高友旅館
1.入浴時間・料金・混雑度
○日帰り入浴時間 10:00〜16:00
○日帰り入浴料金 500円
○露天風呂 なし
○お風呂の数 内湯(混浴1・女2・男1・貸切2)
○客室数 41室
〇公式HP http://www.takatomo.co.jp/
○混雑度 お風呂で会った人数 1人
○個人的オススメ度 ★★★★★
2.場所・電話番号
〇電話番号 0229-83-3170
3.泉質
【黒湯】
■源泉 幸ノ湯
■泉質 含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉
(含重曹硫黄泉)
■温度 59.8度 pH6.8
■成分総計 2396mg
【プール風呂】
■源泉 顯の湯
■泉質 含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉
(含重曹硫黄泉)
■温度 73.3度 pH6.6
■成分総計 2042mg
【ラムネ風呂・ひょうたん風呂】
■源泉 玉の湯
■泉質 ナトリウム-炭酸水素塩泉
(純重曹泉)
■温度 48.3度 pH6.5
■成分総計 1144mg
4.東鳴子温泉について
鳴子温泉とともにその歴史は古く、837年に潟山(鳴子火山)が噴火大爆発し、温泉が轟音とともに湧き出したと伝えられています。噴火口のカルデラは現在も潟沼として残っています。
その薬効の高さから、江戸時代には仙台藩主の御殿場も置かれ賑わいを見せました。明治時代の1910年に山崩れにより、一度壊滅しましたが、復興し、昭和に入り新たな源泉も開発されました。
鳴子温泉と比べ、大型旅館は少なく、湯治場としての雰囲気を今直残しています。
5.外観・館内・お風呂
高友旅館は東鳴子温泉の中心部にある旅館。
湯治メインの旅館で、結構大きな旅館です。
鳴子でも最強レベルの個性的なお湯で、温泉マニアにも大人気の温泉。
館内へ。湯治宿らしい歴史ある玄関。
この旅館玄関周りはまあまあキレイですが、奥へ行けば行くほどボロボロ。
自炊棟へ至る廊下は雨漏りしています。キレイさを好む人にはオススメしません。
入浴料は500円。ちょっと愛想のないおじさんが受付。
お風呂はメインである混浴の内湯と、男女別のお風呂があります。その他にも貸切風呂などを合わせると、6箇所もお風呂がある温泉天国。泉質の異なる源泉を三本持ち、そのいずれもが温泉マニアをうならせる強力な温泉です。
日帰り入浴で入浴可能なのは、貸切の1箇所を除く5箇所。
ここを左手に曲がると混浴の内湯。真っすぐ進むと自炊棟へ至ります。
混浴の内湯は黒湯と呼ばれるお風呂。
高友旅館の名物である黒湯は1952年にボーリングにより湧出したもの。意外と新しい温泉です。
しばらく進むと突然広い空間へ。階段を降りると黒湯の混浴内湯です。
雰囲気ありまくりの空間。戦前にタイムスリップしたかのよう。
右側が混浴内湯。正面が女性専用の内湯ですが、特に女湯入口はまるで廃墟。
扉を開けるとこんな感じ。何やら学校の保健室のような雰囲気。
脱衣所は天井が吹き抜けの空間になっているので、とにかく寒い。暖房なんてありません。
こちらがメインとなる混浴内湯。勾玉のような不思議な形をしています。浴室全体は天井が高く広いのですが、廃墟感漂う渋すぎる浴室。
黒湯という名前ですが、実際はいつもこのような深緑色をしています。お湯は結構熱めです。
この日は自炊棟に宿泊したのですが、朝イチのお風呂は熱くて入れないほど激熱でした。
東鳴子温泉はアブラ臭のする温泉ですが、臭いに関しても高友旅館が最強。お湯に鼻を近づけてみると、軽油そのもののような強烈なアブラ臭で、むせそうになります。
また、浴後のあたたまり感もすごいです。
さすがは数多の温泉マニアを魅了してきた温泉。
こちらは幸ノ湯という高友旅館で一番濃い源泉を使用しています。
もちろん完全な源泉かけ流し。
含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉。
旧泉質名では含重曹硫黄泉。
ガソリン臭が強いため、硫黄は全然分かりませんでしたが、
朝イチで来てみると、このような不気味な湯の花が。。
硫黄分が含まれている証拠です。
そして、この温泉に入るとすごく疲れます。結構な湯あたりをする人もいるそう。成分が強力なお湯ですが、その分翌日に不思議とすっきりと疲れが取れるのです。
勾玉型のお風呂の奥にももう一つ湯船があります。
こちらはプール風呂と言う名前のお風呂。
泉質は含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉。
旧泉質名では含重曹硫黄泉で、泉質名では黒湯と同じです。
ここも源泉かけ流しです。
ここも廃墟の中にあるような雰囲気のお風呂。
お湯は黒湯と打っかわり、ちょっとぬるめで、とてつもなく気持ちのよいお湯です。
プール風呂は炭酸の泡付きもよく感じるお湯で、入浴すると体中に小さな気泡がつきます。
こちらは顯の湯(けんのゆ)という源泉を使用。
ちなみに顯とは目立つという意味です。
どちらかというとプール風呂のほうが黒っぽかったのですが、、
次の日の朝訪れてみると。
え〜なんとびっくり。見事な青色の温泉に変身していました。
一晩でこれだけ色が変わるなんてありえるでしょうか?
すごすぎる温泉です。神々しいまでのブルーに驚愕。
隣の黒湯の湯船と対比すると、緑とブルーのコントラストが美しい。
ちなみにカランや体を洗う設備は貧弱です。
続いてもう一つ、日帰り入浴可能なひょうたん風呂に向かいます。
ひょうたん風呂は男性用で、女性用にはラムネ風呂というお風呂があります。
高友旅館は奥側がボロボロの自炊部ですが、玄関がある建物が旅館部。旅館部の方が幾分キレイです。
お風呂までの廊下はちょっと意匠が凝っています。
こちらがプール風呂入口。牢獄のような鋼鉄の扉。
牢屋に入れられるような気持ちになります。
ここの脱衣所も相変わらず寒い。。
こちらがひょうたん風呂。
湯船がひょうたんの形をしています。サイズ的には四人くらい。
ここもアブラ臭がしますが、先程の混浴内湯ほどではありません。
お湯は真っ黒。こちらは玉の湯という源泉を使用。
この源泉が結構ぬるい。湯船にはかなり温度のムラがあり、水のように冷たいところもあれば、じんわり温かいところも。
その他にも、こちらのお湯は泡付きがすごく、先程のプール風呂よりも炭酸を感じます。
お湯の投入口は少なく、ちょろちょろという感じ。
泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉で、旧泉質名では純重曹泉です。
こちらも源泉かけ流し。
炭酸である遊離二酸化炭素の数値は250mgほど。
これでもまあまあ多いのですが、炭酸泉と言うためには、遊離二酸化炭素が1000mg必要なので、炭酸泉とまでは言えません。
この日は宿泊したので、通常は女性用のお風呂であるラムネ風呂もレポート。宿泊すれば、19時〜20時のみ男性用になります。
その間、混浴内湯が女性専用になるので、混浴に抵抗ある方は、宿泊がオススメです。
ラムネ風呂は、ひょうたん風呂と同じく玉の湯という源泉を使っていますが、泡付きはひょうたん風呂以上でかなりすごい。
微細な気泡がびっしりと体にまとわりつきます。
鳴子温泉で一番炭酸を感じるお湯でした。
日帰り入浴では、もう一つのもみじ風呂という貸切風呂も利用可能。
ほとんどの人は混浴内湯で終わってしまうと思いますが、こちらも紹介します。場所はボロボロの自炊棟の中にあります。
脱衣所も最も廃墟感が漂います。
こちらがもみじ風呂。二人サイズくらいの小さなお風呂。
お湯は結構熱めでした。源泉は顯の湯というプール風呂と同じで源泉を使っています。
高友旅館はもう一つ家族風呂がありますが、こちらは旅館部宿泊した専用で、日帰り入浴では利用不可。
自炊部に宿泊した私は、どこにあるのかも分かりませんでした。
旅館部に宿泊される方は入ってみては。
高友旅館は露天風呂こそないものの、温泉はかなり個性の強い鳴子温泉を代表するお湯。館内は古く、汚さもあるため、一般受けはしないと思いますが、温泉好きの方には鳴子温泉郷で一番オススメしたい温泉です。
6.温泉分析書の説明
【黒湯 幸ノ湯】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは2396mgで1000mgを超えます。陽イオンはナトリウム、陰イオンは炭酸水素イオンが20%を超えるので、ナトリウム-炭酸水素塩泉となります。
また特殊成分として総硫黄(チオ硫酸イオン、硫化水素イオン、遊離硫化水素の合計)を2mg以上含むと硫黄泉となりますが、こちらは11mg含むため、含硫黄とつきます。
以上より、含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉となります。旧泉質名で含重曹硫黄泉。
【顯の湯 プール風呂・もみじ風呂】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは2042mgで1000mgを超えます。陽イオンはナトリウム、陰イオンは炭酸水素イオンが20%を超えるので、ナトリウム-炭酸水素塩泉となります。
また特殊成分として総硫黄(チオ硫酸イオン、硫化水素イオン、遊離硫化水素の合計)を2mg以上含むと硫黄泉となりますが、こちらは5mg含むため、含硫黄とつきます。
以上より、含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉となります。旧泉質名で含重曹硫黄泉。
【玉の湯 ラムネ風呂・ひょうたん風呂】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1144mgで1000mgを超えます。陽イオンはナトリウム、陰イオンは炭酸水素イオンが20%を超えるので、ナトリウム-炭酸水素塩泉となります。
旧泉質名では純重曹泉です。