大露天風呂の日記

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塩原温泉郷 塩の湯温泉 柏屋旅館 独特すぎる廃墟なお風呂で日帰り入浴

柏屋旅館

 

1.入浴時間・料金・混雑度

○日帰り入浴時間 11:00〜14:00
○日帰り入浴料金 900円
○露天風呂    あり
○お風呂の数   内湯(男1・女1)

         貸切風呂6

○タオル     なし

○客室数     11室

〇公式HP     https://kashiwaya-ryokan.jp/

○混雑度     誰にも会わない(貸切利用)

○個人的オススメ度 ★★★★★

 

2.場所・電話番号

〇住所 栃木県那須塩原市塩原364

〇電話番号 0287-32-2921

 

3.泉質

■源泉  刈子の湯

■泉質  ナトリウム-塩化物泉 (食塩泉)

■温度          61.0度

■成分総計 4863mg      pH6.21

 

4.塩原温泉郷について


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塩原温泉郷の開湯は806年と伝えられ、1200年以上の歴史ある温泉です。正確には塩原温泉と言う温泉はなく、塩原十一湯(古町、門前、福渡、塩釜、畑下、大網、新湯、元湯、中塩原、上塩原、塩ノ湯)と呼ばれる温泉の集まりで、150もの源泉があり、泉質も様々。30件を超える旅館があり、まさに温泉天国。

 

塩の湯温泉は、塩原温泉中心部から鹿股川を山間に少し登ったところにある小さな温泉街。旅館は柏屋と明賀屋本館の2件のみ。どちらも塩原を代表する露天風呂を持っており、そこそこ人気があるので、日帰り入浴にはあまり積極的ではありません。

 

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戦前の塩の湯温泉の様子。鹿股川沿いに高層の木造旅館が立ち並んでいます。

現在よりも賑やかで、物の数も多く、栄えているような気がします。

ひときわ大きい中央の旅館が現在の明賀屋本館。奥に柏屋旅館も見えます。

手前に見えるのは玉屋という旅館ですが、現在は廃業していて、ありません。


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ちなみに、こちらが明賀屋本館の露天風呂。

明賀屋本館は昔は客室休憩2000円で日帰り入浴できましたが、現在は休止となっています。

 

5.外観・館内・お風呂


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柏屋旅館は塩の湯温泉の一番上流側に位置する温泉。

明賀屋本館に比べると知名度は劣りますが、素晴らしい絶景の貸切露天風呂が6つもあり、温泉好きの間で密かに人気の旅館です。


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柏屋旅館にはめちゃめちゃ風格ある立派すぎる別館がありますが、こちらは現在使用していないようです。ここをキレイにリノベーションしたら隣の明賀屋にも劣らない人気が出そうですが、もったいない。。



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玄関は鉄筋コンクリートの本館です。建物はなかなか古く、趣のないくたびれ方。好みが分かれるところですが、ここは露天風呂が素晴らしいので全然いいのです。


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ロビーもちょっと古めかしい感じ。


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少し暗めのフロント。入浴料は900円。柏屋旅館の日帰り入浴は塩原温泉郷でも最高ランクの難易度とハードルの高さ。飛び込みはNGで、必ず前日までに予約をしないといけません。当日の予約は不可です。

また土日は日帰り入浴を受け付けていないで、平日のみ予約可能。

時間は11時〜14時の間で1組1時間の予約となります。ということは1日3組しか入浴できないのです。。気合を入れて予約しましょう。


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お風呂は男女別の内湯と貸切露天風呂。

貸切露天風呂は雷ていの湯、みどりの湯、桐の湯、かもしかの湯、かわせみの湯、雄飛の湯の6つです。一番人気は渓谷が目の前に迫る超絶景の雷ていの湯。6つも貸切露天がある旅館なんてそうそうありません。 

 

ですが、日帰り入浴で入れるのは貸切露天風呂のうち一つだけで受付時に指定され、鍵を渡されます。どの貸切露天風呂かはこちらでは選べません。貸切露天風呂を余すことなく満喫するならぜひ宿泊を。

 

日帰り入浴は桐の湯か雄飛の湯のどちらかになるようです。

この日は貸切露天の中では2番人気と思われる桐の湯を指定されれました。


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お風呂ゾーンはロビーから階段を降りたところにあります。


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貸切風呂への通路は「お風呂ーど」と命名されています。

この先に、5つの貸切露天風呂と男女別内湯があります。 

ちなみに雄飛の湯だけは旅館から少し離れたところにあります。


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駐車場の横にあるこの粗末な小屋が雄飛の湯。崖スレスレに建っていて、ロケーションも素晴らしく、なかなか面白い露天風呂ですが、この日は桐の湯指定なのでここは入れません。


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お風ロードに戻ります。向かって正面のドアの向こうが雷ていの湯、みどりの湯、桐の湯、かわせみの湯。

左側の廊下を進むとかもしかの湯と内湯です。


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ここから外に出ます。


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まずはかわせみの湯が見えます。桐の湯は渓谷沿いに作られた階段を降りていきます。


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この階段が鉄製でさびていてぐらつきます。なかなかのスリル。

しかも急です。。


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階段を少しおりるとすぐり今回の目的地である桐の湯。


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雷ていの湯とみどりの湯はここから更に急な階段を渓谷沿いに降りていきますが、日帰り入浴では入れませんので、気になる方は宿泊を。


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階段からすぐ隣に圧巻の木造廃墟が見えますが、これは明賀屋本館の旧館で現在は客室として使用されていません。この旧館の一階に明賀屋本館の名物渓谷露天風呂があります。


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各露天風呂は南京錠で施錠されています。フロントからもらった鍵で扉を開けます。南京錠は古くなっていて、壊れそうなので丁寧に扱いましょう。


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こちらが桐の湯!思わずおおっと言いたくなる意表を突ついた露天風呂。なんか半分部屋みたいになっている!


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それもそのはずで、この桐の湯は、大昔に客室として使用していた大正時代の建物を無理やり露天風呂に改造したもの。いやあなんとも大胆なことしますね。

カランはなく、ちゃんとした脱衣所もありません笑 そりゃ元客室ですから。


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この黒いかごが脱衣カゴです。

ここで脱げってことだと思います。


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奥進むとそのまんま客室です。奥の方はクモの巣があったりするので深入りはやめましょう。


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渓谷沿いの欄干がなんともいい感じ。


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下を除くと真っ青な色の鹿股(かのまた)川が見えます。

これは絶景。人気があるのも頷けます。

ちなみに下に見えるトタン屋根は雷ていの湯とみどりの湯に続く階段。


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空間が面白すぎてなかなか温泉が入ってきませんが、お湯もまた素晴らしい。塩ノ湯温泉はその名のとおり、食塩を多く含む温泉で海水くらいのしょっぱさがあります。この塩分は推定500万年前の岩塩だそう。


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こんな広い露天風呂を900円で貸し切りは安い!

予約した甲斐がありました。


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お湯はいわゆる笹濁り。赤茶けた析出物は鉄分です。

こちらのお湯は鉄泉と言われるほどの鉄の含有量はないのですが、鉄は少しでも個性を発揮する温泉。鉄と炭酸水素塩の両方を含むと赤茶色になります。


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温度は少し熱めくらいですが適温。


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炭酸をまあまあ含むため、湯口は少しシュワシュワしています。

ですが炭酸泉と言えるほどの量は含んでいません。

味は塩味のあとに金属味がします。

笹濁りで色も味も複雑そうな温泉ですが、泉質名にすると、ただの食塩泉です。この温泉はマンガンもわずかに含んでいます。


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日帰り入浴では入れませんが、気になる方のために他のお風呂をご紹介。(以前宿泊した際のもの)こちらは男性用の内湯。


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一番人気の雷ていの湯。柏屋旅館で最も川に近い露天風呂。

隣の明賀屋本館の露天風呂と並び、塩原温泉の雑誌やパンフの表紙を度々飾る大人気風呂。青い川と笹濁りのお湯がなんとも素晴らしいコントラスト。

雷霆とは近くの滝の名前にちなんでいます。


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こちらはみどりの湯。サイズは二人入ればいっぱいくらいですが、二番目に川に近い露天風呂。


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かもしかの湯。


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かわせみの湯。


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参考までに夜の桐の湯。照明が少ないのでランタンを渡されます。

一人は怖いかも。

 

ちなみに貸切露天風呂は昔は7つありました。もう一つは川岸の湯といい、なんと隣の明賀屋本館を横切った先の場所にあったのです。鹿股川とほぼ同じ高さの川スレスレ露天でしたが、東日本大震災で老朽化した階段が危険となっため、現在は行くことすらできません。階段はあの立派すぎる旧館から繋がっているようです。幻の露天風呂どんな風呂だったのかとても気になる。。


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かつて明賀屋本館に泊まった際に、明らかに怪しい方向から伸びている明賀屋のものとは思えない階段(右上)を見つけましたが、おそらくこれが柏屋から川岸の湯に向かう長いの階段の一部と思われます。

明賀屋の渓流露天風呂へ繋がると階段と迷路のように複雑に絡み合い、クロスしています。こんな面白いお風呂早く復活させて欲しいものです。

 

まだまだあります 塩原温泉郷

 

【塩原温泉郷を入りつくせ!】日帰り入浴完全ガイド(温泉ソムリエのオススメ25選) - 大露天風呂の日記

 

 

 

6.温泉分析書の説明


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溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。陽イオンはナトリウム、陰イオンは塩化物イオンが20%を超えるので、ナトリウム-塩化物泉となります。つまり食塩泉です。

 

この温泉は鉄分も2.7mgとわずかに含みます。鉄泉と名乗れるには20mg以上必要なので、ちょっと鉄が入っているくらい。マンガンもわずかに含むのが特徴。

 

柏屋旅館は立派すぎる別館といい、面白すぎる幻の貸切露天風呂といい、どこにも負けないすごいウリを活かしきれていない印象。

日帰り入浴は予約制でハードルが高く、一箇所しか入れないので、

ぜひ一度は宿泊をオススメします。