大露天風呂の日記

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伊東温泉 ケイズハウス伊東 登録有形文化財の旅館で分福茶釜の湯に日帰り入浴

ケイズハウス伊東

 
 

 

基本情報

【日帰り入浴時間】

8:00〜11:00

15:00〜20:00

【日帰り入浴料】

500円

【露天風呂】  

なし

【お風呂の数】 

内湯(男1・女1)

【客室数】

19室

【公式HP】

https://kshouse.jp/ito-j/index.html

【個人的オススメ度】

★★★☆☆

 

 

住所・電話番号
 

 【住所】

静岡県伊東市松原町12-13

【電話番号】

0557-35-9444

 

泉質


■源泉

岡84号泉

■泉質   

カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉

(含芒硝塩化土類泉)

■温度           

 51.2度 

■pH値

7.8

■成分総計  

2201mg

 

伊東温泉ってこんなところ

 


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伊東温泉は熱海と並ぶ伊豆を代表する温泉地。歴史は古く平安時代に上総介藤原資範が入湯した記録が残りますが、それ以外にはっきりとした開湯の言われはありません。江戸時代には徳川家光にお湯を献上したとされていますが、温泉地として発展したのは明治以降。


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この頃から別荘地として栄え始め、源泉が多数開発された結果、大正期以降は、東海館など今に残る豪壮な建築の老舗旅館も建てられました。700本を超える源泉があり、湧出量はなんと毎分3万4000リットル。これは熱海温泉の約2倍、温泉地としては別府、由布院に次ぐ全国三位の湧出量を誇ります。

 

多くのホテルや旅館がありますが、日帰り入浴は大歓迎してくれます。主要な宿のほとんどが日帰り入浴可能で、伊豆でも有数の日帰り入浴天国。

豊富な湯量から源泉かけ流しの宿が多いのも特徴です。

 

登録有形文化財の旅館をリニューアル

 


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ケイズハウス伊東は伊東のシンボルである東海館の隣にある旅館。

名前とは対象的な極めて日本風の木造旅館です。

ケイズハウスっていう名前からはとても想像がつきません。

 

実はこちらの建物、かつてはいな葉という老舗旅館でした。

東海館と同様に旅館としては一度営業を終了しており、

旅館いな葉は2007年に閉館。2010年に外国人旅行者向けのゲストハウスとしてリニューアルオープン。


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大川沿いから見るとこんな感じ。手前が東海館で、奥のドーム状の望楼を乗せた建物がケイズハウス。

川沿いに並んだ木造旅館は、知らなければ一つの建物に見えるほどくっついています。

どちらの建物も木造三階建てで望楼を乗せていて、テイストもそっくり。

東海館の和風の望楼と、ケイズハウスの洋風の望楼はかつて「油差し」と呼ばれ親しまれていたんだかとか。


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東海館の建物も良いですが、旧旅館いな葉の建物もまた素敵です。

建物は大正末期から昭和初期の建築。

国の登録有形文化財にも指定されるほどの建物です。

当時は大東館という名前でした。

 

このあたりはかつての伊東温泉の中心地で、松川沿いに東海館、大東館、カタナヤ旅館(聚楽の前身)などが並び立っていました。

国の登録有形文化財にも指定されるほどの建物です。


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東海館は市の観光施設になっているので、ケイズハウス前の通りは人通りも多いのですが、ケイズハウスが日帰り入浴可能なのは皆さん知らないよう。


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知らなければ敷居が高そうな旅館にしか見えませんが、よーく見ると日帰り入浴の案内が出ています。


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玄関の感じまで東海館とそっくり。

もはや東海館をリスペクトして作ったとしか思えません。


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ちなみにこちらな東海館。似ているでしょ?


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さっそく館内へ。ん?山本館?

山本と読んでしまいましたが、「いな葉」と書かれていたよう。

くずし字は難しい。

ケイズハウス伊東ですが、玄関のガラス戸は当時のまま使われていました。


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玄関はこんな感じ。外国人旅行者をターゲットにしているので、館内はとにかく英語の案内が多い。


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ちょうど外国人の宿泊のお客さんも来ていましたが、日本人スタッフの流暢な英語の見事なこと。ネイティブかと思うくらいの発音の良さでした。

もちろん外国人でなくとも利用できます。

日帰り入浴料は500円。


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一階の奥はリノベーションされており、和を意識したおしゃれな共有スペースになっています。


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こんなゲストハウスなら、外国人でなくとも泊まってみたい。

 

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お風呂は玄関から向かって右側。少し階段を上がった中二階のような場所にあります。

 

たぬきがかわいい茶釜の湯 


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脱衣所は少し新しい感じ。

竹の目隠しが日本風な雰囲気を出しています。


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大浴場は階段を降りた先にあります。


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裸で通るので、湯上がりに滑らないように注意です。


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こちらが大浴場。ここは新しくしたのか、レトロな感じはなくちょっと無機質な感じ。半地下のような場所にあるため、景色もありません。清潔感は抜群なので、外国人受けは良いかも。

湯船は御影石製でした。

レトロなタイル風呂とかなら百点なんですが。


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洗い場も無駄なものを排したシンプルの極み。


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唯一当時のままだと思われるのがこの湯口。

最初見たときは何なのか良くわかりませんでしたが、

茶釜を背負ったたぬきでした。

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丸みを帯びた独特のフォルムがクセになります。

たぬきの顔も愛嬌があってかわいらしい。

茶釜には不老長寿と刻まれていました。

 

この湯口は、地元の彫師森田東光によるもの。

お隣東海館の唐獅子の湯口も手掛けています。


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泉質はカルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉。

旧泉質名では含芒硝塩化土類泉です。

岡84号泉という源泉を使用。成分は2022mgで少し濃い目。

この泉質は熱海温泉の山あいなどでも見られます。

 

隣の東海館は別の源泉で、アルカリ性単純温泉

隣同士でもこんなに泉質が違います。

さすがは700本以上の源泉がある伊東温泉。

こちらのお湯はおそらく循環消毒あり。

 

ケイズハウス伊東は登録有形文化財のすごいお宿。

かつての伊東温泉を垣間見れる立派な建築は一見の価値あり。

東海館とセットで訪れたい温泉です。

日曜日の15時半頃に伺いましたが、混み合うこともなく、

日帰り入浴は後から来たお客さん一人だけでした。

 

 

温泉分析書 塩化カルシウムが主成分の温泉

 


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溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは2201mgで1000mgを超えます。陽イオンはカルシウムとナトリウム、陰イオンは塩化物と硫酸塩イオンが20%を超えるので、カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉です。