基本情報
【日帰り入浴時間】
10:00〜14:00
【日帰り入浴料】
1000円
【タオル】
サービス
【露天風呂】
あり
【お風呂の数】
内湯(貸切1)
内湯露天(貸切1)
【客室数】
42室
【公式HP】
【個人的オススメ度】
★★★★★
住所・電話番号
【住所】
【電話番号】
0248-84-2210
一度廃業した旅館を有志が再興
湯小屋(ゆごや)旅館は二岐温泉でも異色の旅館。
もともと老夫婦が営んでいた古い旅館が廃業し、それを惜しんだ常連客が経営を引き継ぎ営業されています。
土日祝日のみ日帰り入浴と素泊まりを中心に営業していましたが、
2食付の宿泊営業も始めたようです。
日帰り入浴は貸切での利用で1組1時間。
ただ、予約はできないので先客がいたら待たなければなりません。
もともとはまさに小屋のような鄙び旅館だったのですが、
若者や女性客受けもしそうなキレイな建物のリニューアルされています。
場所はかなりわかりにくい。
このバリケードの先が湯小屋旅館なのですが、特に看板もない。
あるのは「大和館」と書かれた看板のみ。
大和館は既に廃業してしまっているため、本当にここなの?と半信半疑。
二岐温泉のバス停前にある広大な駐車場。
ここに車を停めて歩いて向かいます。
バリケードには「営業中」の文字。これがおそらく湯小屋旅館営業中という意味。バリケードの端から中に入ります。
ぐんぐん坂を降りていきます。
左手に大きな旅館が見えてきますが、これは大和館。
老夫婦が経営されていましたが、残念ながら亡くなられたそうで、
その後相続する人も買い手もつかず、そのまま放置されています。
意外と大きな旅館なので取り壊すにも一億円かかるのだそう。
実は当方、13年前にここを訪れたことがあります。
深々と雪が降り積もる中、帰りに女将さんがりんご渡してくれたことを今でも覚えています。
川沿いの露天風呂も良かったので本当に残念でならない。。
てかこんな写真しか残っていないのも残念。
日帰り入浴は先着順の貸切制です
大和館の記憶を思い出しながら、湯小屋旅館へ到着。
よく見ると車が停めてあったので、バリケードを開けて入ってこれたのかも?
同じく一度は廃業した旅館ながら、大和館とは対象的な運命をたどった旅館。こちらは温泉好きからも知られた旅館で、日帰り入浴はとても人気です。
館内に入るとたくさんの人。
常連だらけのゲストハウスに突然入ったかのような感覚で、ちょっと緊張しました。
経営されている御夫婦とそのご家族、あとは先客のグループが男女五名ほど。
日帰り入浴をお願いすると、お客さんが重なってしまったため、かなり待つとのこと。
「2時間くらいお待ちいただくかもしれません、、、」
えっ 2時間、、、さすがに2時間はキツイです。
これは諦めて出直そうかと思いましたが、ご主人の奥さん?と思われる方が「露天風呂はありませんが、女湯だけで良ければそんなに待たないかもしれません」とのこと。
女湯だけで全然いいので待たせてもらうことに。
待っている間お茶をいただきます。
その間、ご夫婦と二岐温泉の話をして待ちます。
「ここ知ってたんですか?」と聞かれます。
確かに温泉好きでないとなかなか知らないかも。
まして私みたいな年齢のお客が一人で来るのは珍しいのかしら?
「待っているときはお客さん来ないんだけど、来るときは重なるんですよ」とのこと。この日はGW最終日でしたが、前日は一組しか来なかったのだそう。
廃業した大和館の話や、柏屋旅館の名物露天風呂が台風流された話など、いろいろと二岐温泉事情をお聞きしました。
そうこうしていると意外にもすぐに先先客の御夫婦が出てきて、女湯が空きました。この方達も常連さんのよう。
「露天風呂がなくてすみません。半額でいいです」と日帰り入浴1000円のところ、500円にしていただきました。
お風呂は黒い建物の横にある小屋のような建物。
そこから更に階段を下った先にあります。
ご主人がお風呂まで案内してくれます。
館内はきれいにリノベーションされていて、ひなびた感じはありません。
長い階段を降ります。
露天風呂✕長い階段の組み合わせはハズレがありません。
当時のものと思われる古い看板。
シブくて好き。
露天風呂はないが満足度の高い姫の湯
階段を降りるとお風呂ゾーンです。
奥がメインの「奥の湯」。渓流沿いの露天風呂が人気で皆さんこれが目当てです。
奥の湯は先客のグループ様が使っているので、
手前の姫の湯が今回私が入るお風呂。
脱衣所も新しいですね。
こちらが姫の湯。
全然いいじゃないですか!
ご主人はすごく申し訳無さそうにしていましたが、このお風呂で十分です。
この日はやたらと風が強く、お湯にはタンポポの綿毛が浮いていました。
建物はキレイで新しいのですが、浴槽は昔のままといった感じ。
湯船まで新しいと、逆に秘湯感がなくてテンションが下がりますが、
残すべきところはしっかり残しています。
湯口の隣に並べられたアヒルが超かわいい。
泉質はカルシウム-硫酸塩泉。旧泉質名では純石膏泉です。
二岐温泉13号源泉を使用。
何も書いてありませんでしたが、この感じからすると源泉かけ流しでしょう。
二岐温泉は純度の高い石膏泉で、石膏以外の成分をほとんど含まないのが特徴。
純石膏泉というのは意外とお目にかかれない泉質です。
石膏には鎮静作用があり、痛みを和らげる効能があります。
源泉温度は41度と書いてありましたが、明らかにそれより熱い。
体感的には二岐温泉でも一番熱かったかも?
足先を入れて体を慣らしながら入浴。
ザバーンとお湯に疲れば、二俣川の渓流音。
窓から二俣川は見えませんが、このBGMと緑の匂いだけで露天風呂にでも入ったかのような満足感がありました。
この湯小屋旅館はつげ義春の漫画にもほぼそのまま出てきます。
在りし日の湯小屋旅館はまさに湯小屋。
つげ義春の世界観にピッタリです。
お風呂から上がると、ご主人が「こんな早くもういいんですか?」と聞かれます。もう30分くらい待っていたら、露天風呂も空いたかもですが、絶対また来ますよ。
「他にどこか入られるんですか?」と聞かれたので、「すでに2件(ふじや、桂祇荘)入ってきました」と伝えるとたいそう驚いていました。
湯小屋旅館は二岐温泉らしい渓流露天風呂が人気。
渓流露天風呂は二岐温泉の名物ですが、今やこちらと大丸あすなろ荘にしかありません。
貸切で利用できるのは魅力ですが、予約ができないので、
湯巡りするなら、最初に訪れて時間調整するのがオススメです。
温泉分析書 完璧な石膏泉