大露天風呂の日記

現在647湯掲載 旅館好きの温泉ソムリエのブログ 旅館の日帰り入浴情報を徹底的に紹介します!

羽根沢温泉 紅葉館 アブラ香るぬるぬる食塩泉に日帰り入浴

紅葉館

日帰り入浴時間 18時まで(要確認)
日帰り入浴料金 300円
露天風呂    なし
お風呂の数   内湯(男1・女1)

客室数     18室

 

源泉  羽根沢温泉

泉質  含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉

   (含重曹食塩硫黄泉)

温度          45.2度

成分総計 3622mg      pH8.4


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羽根沢温泉は山形県北部の鮭川村にある温泉。鮭川村は人口4000人弱の山形県で二番目に小さな村。そんな小さな村に温泉が湧いたのは大正8年(1919年)。石油の掘削ボーリング中に温泉が湧き出しました。湯量豊富な源泉は山形では珍しい間欠泉ですが、現在は安全のため蓋がされており、どこに源泉があるかはよくわかりませんでした。

 

旅館は3件で隣り合うように建っています。加登屋旅館と紅葉館で日帰り入浴可能。



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紅葉館は1959年に創業の旅館。羽根沢温泉の草分けは隣の加登屋旅館で、石油では採算が採れず、温泉を始めたのがきっかけ。紅葉館は羽根沢温泉で二番目に創業した旅館です。鉄筋5階建て。


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昭和の中期で時間が止まったようなロビー。

羽根沢温泉の旅館はどこもこのような雰囲気。

入浴料は300円で激安。


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シャンデリア風の照明もどことなく昭和の香り。


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浴室は5階です。わざわざ温泉を5階まで上げるのはなかなか大変だと思います。エレベーター内の案内も独特なフォント。


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5階からは羽根沢温泉が一望できます。隣に見えるのは加登屋旅館。

池の上に立つ面白いで造りです。

中央の八角形の変な建物は加登屋のお風呂。


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浴室はエレベーターを降りてすぐ。


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客室の並びにお風呂があります。お風呂よりトイレのようなオーラを放っています。


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脱衣所。


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こちらが浴室!わざわざ5階に作っているだけあり、羽根沢温泉を望める開放感のある浴室。


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山形ではよく見かけるタイル張りの浴槽。


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羽根沢温泉はお湯がめちゃめちゃ熱いのですが、ここの温度は極めて適温。


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お湯はとても個性的。石油の掘り損ないの温泉だけあって、がっつりとアブラ臭がします。新潟や鳴子温泉に多く見られるアブラ臭の温泉ですが、山形県では珍しいもの。なめると塩味がしっかりあります。

硫黄分も含みますが、アブラ臭が強烈なため、ゆでたまご臭はありません。

 

また、pHは8.4で強アルカリとまでは言えないのですが、驚くほどにトロトロぬるぬるのお湯。肌にしっかりとまとわりつきます。まるで化粧水。成分の重曹は肌の脂肪や分泌物を洗い落とし、肌がつるつるになります。まさに美人の湯です。

重曹泉は反面、その分湯冷めしやすい特徴があり、冷の湯とも言われますが、羽根沢温泉は食塩も多く含むお湯。食塩は皮膚を塩分でコーティングし湯冷めしにくいので熱の湯と言われます。

重曹と食塩がタッグを組むことで、皮膚の汚れを洗い落とすとともに、湯冷めもしにくい奇跡のお湯となっています。

 

あまりに素晴らしいお湯についつい長湯してしまいました。


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【温泉分析書のみかた】

溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。陽イオンはナトリウム、陰イオンは塩化物イオンと炭酸水素イオンが20%を超えるので、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉となります。食塩と重曹を含む温泉。

 

また特殊成分として、総硫黄(硫化水素イオン、チオ硫酸イオン、遊離硫化水素の合計)が2mg以上で硫黄泉となり含硫黄とつきます。

こちらは2.8mgでギリギリ硫黄泉。遊離硫化水素(ガス成分)ではなく、ほとんどが硫化水素イオンとして含んでいるのも特徴的。

 

 

昭和のくたびれた旅館しかない温泉街で、どの旅館も廃業せずに長いこと愛されてきたのはこのお湯の良さもあると思います。ちなみに羽根沢温泉はどの旅館も食事もかなり頑張っており、ありえないくらいのコスパの良さ。日帰り入浴もいいですが、ぜひ宿泊もオススメです。