越乃湯旅館
1.基本情報
【日帰り入浴時間】
要確認(15時くらいまで)
【日帰り入浴】
500円
【タオル】
100円(ロゴなし)
【露天風呂】
なし
【お風呂の数】
内湯(男1・女1)
【公式HP】
http://www9.plala.or.jp/koshinoyu/
【個人的オススメ度】
★★★★★
2.住所・電話番号
【住所】
【電話番号】
0258-72-4385
3.泉質
■源泉
越乃湯
■泉質
■温度
16.4度
■pH値
6.8
■成分総計
39010mg
4.馬越温泉について
馬越(うまごし)温泉は長岡市の与板地区にある温泉。
旧与板町では唯一の温泉で、里山の中にポツンと1軒宿があります。開湯時期は不明ですが、明治の初期には宿があったそうです。
5.外観・館内・お風呂
越乃湯旅館は馬越温泉の一軒宿。
馬越温泉は知る人ぞ知る温泉で、温泉マニアをうならせる超個性的な泉質の温泉です。
温泉までは馬越集落からこのような細い道を進みます。
里山の中の田園地帯をぐんぐん進みます。
城下町でまあまあ人口のいた旧与板町にこんな景色があったなんて驚き。
所々に案内看板があるので、迷うことはないと思います。
しばらく進むと炭焼小屋のようなものが現れ、行き止まりに。
ここが温泉です。
宿の前には看板もなく、建物も樹々で覆われているので、ここで本当にあっているのかちょっと不安に。
周囲はこんな感じ。薪を焚いているようで、煙がうっすらと立ち込めていて、郷愁をそそられます。
日帰り入浴確認の電話をすると、「今日は宴会が入ってますので、やってます」とのこと。
後で確認してみると、こちらの旅館は基本的に日曜日のみ営業。
この日は土曜日でしたが、団体様の宴会があったようで、土曜日でも営業していました。
昼時だったので、薪の香りとともに、宴会のものと思われる美味しそうな食事の匂いもします。
階段を登ると旅館玄関。ここまできてやっと越の湯の文字を確認。
さっそく館内へ。奥の座敷からはにぎやかな団体様の声。
写真右側は宿の家族の方なのか、プチ宴会みたいな感じ。
奥に見える厨房ではせっせと料理が作られていました。
中へ入るとすぐに女将さんのような方が出てきてくれて、受付。
入浴料は500円です。
タオルは100円ですがロゴなし。
お風呂は玄関からちょっと下ったところにあります。
ちょうど先程の駐車場の前あたりが浴室。
お風呂入口。里山の中に入り込むような形の建物のため、窓からはまぶしいくらいの緑。
宴会の団体様で混んでいるかもとちょっと不安だったのですが、皆さん食事中で、ラッキーなことにお風呂には誰もいませんでした。
古そうな温泉の効能書き。
脱衣所。
こちらがお風呂。扉を開けた瞬間、サウナのようなものすごい熱気を感じます。窓が開いていなかったので、熱気がこもっていたよう。
それと同時に、ヨウ素泉特有のちょっと甘い香りがします。
お湯は黄緑色でこの辺りの温泉ではあまり見かけない色。
源泉温度は16度と低いため、加温されています。
お湯は結構熱めでした。
すごいのはその濃度。成分総計はなんと3万9010mg!
普通の温泉は1000mg前後ですから、桁が違うのが分かると思います。これは新潟県でおそらく最も濃い温泉で、全国的にも有数だと思います。そんなすごい温泉が与板の山奥にあるのだからびっくり。
ヨウ素泉という聞き慣れない泉質名ですが、これは2014年に登場した新しい泉質。新潟県や千葉県ぐらいでしかお目にかかれない珍しい泉質なのです。ヨウ素はホルモンを刺激し、新陳代謝の湯とも呼ばれます。
ヨウ素は1mgでもあれば、ヨウ素泉なのですが、こちらは78mgとかなりたっぷり入っています。
似たような泉質の温泉は、千葉県の白子温泉や、新潟の西方の湯などで、この手の温泉はアンモニアや臭素の含有量も飛び抜けています。3つをくらべてみるとこんな感じです。ちなみに成分総計は馬越温泉が一番濃いです。
◇ヨウ素
白子温泉116mg>馬越温泉78mg>西方の湯69mg
白子温泉249mg>西方の湯169mg>馬越温泉156mg
◇臭素
白子温泉140mg>馬越温泉152mg>西方の湯109mg
こちらの温泉はバリウムの含有量が圧倒的で118mgも含んでいます。
馬越温泉118mg>西方の湯7mg>白子温泉2mg
バリウムは5mgで温泉基準を満たしますが、実に20倍以上。
これだけバリウムを含むお湯は他では見たことがありません。
かなり個性的なお湯ですが、残念ながら加水と循環消毒をしているため、本来の源泉は楽しめません。白子温泉も加水が多いと、黄緑色になりますが、ここも、本来は黒色に近い茶褐色のお湯なのだと思います。
帰り側に帳場に温泉で作った塩を発見。これだけの濃度の食塩泉なので、煮詰めればリアルな塩ができるよう。
馬越温泉はかなりマニアックな温泉ながら、全国有数の濃度を誇る珍しい温泉。温泉好きの方にぜひオススメです。
6.温泉分析書の説明
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。陽イオンはナトリウム、陰イオンは塩化物イオンが20%を超えるので、ナトリウム-塩化物泉となります。
ナトリウムイオンを5500mg、塩化物イオンを8500mg以上含むと強食塩泉になりますが、どちらも1万mgを超えているため、強食塩泉です。
また特殊成分として、ヨウ素を10mg以上含むとヨウ素泉になりますが、こちらは78.9mg含むため、ヨウ素泉となります。
以上より、含ヨウ素-ナトリウム-塩化物強塩冷鉱泉となります。