赤滝鉱泉
基本情報
【日帰り入浴時間】
要確認
【日帰り入浴料】
500円
【露天風呂】
なし
【お風呂の数】
内湯(男1・女1)
【公式HP】
なし
【個人的オススメ度】
★★★★★
住所・電話番号
【住所】
栃木県矢板市平野1628-1
【電話番号】
0287-43-0940
泉質
■源泉
赤滝鉱泉
■泉質
酸性・含鉄(Ⅱ・Ⅲ)-単純冷鉱泉
■温度
11.9度
■pH値
pH2.9
■成分総計
452mg
栃木県 赤滝鉱泉ってこんなところ
江戸時代享保年間に発見され、近在の農民により野天風呂を立てて利用されていたそうですが、その効能が評判となり、1866年に宿が建てられました。明治4年に赤滝鉱泉と名乗り現在に至ります。
栃木県有数の秘湯です
矢板市には赤滝鉱泉、小滝鉱泉、寺山鉱泉という3つの鉱泉があります。いずれも秘湯ムードたっぷりで温泉マニアには有名な鉱泉。
特に赤滝鉱泉はその中でも最もひなびた旅館で人気があります。
ですが、日帰り入浴はなかなかの難易度。
電話もなかなかつながらず、営業している日も少なく、今まで行けずにいました。
この日電話してみると「午後は休むつもりですが、午前は大丈夫です」とのこと。千載一遇のチャンスなので早速伺うことに。
場所はつつじで有名な八方ヶ原に向かう県道の途中。
「赤滝鉱泉」と書かれた小さな看板があり、ここを曲がります。
途中、小滝鉱泉への分岐がありますが、ここは直進。
ギリギリ舗装はされていますが、決していい道ではありません。
ちょっと進むと開けた場所に到着。
ここが駐車場です。
ここから先は急坂の悪路なので普通の車では入れません。
4WD以外は不可と書かれていました。
この先は徒歩で向かいます。
矢板市に徒歩でしか行けない秘湯があるなんてびっくり。
このあたりから秘湯の雰囲気がプンプン。
栃木ではなく東北の秘湯にでも来たかのような気分に。
ちなみにお隣の小滝鉱泉は車で行けるのですが、怖くなるくらいの悪路。矢板の鉱泉群でアクセスが容易なのは寺山鉱泉のみです。
宿はかなり下の谷底にあるため、ぐいぐいと坂を下ります。
ということは帰りは相当きつそう。。
途中、斜面がえぐれていたりとなかなかスリリングです。
つづら折りの道をくねくねと下っていきます。
駐車場から五分ほど下ると見えてきました。
林の中に超ひなびた赤いトタン屋根の旅館が見えてきます。
時間が止まったような異空間
赤滝鉱泉に到着。すっ すごい。。
令和の時代までよくぞ生き残ったもんです。
栃木県の鉱泉は軒並み廃業していますが、ここは昔のまま残されています。
アクセスの悪さといい建物の古さといい、
栃木県ナンバーワンと言っても過言ではない秘湯。
中心のこの建物は絶対お風呂でしょう。
それにしても素晴しい雰囲気です。
こんなところにどうやって建てたんでしょう?
玄関がどこだか分からず少し迷いました。
建物のひなび具合で言えば、栃木県でも有数なもの。
徒歩でしか行けない奥鬼怒の日光澤温泉にも負けていません。
三斗小屋温泉に匹敵するくらい時間が止まっています。
スリッパがキレイに揃えてある所が入口。
母屋に近くづくと中から女将さんが出てきてくれます。
雰囲気的には、頑固おやじがおじいちゃん的な方をイメージしていましたが、意外にも話好きの明るい女将さんでした。
日帰り入浴は500円。
女将さんがお風呂まで案内してくれます。
「どこからいらしたの? あらまあ そんな遠くから」
「めぐり湯ってやつですか?」
などなど女将さん結構話しかけてくれます。
館内もかなりすごいです。
なんなら江戸時代のままなんじゃないかと思うくらいの建物。
だって、階段の上に障子戸なんて今じゃ全く見かけません。
ここは自炊場でしょうか?生活感も混ざってます。
客室が並ぶ廊下。無造作に布団が出されていました。
こういう雰囲気たまらんです。
部屋をチラ見してみると、期待通りのイメージ。
江戸時代の湯治場はこんな感じだったのでしょう。
三斗小屋温泉の大黒屋旅館もこんな感じでした。
部屋と言っても障子戸しかないので、鍵なんてありません。
キョロキョロしながら廊下を進みます。
トイレ。一応和式と洋式がありました。
もっとやばいかと思っていましたが、これなら使用に耐えられるレベル。
お風呂入口に到着。鉱泉特有の薪を焚くいい香り。
「今日は珍しく火入れてたの。ラッキーですよ」と女将さん。
脱衣所。男湯と女湯の分けはなく、一箇所のみです。
左の扉はボイラー室のようでした。
こちらが浴室。一人サイズの小さなお風呂です。
「ちょっとぬるいかしら」「ぬるめと熱めどちらがお好きですか?」と女将さん。
蓋を開けてよくかき混ぜてから入ってくださいとのこと。
非常に珍しい泉質です
なんですけど、「やっぱり おばさんがやるね」と蓋を開けて湯もみしてくれました。「うん いいお風呂 ごゆっくりお入りください」と女将さん。いろいろとありがとうございます。
こちらがお風呂。
茶褐色のいかにも濃厚そうなお湯。
泉質は酸性・含鉄(Ⅱ・Ⅲ)-単純冷鉱泉という非常に珍しいもの。
貴重な泉質だけでもここまできた甲斐があります。
栃木県で含鉄泉は、ここと寺山鉱泉のみしかありません。
鉄分を29mg含むお湯は、しっかりと鉄の味がするキシキシ感のあるお湯。pH2.9の酸性のお湯ですが、すっぱさはなし。
逆に鉄分以外の成分はあまり含んでいません。
浴槽は意外と深いです。
足を伸ばせば一人がいっぱい。
見上げれば木造の湯小屋もいい雰囲気。
鳥のさえずりも聞こえ、山の温泉宿に来たなという感じがします。
赤いバルブをひねると熱いお湯が出るらしい。
湯加減はぬるくはなく、少し熱めくらい。
しばらく入っていると、「大丈夫?熱くないですか?」と女将さん。
私がぬるめが好きだと言ったので、気になって戻ってきてくれたようでした。
洗い場はなし。
山奥の秘湯なので設備を求めてはいけません。
赤滝鉱泉は、栃木県でも指折りの秘湯。
鉄泉は非常に珍しく温泉も素晴しいです。
アクセスはなかなか悪いですが、温泉マニアの方にはぜひオススメです。
温泉分析書 酸性の含鉄泉です
鉱泉分析指針では、泉温が25度以上または溶存物質が1000mg以上で温泉になりますが、こちらは源泉温度が11.9度。溶存物質も452mgしかないため、鉱泉分析指針上の療養泉として泉質名がつく温泉になりません。
ただし、温泉法上の特殊成分を含む場合は泉質名がつきます。
特殊成分として総鉄イオン(鉄Ⅱ又は鉄Ⅲ)を20mg以上含むと含鉄泉となりますが、こちらは29mg含むのでクリア。
また水素イオンを1mg以上含むと酸性泉となりますが、こちらは1.3mgでギリギリクリア。
以上より、酸性・含鉄(Ⅱ・Ⅲ)-単純冷鉱泉となります。