松屋
1.基本情報
【日帰り入浴時間】
ほたる祭り期間(例年6月下旬〜7月上旬)のみ
11:00〜15:00
【日帰り入浴】
600円
【タオル】
貸しタオルサービス
【露天風呂】
なし
【お風呂の数】
内湯(貸切2)
【客室数】
4室
【公式HP】
なし
【個人的オススメ度】
★★★★☆
2.住所・電話番号
【住所】
【電話番号】
0256-82-5120
3.泉質
■源泉
岩室4号源泉
■泉質
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
(含塩化土類食塩硫黄泉)
■温度
52.2度
■pH値
7.96
■成分総計
11500mg
4.岩室温泉について
岩室(いわむろ)温泉は新潟市西蒲区にある温泉。背後に角田山や弥彦山を控える田園地帯にある温泉です。開湯時期は明確に残っており、江戸時代の1713年。村の庄屋であった高島庄右衛門が霊夢により、傷ついた雁が湯で傷を癒やしているのを発見したことからと言われています。そのため別名霊雁の湯とも呼ばれます。
大型旅館も軒を連ねますが、新潟県における芸姑発祥の地であるため、趣ある小旅館も多く、独特の落ち着いた雰囲気が香る温泉街です。日帰り入浴には比較的ケチな温泉街。
5.外観・館内・お風呂
松屋は岩室温泉の中心部に位置する割烹旅館。
普段は日帰り入浴NGなのですが、毎年6月下旬から7月上旬の冬妻ほたる期間中のみ日帰り入浴可能です。
ただし、期間中であっても、事前に電話で予約が必要です。
当日の朝、電話で来訪する時間を予約しましたが、平日ということもあって、他に予約は入っていないようでした。
1年にたった2週間程度しか日帰り入浴できない超レア旅館。
この機会を逃すまいとわざわざ平日に休みをとり、無理をしてやってきました。
岩室温泉は古き良き新潟の雰囲気を今に残す温泉街。
歴史ある旅館が立ち並び、新潟の湯河原温泉とでもいった雰囲気です。
松屋もそんな旅館のひとつで、松に囲まれたなかなか趣のある木造旅館です。
岩室温泉は松屋の他に、濱松屋、小松屋など松がつく旅館が多いです。
岩室温泉の特徴である庄屋のような豪壮な建物が今も残ります。
ちなみにこちらは日帰り入浴一切不可。
こちらが松屋の玄関。入母屋造りの立派な玄関の下には高そうなベンツが1台停まっていました。
最初ここが玄関だと分からず、何度か旅館の周りを行ったりきたり、駐車場も他に見当たらなかったので、ベンツの前に車を停めて館内へ。
玄関前にはホタル祭りだからなのか、手作りの行灯のようなものが置いてありました。くろゆの日ということで、9月6日と書かれていますが、何のことかだが良くわからず。。
さっそく館内へ。
こちらが帳場。息子さんと思われる方が受付。
電話で予約した者である旨を伝えると、「お待ちしていました」と歓迎。車はベンツの前に停めて置いてよいとのことで、一安心。
日帰り入浴をするにはこの岩室温泉湯めぐりパスポートを購入する必要があります。このパスポートはほたる祭り期間中のみ販売され、参加している各旅館やだいろの湯という日帰り入浴施設でもで購入可能です。
ちなみに2023年のほたる祭り期間中は、松屋の他、ゆもとや、大橋、濱松屋、わたやが参加。参加する旅館は毎年微妙に変わるようで、かつてはあの高島屋も参加していたようです。
お風呂は1階廊下の突き当り。霊雁の湯と家族風呂の2つがありますが、貸切利用でどちらも入っても構わないとのこと。
「霊雁の湯のほうが広くて、お庭も見えるのでオススメです」とのことだったので、霊雁の湯に入ることにします。
館内には所々このような凝った意匠があり、歴史を感じます。
帳場の横にはたいそう立派な座敷。
こちらがお風呂入口。階段でちょっと下ったところにあります。
浴室は円形になっていて、半分が脱衣所、半分がお風呂という他ではあまり見かけない構造。
中心部には大きな円形の柱があります。
こちらが霊雁の湯。オススメされたとおり、半円形の浴室の窓からは、きれいに整備された中庭を眺めることができます。
カラン。
こちらが浴槽。円形のお湯に真っ黒のお湯が満たされています。
なかなかシブい浴室で、タイル貼りの感じといい、全体的な作りといい昭和レトロな設計。
シブい浴室が残るのは岩室温泉でも今や松屋だけです。
お湯はなかなか熱め。
天井も円形でこんな感じ。グリーンと赤のド派手な色使いが面白い。
お湯をすくってみると真っ黒というわけではなく、薄墨色といった感じ。
光が当たるとエメラルドグリーン色になる不思議なお湯。
これこそが岩室温泉の本来のお湯で、小さな旅館でしか味わえないホンモノの温泉です。湯の花は黒っぽく、浴槽の内側が黒くなるため、黒湯に見えるのだと思います。
本来的にはエメラルドグリーンに近いお湯で、同じ新潟県の月岡温泉や咲花温泉に似ています。
泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。食塩を含む硫黄泉で、成分総計は1万mgを超えるかなり濃い温泉。
塩素消毒はありでしたが、循環はしていないかけ流しの温泉。
食塩を大量に含むお湯はしっかりとしょっぱく、硫黄の玉子臭もしっかりあります。
浴後は食塩が肌をコーティングし、なかなか汗が引かないほど、体があたたまります。
このまるい湯船は途中で段差が設けられていて、右上がちょっと深くなっています。滑って転ばないように要注意。
見学がてら、もう一つお風呂である家族風呂を見学。
先程の霊雁の湯とは明らかに異なり、かなり小さな浴槽で、景色も特にありません。これはほんとに家族用のお風呂。
入るなら断然、霊雁の湯がオススメです。
松屋は岩室温泉らしい古き良き建物の旅館で、大型旅館では楽しめない岩室温泉本来のお湯を貸切で利用できます。
日帰り入浴のハードルはかなり高いですが、かなりオススメです。
その他の日帰り入浴可能な宿こちら。
6.温泉分析書の説明
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは11490mgで余裕で1000mgを超えます。陽イオンはナトリウムとカルシウム、陰イオンは塩化物イオンが20%を超えるので、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉となります。
また特殊成分として総硫黄(チオ硫酸イオン、硫化水素イオン、遊離硫化水素の合計)を2mg以上含むと硫黄泉となりますが、こちらは5.8mg含むため、含硫黄とつきます。
以上より、含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉となります。旧泉質名で含塩化土類食塩硫黄泉。