下部ホテル
1.基本情報
【日帰り入浴時間】
10:00〜15:00
【日帰り入浴】
1200円
【タオル】
200円(ロゴあり)
【露天風呂】
あり
【お風呂の数】
内湯露天(男1・女1)
【客室数】
92室
【公式HP】
【個人的オススメ度】
★★★☆☆
2.住所・電話番号
【住所】
【電話番号】
0556-36-0311
3.泉質
【ぬる湯】
■源泉
共同泉
■泉質
■温度
31.7度
■pH値
8.8
■成分総計
371mg
【硫黄泉】
■源泉
下部ホテル硫黄泉
■泉質
アルカリ性単純硫黄温泉
■温度
29.2度
■pH値
9.5
■成分総計
509mg
4.下部温泉について
下部温泉は山梨県の南部、身延町にある温泉。1300年前の奈良時代中期に甲斐の国主の霊夢に熊野権現が現れ、温泉が湧き出したと伝えられる古い温泉です。戦国時代には武田信玄の隠し湯として、川中島の合戦で傷ついた兵士を癒やした他、武田信玄自らも入湯したとか。
くねくねとした下部川側沿いに旅館が密集し、山梨県下では石和温泉に次ぐ大きな温泉街です。歓楽的な要素の強い石和温泉と対照的に湯治場らしい雰囲気を色濃く残す温泉街となっています。
日帰り入浴には割と冷たい温泉で、半分以下の四件ほどで可能です。
5.外観・館内・お風呂
下部ホテルは下部温泉の入口に立つ大型旅館。
下部川沿いに堂々たる姿を見せます。
客室数は100室近くあり、ひなびた宿の多い下部温泉ではかなり異彩を放つ存在。
創業は1929年。戦時中は陸軍病院として接収された歴史もあります。
1980年に増築し、現在のような大型ホテルとなりました。
宿の周囲は松林に囲まれています。
創業時の旧館は現在でも離れの別館として残っています。
その別館には石原裕次郎が骨折を治すため湯治したことでも有名。
その部屋は裕林亭と名付けられ、宿泊することもできます。
日帰り入浴にはケチな下部温泉ですが、下部ホテルは昔から一貫して日帰り入浴歓迎のホテル。目の前には新しくできた日帰り温泉施設があるのですが、こちらの日帰り入浴もなかなか混んでいて、とても人気があります。
さっそく館内へ。下部温泉最大のホテルだけあって、かなり広いロビー。日帰り入浴料は1200円と高めですが、この規模の旅館ならむしろ妥当なお値段。
タオルは200円。袋にもタオルにもロゴ入りです。
旅館規模から日帰り入浴も混むだろうと予想し、日帰り入浴オープンの11時前を狙って到着。ちょっとフライングでしたので、時間まで売店なんかをのぞいたり。
ゆるキャングッズたくさん売っていましたが、アニメの中にも下部温泉が出てくるようです。
アニメに登場するのは下部ホテルではなく、ちょっと奥にある裕貴屋。昭和11年築の登録有形文化財の旅館ですが、潰れてしまい、休業中です。下部温泉のシンボルだっただけにちょっと残念。
お風呂前にはフリードリンクが置いてあるラウンジも。
残念ながらフリードリンクは宿泊者専用。
ラウンジにはたいそう立派な風林火山のステージ。
きっと夜になったら太鼓ショーとか開かれそう。
時間になりましたので、お風呂へ。
お風呂は松ぼっくりの湯とほたるの湯の2つ。
どちらも広い大浴場と趣向を凝らした露天風呂を楽しめます。
松ぼっくりの湯が男湯。
脱衣所。
松ぼっくりの湯はかなり広い。
内湯の大浴場には湯船が2つあり、源泉も違います。
露天風呂は、檜の八角形風呂と岩風呂、低温泉風呂の3つ。
下部温泉は露天風呂を持つ宿がほぼないため、これだけの露天風呂があるのはなかなか貴重です。
まずは大浴場。奥は下部温泉でポピュラーな共同泉という源泉を使用。泉質はアルカリ性単純温泉。本来は31度とぬるいのですが、残念ながら加温されており、下部温泉本来のぬる湯ではありません。
手前の浴槽は、下部ホテルしか持っていない自家源泉。
こちらはアルカリ性単純硫黄泉で、源泉は29度。こちらも加温はしていますが、36度前後に保たれていて、ちょっとぬるめ。
硫黄分は13mg含まれていますが、下部温泉の他の源泉は3mgなので、かなり多めです。
皆さん硫黄入りの自家源泉目当てなのか、ぬる湯に入りたいのかは不明ですが、大きい方の湯船はスカスカで、ぬる湯の湯船にお客さんが集中していました。
続いて露天風呂へ。景色はありませんが、屋根がかかった立派な庭園露天風呂。奥が岩風呂で手前は低温風呂。
どちらも共同泉ですが、岩風呂は普通の温度に加温、低温風呂はぬる湯が楽しめます。
このクラスのホテルだからしょうがないのですが、循環消毒ありで、塩素臭もあり。
ぬる湯ですが、幾分と入りやすく加温されているようで、下部温泉本来のちょっと冷たいぬるゆではありません。
露天風呂はまだあります。こちらは八角形の檜の露天風呂。
ここも共同泉ですが、ちょっと熱めに加温。
下部温泉は単純温泉ですが、古くから切り傷などにも効くと言われ、石原裕次郎もこのお湯で一ヶ月湯治し、粉砕骨折を完治させたのは有名な話。
お風呂上がりに下部温泉ボロネーゼという気になる看板を発見。
なんでもBIGOLIというボロネーゼ専門店が監修し、下部温泉のお湯で茹でたパスタを使っているそう。
これがホテル内のレストランで食べられるというのだから、行ってみない手はありません。
チーズたっぷりでビジュアルもすごそう。ちょうどお昼前でお腹も空いたので、行ってみることにします。
こちらがレストラン。メニューはボロネーゼしかなく、ボロネーゼに並々ならぬこだわり。団体のお客さんもいましたが、私のように湯巡りついでと思われるソロの方も。
とりあえず一番人気そうな富士山チーズというボロネーゼを注文。
レストラン中央にはフリースープがあり、オニオンスープがおかわり自由でいただけます。
富士山チーズボロネーゼが到着。チーズがパスタの上にこれでもかとのせられています。
麺は太くて、かなりモチモチ。肉も大きくゴロゴロと入っていて食べごたえあり。確かにこれは衝撃的なうまさのボロネーゼです。
540gのLサイズを頼みましたが、ぺろりといただけました。
かなりうまかったので、下部ホテルにきたら温泉だけではなく、ボロネーゼもぜひオススメです。
下部ホテルは下部温泉唯一の大型旅館。
循環消毒強めで温泉感は弱いですが、露天風呂や大浴場は下部温泉では群を抜く充実度。日帰り入浴料は高いのですが、お客さんがひっきりなしに来ていました。
ゆっくり入りたい場合は、オープン同時を狙いたいところ。
その他の日帰り入浴可能な宿はこちら。
6.温泉分析書の説明
【共同泉】
溶存物質が1000mg以下の場合は単純温泉となります。
こちらは371mgのため、単純温泉です。
もし1000mgを超えていれば、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉となる温泉で、成分的には芒硝と塩化土類を主成分としています。
またpH8.5以上で、アルカリ性とつきますが、こちらはpH8.6で、ギリアルカリ性です。
【硫黄泉】
溶存物質が1000mg以下の場合は単純温泉となります。
こちらは509mgのため、単純温泉です。
もし1000mgを超えていれば、ナトリウム-塩化物泉となる温泉で、成分的には食塩を主成分としています。
その他に総硫黄(硫化水素イオン、チオ硫酸イオン、遊離硫化水素の合計)が2mg以上で硫黄泉となりますが、こちらは13.7mgあり、下部温泉ではかなり多め。
またpH8.5以上で、アルカリ性とつきますが、こちらはpH9.5でアルカリ性です。
以上より、アルカリ性単純硫黄温泉となります。