開けた瞬間ちょっとムッとしました。
内湯はめちゃめちゃ熱く、ちょっとやそっとでは入れませんでした。内湯は油粘土のようなアブラ臭をうっすら感じました。
とりあえず内湯は後回しにして、露天風呂へ。
庭園を望む正方形の露天風呂で、かなり開放的です。
この日は真夏日の炎天下。露天風呂の周りの敷石はアッツアツだったので、急いでお湯の中へ。
お湯に浸かればこんな目線。ホーホケキョとウグイスの鳴き声を聞きながら入浴は最高。露天風呂はそこまで熱くなく、入りやすい温度でした。
お湯はちょっと緑がかったような感じ。
分析書にはアルカリ性単純冷鉱泉と書いてありましたが、これはおそらく間違い。アルカリ性単純冷鉱泉なんていう泉質はありません。分析書を見ると、重炭酸ソーダで温泉法上の基準はクリアしているので、泉質名のない温泉(重炭酸ソーダの項目で温泉に該当)が正しいと思います。
そんなわけで、お湯はかなりトロミがあり、浴後はツルッとこけそうなくらいの足の裏がヌルヌルしました。
お風呂上がりは肌がサラサラになります。
きっと何人もやられたんだと思います。
お湯にはうっすら白い粉のような浮遊物がありますが、これは硫黄の化合物の湯の花だそう。
カラン。こちらの温泉はシャワーにも源泉を使っているそうで、シャワーから出てくるお湯もかなりヌルヌル。源泉は14度なので、むしろこの方が源泉そのままで、温泉らしさを感じました。
この名湯は農作業で疲れたら人々の疲れを癒やし、リュウマチや神経痛の湯治場として利用されてきたそう。湯治なら1日に3回〜4回の入浴が良いそうです。
奥の湯湯元館は古い旅館ですが、完璧にリニューアルされており、館内は明治を感じるちょっとオシャレな雰囲気で統一されています。
ニュルニュルのお湯も素晴らしいので、ぜひオススメです。
6.温泉分析書の説明
鉱泉分析指針では、泉温が25度以上または溶存物質が1000mg以上で温泉になりますが、こちらは源泉温度が14.1度で冷たい鉱泉。溶存物質も589mgしかないため、鉱泉分析指針上の療養泉として泉質名がつく温泉になりません。
ただし、温泉法上の特定の成分を一定量含む場合には、泉質名はありませんが温泉として名乗れます。
ですが、強アルカリ性だけでは特定の成分になりませんので、アルカリ性単純冷鉱泉は間違い。
重炭酸ソーダ(炭酸水素ナトリウム)を340mg以上含むと温泉となりますが、こちらはクリア。
なので、「重炭酸ソーダの項目により、温泉法2条の温泉に該当」と書くのが正解と思われます。