大露天風呂の日記

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下部温泉 湯元ホテル 五本の源泉を持つ超レトロホテルで日帰り入浴

湯元ホテル
 

 

 

1.基本情報
 

 【日帰り入浴時間】

13:00頃〜夕方(要確認)

【日帰り入浴】

1000円

【タオル】

サービス(ロゴなし)

【露天風呂】  

なし

【お風呂の数】 

内湯(男1・女1)

【客室数】

23室

【公式HP】   

なし

【個人的オススメ度】

★★★☆☆

 

 

2.住所・電話番号

 

 【住所】

山梨県南巨摩郡身延町下部35

【電話番号】

0556-36-0021

 

 

3.泉質
 


■源泉

湯元ホテル第1源泉

■泉質   

アルカリ性単純温泉

■温度           

 29.6度 

■pH値

8.7

■成分総計  

396mg

 

 

4.下部温泉について
 


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下部温泉山梨県の南部、身延町にある温泉。1300年前の奈良時代中期に甲斐の国主の霊夢熊野権現が現れ、温泉が湧き出したと伝えられる古い温泉です。戦国時代には武田信玄隠し湯として、川中島の合戦で傷ついた兵士を癒やした他、武田信玄自らも入湯したとか。

 

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くねくねとした下部川側沿いに旅館が密集し、山梨県下では石和温泉に次ぐ大きな温泉街です。歓楽的な要素の強い石和温泉と対照的に湯治場らしい雰囲気を色濃く残す温泉街となっています。

日帰り入浴には割と冷たい温泉で、半分以下の四件ほどで可能です。

 

 

5.外観・館内・お風呂

 


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湯元ホテルは下部温泉中心部の下部川沿いにたたずむ旅館。

外観はかなりくたびれ、いやレトロな感じで建物も大きく、割と目立ちます。

 

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湯元ホテルは戦前の1930年創業。

創業当時は下部温泉を代表する大きな旅館で、古写真からもかなり立派な旅館であったことがわかります。橋には屋根もつき、今よりもはるかに立派。

この建物が残っていたら、相当人気な旅館だったでしょう。

 

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特徴的なのは、川を渡るように赤と青のパラソルのような橋がかけられていること。この独特の雰囲気はなんとも魅力的で、下部温泉に来るたびに気になる存在でした。


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下部温泉はかつて30件以上の旅館があった時代もあったのですが、

現在は10件弱で、多くの旅館がつぶれ、廃墟も多いです。

このちょっと寂れた雰囲気とそれはそれでいいのですが。


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湯元ホテルもひなび具合から営業してないのかも?と思っていましたが、ちゃんと営業しています。

下部温泉のHPに日帰り入浴可能な旅館として名を連ねておらず、以前断られたこともあったので、ダメ元で午前10時頃に電話。

 

若いお兄さんと思われる声で、「今の時間は対応できませんが、13時くらいなら大丈夫です。特別休憩する場所はないですが、それでもよければどうぞ」とのこと。なんと!これは大チャンス。


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はりきって13時に到着。あの赤と青のド派手なパラソル橋は正面玄関につながっていて、ここを渡らないと旅館に入れません。


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いやあなんとも昭和レトロ。昭和の遊園地的なところに迷い込んだような気分になります。入口の演出は100点満点ですね。


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橋からは湯元ホテルの旧館?のような建物も見えます。

現在使われているのかは不明ですが、ひなびを極めた佇まい。

廃墟好きの人にはたまらないでしょう。廃墟ではありませんが。


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こちらなロビー。薄暗く誰もいません。

呼び鈴を何度も何度も鳴らしますが、誰も出てこず。


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目の前の川の音がすごく、すみませーんと声をかけて全然ひびいてない感じがします。


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ロビーでキョロキョロしていると、ものすごくデカくて速いクモを発見!ひいー。。

この消火器の裏にひそんでます。

(良く見るとちょっとだけ足が映ってます)

 

10分ほどチンチン鳴らし続けると、背後から突然ご主人が現れてびっくり。電話のお兄さんではないようでした。


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日帰り入浴料は1000円。入浴料はひなび価格ではありませんね。

タオルを乞うと、「よかったらこれ使ってください。お金はいらないです。」とロゴ入りタオルを渡してくれました。


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ではお風呂へ。湯元ホテルは大浴場と岩風呂の2つ。

露天風呂はありません。

岩風呂がどちらかというと名物で信玄公隠湯と書いてありました。


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お風呂入口。巨大な温泉分析書が誇らしげに掲示

湯元ホテルは自家源泉を含めてなんと五本の源泉を所有し、湯量で言えば下部温泉随一を誇ります。

中でも、武田信玄も浸かったとされる岩盤から湧き出す源泉の権利を持っている旅館のひとつ。

 

この源泉は古湯坊源泉館という下部温泉で絶大な人気を誇る湯治宿で使用されています。ちなみに古湯坊源泉館はかつては日帰り入浴可能でしたが、現在は不可です。


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脱衣所もかなりレトロ。薄暗くなんの音もしないのでちょっと怖いくらい。脱衣所はいかにも古い旅館の匂いがします。


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お風呂は一段低いところにあり、脱衣所から階段でおります。

なんか秘密基地感ありますね。


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こちらが岩風呂。右手に巨大な天然の岩盤があります。

窓は一切なく、なんとも不思議な雰囲気。

天井から落ちる結露した水滴の音が聞こえるのみです。

夜だったらちょっと怖いかも。

右がぬる湯で、左側が加温されたあつ湯。

 

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まずはぬる湯から。

青いタイルが美しいレトロ風呂。

下部温泉といえばぬる湯ですが、こちらは湯元ホテルの自家源泉。下部温泉でオーソドックスな共同泉よりも2度ほど湯温が低く、29度。

 

お湯に足を入れてみると、冷たい!

共同泉はギリギリ冷たく感じない絶妙な温度でしたが、ここは結構頑張らないと肩までつかれない冷たさでした。

たった2度でもこれだけ体感が変わるのかとびっくり。


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足をつけては出しを繰り返し、しばし悶絶しながらなんとか肩までつかりました。お湯?いや水につかるとこんな目線。

レトロな雰囲気がたまりません。

泉質は他の下部温泉と同じアルカリ性単純泉です。

100パーセント源泉かけ流しの上質な温泉です。


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もうひとつの湯船は29度のぬる湯を加温したもの。

これがめっちゃ熱い!隣は冷たく、こっちはかなり熱く。

ちょうど良い湯温がないのが悩ましい笑


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なかなかの温度差がありませが、交互に入ると良いそう。

宿のオススメはあつ湯に3分ほど、ぬる湯に10分ほど入浴し、これを何度か繰り返すと、全身の血流がよくなり、体がポカポカしてくるのだとか。

 

あつ湯がかなり熱かったのと夏場でしたので、私はぬる湯だけを満喫。

 

湯元ホテルは日帰り入浴不可の日も多いため、入れたらラッキーくらい。その分、他の日帰り入浴客にかち合うことはありませんでした。個人的な体感では下部温泉で一番冷たい温泉。

 

レトロな建物は決してきれいではないですか、私を含めて好きな人にはかなり刺さる温泉だと思います。

 

まだまだあります 下部温泉

 

【下部温泉】日帰り入浴完全マスターガイド(温泉ソムリエのオススメ6選) - 大露天風呂の日記

 

 

6.温泉分析書の説明

 

 


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溶存物質が1000mg以下の場合は単純温泉となります。

こちらは396mgのため、単純温泉です。

もし1000mgを超えていれば、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉となる温泉で、成分的には芒硝と塩化土類を主成分としています。

 

またpH8.5以上で、アルカリ性とつきますが、こちらはpH8.7で、ギリアルカリ性です。

 

以上より、アルカリ性単純温泉となります。