大露天風呂の日記

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四万温泉 積善館 千と千尋の神隠しのモデル旅館で日帰り入浴

積善館


 
 

 

基本情報

 

 【日帰り入浴時間】

10:00〜17:30

【日帰り入浴料】

1500円

【タオル】

入浴料に含まれる

【露天風呂】  

なし

【お風呂の数】 

内湯(男1・女1)

【客室数】

20室

【公式HP】

https://www.sekizenkan.co.jp/

【個人的オススメ度】

★★★★★

 

 

住所・電話番号

 

 【住所】

群馬県吾妻郡中之条町四万温泉4236

【電話番号】

0279-64-2101

 

泉質

 
■源泉

明治の湯

■泉質   

ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉

(含石膏食塩泉)

■温度           

 67.4度 

■pH値

6.6

■成分総計  

1860mg

 

 

四万温泉ってこんなところ

 


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四万(しま)温泉は群馬県北部の中之条町にある温泉。

4万の病を治すと言われたことから、四万温泉という名前になったそう。歴史は古く、坂上田村麻呂が入浴したなど開湯は諸説ありますが、奈良時代末期から平安時代にかけて開かれたようです。


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湯宿が出来たのは江戸時代で、今に続く四万温泉の二大旅館である四万たむらと積善館はこの頃から続きます。写真の堂々たる入母屋造のかやぶき屋根は四万たむら。

 

観光客の多さでは群馬で草津伊香保に次ぐ人気温泉地。

四万たむらと積善館以外に大型旅館は少なく、こぢんまりとした宿が多い雰囲気ですが、食事に定評がある旅館が多く、各旅館にファンがいます。日帰り入浴には半分ほどの10件で可能です。

 

四万温泉の顔!大人気の旅館です

 


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積善館は千と千尋の神隠しのモデルになったと言われる旅館。

江戸時代の元禄年間創業の老舗旅館です。

四万温泉でも大人気のお宿で、積善館前には連日写真撮影の人だかりができています。

 

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夜ともなればこのように素晴らしい雰囲気。

夜でも人だかりが絶えることはありません。

まさに四万温泉に観光客を呼び込んでいるような宿。


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普通そんな人気旅館は日帰り入浴なんて絶対やらないのですが、積善館は昔から日帰り入浴を開放してくれています。

 

ちなみに四万温泉のもうひとつの人気旅館である四万たむらは、コロナ禍以降日帰り入浴をやめてしまっています。


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積善館は実はかなり大きな旅館。

千と千尋の油屋に似ている木造部分は積善館本館。

 

その裏に積善館山荘があり、さらに山の上には佳松亭積善があります。旅館はすべて繋がっていますが、山荘と佳松亭は宿泊費2万〜3万超えと超高級。一方の本館はリーズナブルに宿泊できます。

 

元禄年間の建物を残す本館

 


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日帰り入浴は本館にある元禄の湯というメイン風呂のみ可能。

佳松亭のお風呂はもちろん入れません。

本館は元禄時代に建てられたもので、県の重要文化財となっています。


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日帰り入浴の場合、積善館の駐車場は利用できないので、宿から徒歩5分くらいの町営桐の木平駐車場に停めます。ありがたいことにこの駐車場は無料です。


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一番風呂を狙うため10時ちょっと前から並んでみました。

館内に待合室はないので、外で待つように言われます。

 

ですが、明らかに並んでいる感を出しているのに、何人にも抜かされ。。。10時ぴったりにならないと入れもらえないので、あと数分待つよう皆さん追い返されていました。

受付の人は手慣れたさばきで、愛想はあまりありません。


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日帰り入浴は大人気なので、券売機制です。

入浴料は1500円。


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オープン前には既に10人ほどのお客さんが集まっていましたが、橋のたもとの写真撮影客に比べれば圧倒的に少ない。

ほとんどの人はお風呂には興味がないのか、日帰り入浴できることを知らないのか。


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タオルは入浴料に含まれていて、入浴券出すと渡してもらえます。

カッコいいロゴ入りでテンションあがる。


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大正レトロな照明が素敵です。

元禄の湯は受付のほぼ目の前にあります。


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お風呂前。入浴料を払わずに勝手に風呂に入る不届者もいたようで、柵が設置されていました。


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障子の廊下が美しい。これぞ日本旅館

ちなみに本館の内部は日帰り入浴でも見学できません。

本館を見学したい場合は泊まるしかない。

 

昭和5年築!美しすぎるアーチの浴室


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ちなみに対岸から見ると、元禄の湯は一階のアーチ窓の部分。


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お風呂は男女別。右側が男湯です。


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こちらがお風呂。

扉を開けるといきなりお風呂です。

おお なんて素晴らしい!これは人気当然出ますね。

元禄の湯は戦前の昭和5年の築。100年近く前の浴室がそのまま残ります。当時としてはかなり贅沢なものだったよう。

 

アーチ窓が美しいレトロな浴室に長方形の湯船が整然と五つ並んでいます。


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このアーチ窓といい、浴槽の配置といい、同じ群馬県法師温泉にもありました。

同時代の建築なのか、当時の流行りだったのでしょうか。

 

個人的には積善館と法師温泉のお風呂は国宝級だと思っています。


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脱衣所は扉をあけてすぐの部分。脱衣所とお風呂の間に仕切りはありません。


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泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。

旧泉質名では含石膏食塩泉です。

お湯はちょっぴり熱めくらい。各浴槽に蛇口がついていますが、お湯は浴槽の下に空いた穴から湧き出しています。

 

無色透明の特徴なさそうなお湯ですが、長く入っているとどっと疲れが出るくらいのお湯。

湯船に浸かればザバーンとお湯が溢れ出します。

     

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浴槽は5つありますが、それぞれ温度の違いなどはありません。一番手前は少し大きめですが、ほかは知らない人となら二人が限度くらいなサイズ。

一番奥の左のアーチ部分がカラン。

これだけ大きいお風呂ですが、カランははひとつしありません。

ここは純粋にお湯を楽しむ空間。

 

四万温泉名物 蒸し湯もあります


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お風呂も素晴らしいのですが、元禄風炉には蒸し風呂なるものがあります。小さなアーチ窓の扉を開けると、中にミニミニサイズの空間があります。


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中にはこんな感じのタイルの腰掛け。


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低温のスチームサウナみたいな感じで、じっくり入れそうな感じです。扉に鍵とかはないので、誰か入っているかは開けてみないとわかりません。蒸し風呂は2つありました。

 

四万温泉は源泉が67度と比較的高温。蒸し湯は積善館はだけではなく、四万たむらにもあり、四万温泉の名物です。

 

アツアツの源泉は飲泉も可能


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素晴らしいお風呂とお湯を満喫した後は、飲泉タイム。

元禄の湯の目の前に飲泉所があります。

お湯はこの岩の穴から流れています。


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券売機の横に紙コップがあるので、それで飲んでみます。

源泉が高温なためお湯はかなりアチアチ。

そのまま飲むと火傷するのでちょっと冷ましてから飲むと良いです。

 

下痢の方は熱いまま、便秘の方は少し冷ましてから飲むと良いそう。

味はあまりなく、ちょっと苦いくらいなので普通にゴクゴク飲めます。1日コップ三杯くらいは飲んで良いそう。


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昔はなかったですが、元禄の湯の横には足湯もできていました。

 

積善館は四万温泉の超人気旅館。

元禄の湯は死ぬまでに一度は入りたいお風呂のひとつと言ってもいいくらい素晴らしいものです。建物だけではなく、ぜひお風呂も入ってみては。

 

温泉分析書の説明 石膏を含む食塩泉

 


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溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1860mg。陽イオンはナトリウムとカルシウム、陰イオンは塩化物イオンと硫酸イオンが20%を超えるので、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉です。