洋風旅館ぴのん
基本情報
【日帰り入浴時間】
11:00〜13:00
【日帰り入浴】
1000円
【タオル】
200円
【露天風呂】
なし
【お風呂の数】
内湯(貸切4)
【客室数】
20室
【公式HP】
【個人的オススメ度】
★★★☆☆
住所・電話番号
【住所】
【電話番号】
0279-72-3308
泉質
【黄金の湯】
■源泉
伊香保温泉総合湯
■泉質
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉
■温度
41.6度
■pH値
6.3
■成分総計
1390mg
【白銀の湯】
■源泉
西沢の湯1号・3号・4号
■泉質
2条鉱泉(メタケイ酸の項目により温泉に該当)
■温度
15.5度
■pH値
6.0
■成分総計
370mg
伊香保温泉ってこんなところ
開湯時期は定かではありませんが、万葉集にその名が登場することから、少なくとも1300年の歴史を有する古い温泉です。
現在の伊香保温泉の原型が出来たのは戦国時代。長篠の戦い敗れた武田勝頼が負傷した兵の治療のため、伊香保温泉の整備を行い、この時に石段街も築かれました。
伊香保温泉は金泉と呼ばれる黄金色の特徴的な色のお湯ですが、金泉は老舗旅館しか引湯できる権利がありません。その他の旅館は白銀の湯という無色透明の別の源泉からお湯を引いているため、伊香保温泉は全く異なる二種類の泉質からなります。
ホテル松本楼の別館です
洋風旅館という聞き慣れない名前に昔から気になっていました。
旅館といっていますが、部屋は洋室のみ、夕食はこだわりのフレンチという異端過ぎる旅館です。
普通、大きなホテルの別館は日帰り入浴不可が大半ですが、こちらはオッケイ。日帰り入浴確認の電話をすると、「確認しますので少々お待ち下さい。本日ご利用いただけます」とのこと。
しかし、受付は13時までとのこと。急いでやってきました。
館内に入るとお客さんがたくさん。ですが、お客さんはレストランのランチ待ちでお風呂ではないようです。
ぴのんはランチにも力を入れていて、こだわりのフレンチ料理が2000円以下で食べれちゃいます。そんなわけで、ランチは大人気。
日帰り入浴をお願いすると、レストランから爽やかなお兄さん登場。
日帰り入浴は1000円。「詳しいご案内ご希望ですか?」と聞かれ、お風呂の仕組みが全くわからなかったので、とりあえずお願いすることに。
こちらのお風呂はすべて貸切風呂。4つある貸切風呂はタブレットで管理されていて、フロントで空き状況を教えてくれます。このときは誰もお客さんがおらず、すべて空いてました。
お風呂の入口はレストラン向かいのこの扉。
風呂とか温泉とか、何も書いてないので、全然わかりませんでした。
この重厚な扉を開門します。
さきほどのお兄さんがお風呂まで案内してくれます。
客室が並ぶ廊下をぐんぐん進みます。
ちょうどお部屋の掃除中でしたが、確かに各部屋はすべて洋室でした。
エレベーターで地下2階がお風呂。お兄さんはここまで。
深々と頭を下げてお見送りしてくれました。
たかだか1000円の日帰り入浴客にそこまでしてくれるとは。
宿泊してもサービスに期待できそうな旅館です。
4つの貸切風呂から選べます
お風呂エリアに到着。貸切風呂は右側です。
左側の廊下にもいかにもお風呂がありそうか雰囲気。
ですがこちら側にお風呂はなし。
貸切風呂は大きく分けて2つ。伊香保古くからの源泉である黄金の湯を引く「こがね籠もり湯」と、新しい白銀の湯を引く「ぷらいべーと湯」。それぞれ2つお風呂があるので計4箇所。
全部空いていたので、とりあえず全部見てから決めることにします。
まずはこがね籠もり湯から。ここは花雛というお風呂。
カランは3つあり、友人同士でも行けそう。
こちらは夢雛。花雛と左右対称でほぼ同じです。
かつては男女別の大浴場だったようですが、現在は宿泊でも完全な貸切制です。
こがね籠もり湯の前には湯上り処があります。
湯上がりサロンはいからという名前。
ここではお水がいただけます。
カップル向け ぷらいべーと湯
一番奥の廊下がぷらいべーと湯。
ぷらいべーと湯はかつては有料の貸切風呂。
ここは藤ウサギというお風呂。これはカップル向け色が強いですね。
こちらが月ノ桜というお風呂。ちょうど二人サイズで背もたれ付き。これはどうみてもカップル向け。
ソロで使うのには気が引ける。
月ノ桜には謎の広い空間も。
最初から白銀の湯を選ぶつもりはありませんでしたが、あそこまでカップル向けとは。ということで、最初に見た花雛に決めました。
貸切なので、必ず内鍵をかけて入ります。
脱衣所。時計や照明が妙にオシャレ。洋風旅館ですが、ちょっと大正ロマン的な要素も意識しています。
本当はここもカップルや家族向けなのかも。
知らずに来ちゃったので、もう遅いですが。
にしても、貸切風呂で1人1000円は安いんじゃないでしょうか。
普通だったら、2000円〜3000円しても文句は言えないはず。
これは穴場だと思います。
お湯は黄金の湯ですが、伊香保らしい黄褐色のお湯ではなく、えっ濁ってるの?くらいの色。
循環しているからだと思っていましたが、源泉かけ流し。
引いている湯量が少ないか、伊香保温泉の源泉の末端に位置するのでこんな色なのかも。
伊香保の黄金の湯といえば、本来はこんな色。
ちなみにこれは本館である松本楼のお風呂です。
ぴのんに宿泊すれば、本館のお風呂も自由に入れるようです。
泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉。
天下の名湯伊香保温泉はかなり複雑な泉質。
そこに鉄分も含むため、他にはない独特の泉質を呈します。
こちらのお風呂、幾分マイルドな感じでした。
全体的に木造の浴室で落ち着いた雰囲気。
洗い場はこんな感じです。
お風呂は四人くらいは入れそうなサイズでした。
温泉分析書 2種類の温泉を楽しめます
【黄金の湯】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1390mgで1000mgを超えます。陽イオンはカルシウムとナトリウム、陰イオンは硫酸塩イオン、炭酸水素イオン、塩化物イオンが20%を超えるので、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉となります。
また特殊成分として鉄分を20mg以上含むと含鉄泉となりますが、意外ににも7.3mgしか含まないため、含鉄泉にはなりません。
【白銀の湯】
鉱泉分析指針では、泉温が25度以上または溶存物質が1000mg以上で温泉になりますが、こちらは源泉温度が7度で冷たい鉱泉。溶存物質も370mgしかないため、鉱泉分析指針上の療養泉として泉質名がつく温泉になりません。
ただし、温泉法上の特定の成分を一定量含む場合には、泉質名はありませんが温泉として名乗れます。
メタケイ酸を50mg以上含むと温泉となりますが、こちらは66mg含むため、温泉としての基準はギリギリクリア。
この場合、「メタケイ酸の項目により、温泉法2条の温泉に該当」などと書かれます