ホテル松本楼
1.基本情報
【日帰り入浴時間】
13時〜15時
【日帰り入浴料金】
1000円
【タオル】
200円
【露天風呂】
あり
【お風呂の数】
内湯露天(男1・女1)
【客室数】
51室
【公式HP】
【個人的オススメ度】
★★★★☆
2.住所・電話番号
【住所】
【電話番号】
0279-72-3306
3.泉質
【こがねの湯】
■源泉
総合湯(混合泉)
■泉質
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉
(含食塩重炭酸土類石膏泉)
■温度
41.6度
■pH値
6.3
■成分総計
1390g
【しろがねの湯】
■源泉
西沢の湯1号・3号・4号
■泉質
2条鉱泉(メタケイ酸の項目により温泉に該当)
■温度
15.5度
■pH値
6.0
■成分総計
370mg
4.伊香保温泉について
開湯時期は定かではありませんが、万葉集にその名が登場することから、少なくとも1300年の歴史を有する古い温泉です。
現在の伊香保温泉の原型が出来たのは戦国時代。長篠の戦い敗れた武田勝頼が負傷した兵の治療のため、伊香保温泉の整備を行い、この時に石段街も築かれました。
伊香保温泉は金泉と呼ばれる黄金色の特徴的な色のお湯ですが、金泉は老舗旅館しか引湯できる権利がありません。その他の旅館は白銀の湯という無色透明の別の源泉からお湯を引いているため、伊香保温泉は全く異なる二種類の泉質からなります。
5.外観・館内・お風呂
洋風旅館ぴのんという別館も持ち、伊香保温泉でも指折りの人気旅館です。創業は意外にも新しく1964年。
日比谷のレストラン松本楼で修行した先代が、大正時代に伊香保で洋食店を始め、戦後に小さな宿を始めたのがきっかけ。
老舗旅館でなければ、黄金色の温泉の権利を持つことを許されない伊香保温泉ですが、松本楼はしっかりと黄金色の温泉も引いている珍しい旅館。
宿の大きな建物はメインストリートである県道に面しています。
駐車場はちょっとわかりにくいですが、宿の前にある廃墟のような建物の路地を曲がるとすぐにあります。
別館である洋風旅館ぴのんの前が松本楼本館も含めた駐車場になっています。松本楼本館までは5分もかからないくらいですが、多少坂になっているので、ちょっと疲れます。
こちらがロビー。昔はもっと旅館チックなロビーだったと思いますが、今ではちょっと洒落たモダンなロビーになっています。
なんて言ったって、ロビーに入るとガラス張りの厨房があるのだから驚き。
ちなみに10年前はこんな感じでした。
入浴料は1000円。ちょうどこの時、宿のスタッフ総出で玄関前で消防訓練中。なんだか皆さん仲良さそうな感じにほっこり。
おかげでフロントには誰もいなかったのですが、そんなに待たずに受付できました。
お風呂は最上階の8階にあります。
8階はこんな感じ。松本楼は伊香保で知名度もあり、日帰り入浴にも割りと積極的なので多少の混雑は覚悟していましたが、館内は人気なし。
玄関の前の消防訓練にお客さんも遠慮したのか、皆さん日帰り入浴不可だと思ったのかも。
脱衣所はかなり広いです。
こちらが大浴場。
天井の高い広い空間に大きな2つの湯船があります。
左側は伊香保らしい黄金色の温泉、右側は透明な温泉で
二種類の源泉を使用しています。
伊香保に来たらぜひ入って欲しいのは黄金色の温泉の方。
500年以上に渡って多くの人々の傷を癒やしてきた名湯です。
大型旅館ながらも、ちゃんと源泉かけ流し。
黄金色の金泉は基本的にはどの旅館でもかけ流しで楽しめます。
泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉。
赤茶色のお湯は鉄分によるものですが、含鉄泉レベルの量は含んでいません。ですが、床は鉄分で真っ赤。
塩分も含むため、あたたまりも良いです。
透明のお湯の源泉は平成になってから開発された新しい源泉。
黄金色の源泉は一部の旅館しか引くことを許されないため、
件数でいえば、伊香保温泉の多くの旅館がこの源泉。
しろがねの湯と呼ばれますが、源泉温度は低く成分もかなり薄め。
水に近いような温泉ですが、一応温泉の基準は満たしています。
旅館側も透明なお湯だけではつまらないと思ったのか、お風呂中央には金の小槌が。よく見れば湯底にはきらめく何かが沈んています。
湯船の底に沈んていたのはなんと小判。
どうせレプリカだろうと思っていましたが、よくよく調べればこれはマジものの純金小判でした。タイルのように貼り付けられているので、剥がしたりはできません。
なんとも金運の上がりそうな開運風呂です。
洗い場も広くてキレイ。
お次は露天風呂へ。露天風呂も黄金の湯と白銀の湯の二種類。
露天風呂からはめちゃめちゃいい景色。
松本楼より下側のエリアはあまり大きな旅館はないので、景色は抜群。遠くには子持山や谷川岳なども望めます。
露天風呂にも黄金色の温泉がなみなみと注がれています。
温度もちょうどいい。
山の下から吹き上げる伊香保の強風を感じながらの入浴。
黄金色の温泉を持つ旅館は、ほとんどが石段街の狭いエリアに密集しているため、これだけの景色を拝める旅館は他にありません。
お湯も景色も文句のない、伊香保でもかなりオススメの旅館です。
伊香保温泉のその他の日帰り入浴はこちら↓
6.温泉分析書の説明
【こがねの湯】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1390mgで1000mgを超えます。陽イオンはカルシウムとナトリウム、陰イオンは硫酸塩イオン、炭酸水素イオン、塩化物イオンが20%を超えるので、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉となります。
また特殊成分として鉄分を20mg以上含むと含鉄泉となりますが、意外ににも7.3mgしか含まないため、含鉄泉にはなりません。
【白金の湯】
鉱泉分析指針では、泉温が25度以上または溶存物質が1000mg以上で温泉になりますが、こちらは源泉温度が7度で冷たい鉱泉。溶存物質も370mgしかないため、鉱泉分析指針上の療養泉として泉質名がつく温泉になりません。
ただし、温泉法上の特定の成分を一定量含む場合には、泉質名はありませんが温泉として名乗れます。
メタケイ酸を50mg以上含むと温泉となりますが、こちらは66mg含むため、温泉としての基準はギリギリクリア。
この場合、「メタケイ酸の項目により、温泉法2条の温泉に該当」などと書かれます。