凌雲閣
基本情報
【日帰り入浴時間】
8:00〜19:00(受付18:30まで)
【日帰り入浴料】
1000円
【タオル】
250円(ロゴあり)
【露天風呂】
あり
【お風呂の数】
内湯露天(男1・女1)
【客室数】
14室
【公式HP】
【個人的オススメ度】
★★★★★
住所・電話番号
【住所】
【電話番号】
0162-39-4111
泉質
凌雲閣2号井
■源泉
凌雲閣2号井
■泉質
含鉄(Ⅱ)-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
■温度
51.1度
■pH値
6.3
■成分総計
2133mg
凌雲閣1号井
■源泉
凌雲閣1号井
■泉質
酸性・含鉄(Ⅱ)-アルミニウム・カルシウム-硫酸塩泉
■温度
32.1度
■pH値
2.3
■成分総計
1650mg
十勝岳温泉ってこんなところ
標高1280mにあり、北海道でも最高所の温泉です。凌雲閣の創業者である会田久左エ門が、1961年に十勝岳の地図作成のための測量中に安政火口付近で源泉を発見。当時は道路すらありませんでしたが、自衛隊や行政の支援のもと温泉まで続く道路が完成。湯元から1.6kmをパイプで繋いで引湯し、現在は3件の宿があります。
北海道最高所の温泉
凌雲閣は十勝岳温泉の発見者が創業した旅館。
十勝岳温泉でもっとも古い1963年の開業です。
凌雲閣は赤茶色の温泉と圧倒的な絶景を誇り、温泉マニアにはかなり有名なところ。
冬場は凍てつく寒さで一面銀世界となり、四駆でなければなかなか訪れるのは難しいかも。
凌雲閣という純和風な名前ですが、北海道らしいロッジ風の外観。
道路の終点にあり、宿の裏手は十勝岳に至る登山道があります。
そのため、シーズンともなれば登山客などで賑わいます。
この日も冬の雪空でしたが、駐車場には朝から車がびっしり。
どうやらみなさんバックカントリーのよう。
こちらがロビー。あれだけ外は寒かったのですが、さすがは北海道。館内は極暖で、寒さのかけらも感じません。
宿の食堂に水槽がありましたが、のぞいてみるとなんとミドリガメちゃん。結構デカいサイズで、冬眠もせずに元気に甲羅干し中。
日帰り入浴料は1000円。
タオルは250円でロゴ入りです。
フロントの横にはおみやげコーナーもあります。
ご当地ポテチや十勝岳グッズなどなど。
珍しいところでは、雪の結晶を観察するための顕微鏡が置いてありました。お金を入れなくても見れますが、100円をいれると顕微鏡のライトが光り、よりきれいに結晶を見るとことができます。
雪の結晶コレクションはこんなにたくさん。
お風呂は階段で地下一階。
ここにも雪の結晶の写真ギャラリー。
超珍しい2種類の泉質
脱衣所。日帰り入浴時間帯は大岩の湯というお風呂が男湯になっています。
こちらが大浴場。
まず目に飛び込んでくるのは浴槽中央の巨大な大岩。
なんでも宿の創業前からこの地にあった大岩をそのまま活かしているのだとか。
お湯は鮮やかなオレンジ色のお湯で、みかんジュースのような色をしています。
泉質は含鉄(Ⅱ)-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉。
珍しい含鉄泉で、お湯はしっかりと鉄の香りがします。
洗面器でお湯をすくってみても、このとおり見事なみかん色。
鉄分を23mg含み、成分総計は2000mgを超えるなかなか濃厚な温泉です。
凌雲閣といえばオレンジ色の含鉄泉というイメージですが、実は凌雲閣はもう1つ全く泉質の異なる源泉を引いています。
大岩の横にちょこんとある湯船。
サウナの横にあり、お湯はかなりぬるいのでサウナの水風呂みたいに見えてしまいますが、れっきとした温泉。
こちらは酸性・含鉄(Ⅱ)-アルミニウム・カルシウム-硫酸塩泉。
このお湯には根強いファンが多いらしいですが、
こちらも非常に珍しい泉質で、似たような泉質は福島県の鷲倉温泉くらいでしか見たことがありません。
酸性のため、味は酸っぱく、鉄の味に変なエグミもあり、全然まずいお湯。
源泉は32度でかなりぬるく、冬に入るには正直きつい。
足湯だけにしておきました。
冬の露天風呂はぬるいです
続いて超有名な露天風呂へ。
湯船は2つに分かれており、上段側があたたかく、下段側はほぼ水。
加温などをしていないため、冬場は下段側はかなり冷たくなります。
外気温もマイナスなので、この温度に入るのは無理。。
というわけで、上段側に入ります。
肝心の景色はというと。うーん。残念ながらホワイトアウト。
本来ならばこの目線の先には十勝岳の勇姿が迫るように見えるはずです。
なんですが、白銀の世界にオレンジ色のお湯というコントラストもこれまた一興。
十勝岳温泉がある富良野はラベンダーの時期が最盛期で、ラベンダーも紅葉もない真冬は、訪れる人も少なく閑散としています。
ですが、十勝岳温泉はむしろ冬のほうがベストシーズンかもしれません。
上段のの湯船もなかなかぬるいのですが、長湯できる温度で冷たくはありません。
鉄のお湯も素晴らしく、ついつい長湯してしてしまいましたが、ここのお湯はなかなか強いようで、油断するとどっと湯疲れします。
お湯に浸かれば、このように鉄分の粉が下の方からモクモクとしてきます。
こんなに濃いお湯なので、お湯に沈めなくても、タオルは赤茶色に染まります。沈めたら、たぶん洗濯では取れないレベルに染めれると思います。
露天風呂の外は大きな渓谷。紅葉時期もさぞかしきれいだと思います。
女湯側は洞窟風呂です
この日は宿泊したので、日帰り入浴時間帯は女湯の小岩の湯もご紹介。
宿泊の場合、夜20時と朝8時の2回、男湯と女湯が入れ替わります。
大岩の湯と小岩の湯はそれぞれ特徴があるので、宿泊したならどちらと入らなきゃ損。
小岩の湯は、大岩の湯と異なり、内湯に巨大な岩はありません。
こちらも見事なオレンジ色のお湯。
酸性泉のぬる湯の浴槽もあります。
ここまではあまり変わらないのですが、露天風呂が全然違います。
露天風呂へのドアを開けるといきなり大岩。
しかも洞窟風呂になっていました。
この洞窟風呂小さく見えますが、奥まで続いており、七人くらいは余裕で入れると思います。
写真左側が露天風呂。
冬場はこちらはほぼ水みたいな温度で入れず、入れるのは洞窟部分ののみです。
こちらの露天風呂もなかなかの絶景。
ですが、方面的には晴れていても十勝岳は見えないようです。
洗い場はこんな感じ。シャワーの水量は少し弱め。
凌雲閣はオレンジ色の濃厚な含鉄泉が楽しめる貴重な温泉。
晴れた日なら北海道でもナンバーワンの超絶景露天風呂だと思います。冬の白銀の背景とのコントラストも見事で、いろいろな季節に訪れてみたくなる温泉です。
お湯も景色も最高なので、北海道でもかなりオススメです。
温泉分析書の説明 鉄分が濃い温泉です
凌雲閣2号井
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは2133mgで1000mgを超えます。陽イオンはカルシウムとナトリウム、陰イオンは硫酸塩イオンが20%を超えるので、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉となります。
また特殊成分として鉄分を20mg以上含むと含鉄泉となりますが、こちらは23mg含むため、含鉄泉の基準を満たします。
以上より、含鉄(Ⅱ)-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉となります。
凌雲閣1号井
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1650mgで1000mgを超えます。陽イオンはアルミニウムとカルシウム、陰イオンは硫酸塩イオンが20%を超えるので、アルミニウム・カルシウム-硫酸塩泉となります。
また特殊成分として鉄分を20mg以上含むと含鉄泉となりますが、こちらは69mgとかなり多めに含むため、含鉄泉の基準を満たします。
その他、特殊成分として水素イオンを1mg以上含むと酸性泉となりますが、こちらは5mg含まれているため、酸性泉の基準も満たします。
以上より、酸性・含鉄(Ⅱ)-アルミニウム・カルシウム-硫酸塩泉となります。