大露天風呂の日記

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鷲倉温泉 鷲倉温泉高原旅館 鉄なのに超酸っぱい!激レアな酸性緑礬泉に日帰り入浴

鷲倉温泉高原旅館

 

 

 

1.入浴時間・料金・混雑度

 

 
○日帰り入浴時間 10:00〜14:00   

○日帰り入浴料金 800円

○露天風呂    あり
○お風呂の数   硫黄泉 内湯露天(男1・女1)

         緑礬泉 露天(男1・女1)

○客室数     16室

○タオル     サービス(ロゴあり)

〇公式HP     https://www.washikuraonsen.com/

○混雑度     お風呂で会った人数 1人

○個人的オススメ度 ★★★★☆

 

2.場所・電話番号

 


〇住所  福島県福島市土湯温泉町鷲倉山1

〇電話番号   0242-64-3224

 

 

3.泉質


 

【岩根の湯】

■源泉  鷲倉温泉露天風呂

■泉質  酸性・含鉄(Ⅱ、Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩泉

     (酸性緑礬泉)

■温度         60.2度

■成分総計 1262mg      pH2.6

 

【内湯露天】

■源泉  鷲倉温泉(イ)

■泉質  単純硫黄温泉(硫化水素型)

■温度         69.0度

■成分総計 195mg      pH6.12

 

 

4.鷲倉温泉について

 


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鷲倉温泉は、個性的な温泉が集まる土湯峠にある一件宿の温泉。

周囲には新野地温泉、野地温泉、赤湯温泉、幕川温泉などが点在し、いずれも温泉好き垂涎のお風呂を持っています。このあたりは、まとめて土湯温泉郷と呼ばれますが、歴史は明治からとそこまで古い温泉ではありません。

 

5.外観・館内・お風呂

 


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鷲倉温泉は冬季には休業してしまう一件宿。

建物は2001年にリニューアルしているため、土湯温泉郷の中でも新しい感じがします。磐梯吾妻スカイラインの入口に最も近いため、ライダーの方なので混み合うのかと思いましたが、土曜日でも意外とお客さんはまばら。駐車場にはたっぷり車が停まっていましたが、皆さんどこにいたのでしょうか。


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館内もまだ真新しい感じ。入浴料は800円。


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ロゴ付きのフェイスタオルは1本サービスしてくれます。


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こちらがタオル。


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鷲倉温泉は2つの源泉を持ちます。ひとつは土湯温泉郷ではポピュラーな単純硫黄泉の源泉。もう一つは土湯温泉郷でここだけの酸性緑礬(りょくばん)泉という温泉です。酸性緑礬泉は非常にレアな温泉で、福島県内でもここだけです。

玄関から入り、右側が硫黄泉がある内湯と露天風呂、左側が酸性緑礬泉の岩根の湯という露天風呂です。日帰り入浴ではどちらも入浴可能。正反対にあるので、素っ裸でお風呂間を移動なんてことはできません。

見た目的に温泉らしいのは、硫黄泉の方ですが、温泉ソムリエとしては、ここは迷わず緑礬泉の方へ。


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緑礬泉の岩根の湯は、一度外へ出た離れになります。

ここで外履きを履くのですが、スリッパが驚くべきビッグサイズ。

内履きのスリッパを履いたまま、かぶせて履けるという画期的なビッグスリッパでした。


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離れと言っても徒歩10秒くらい。


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離れに入ると、さっそく飲泉用のひしゃくがありましたが、残念ながらコロナで使用中止。

飲用後、「お茶やコーヒーは飲まないでください」とありました。

強い温泉だけに、どうなるのかちょっと怖い。


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岩根の湯は露天風呂のみで、洗い場などはありません。

入り口もちょっと小さめ。


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脱衣所。周りが暗めの木造なので、かごの中が暗くて見えにくいです。帰りに一瞬、靴下の片方を見失いました。


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こちらが岩根の湯の露天風呂。


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湯船の底や縁は見事に濃く赤茶けています。


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お湯は透明です。そして透明なのにめちゃくちゃ酸っぱい!


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見た目とお湯のギャップは、気持ち悪いくらい衝撃的です。


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酸性緑礬泉の「緑礬」とは硫酸鉄のこと。湧出時は無色透明ですが、次第に酸化されて赤茶色になります。

緑礬泉は通常、硫黄などを伴うことが多いのですが、こちらは硫黄分も全く含まない珍しい温泉。


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鉄を間違いなく多量に含んでいるのですが、不思議なことに鉄の味はほとんどしないのです。鉄泉自体も珍しく、福島県内にはほとんどありません。


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お湯はちょっと熱めでした。こんなに貴重なお湯ですが、皆さん硫黄泉の方で満足するようで、誰にも会いませんでした。

そういう私も以前訪れた際は、緑礬泉は白濁していないとの理由で完全スルー。実にもったいないことをしました。


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酸性緑礬泉をひとり、じっくり堪能した後は硫黄泉の方へ。

またまたロビーへ戻ります。

看板には「弱硫黄泉」とありましたが、どんなお風呂なのか楽しみ。


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硫黄泉の方は内湯と露天風呂がくっついています。

洗い場もあり、メイン風呂はこちらという位置づけ。その他にも家族風呂の露天風呂がありますが、これは宿泊者専用なので入れません。


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では早速お風呂へ。脱衣所。


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こちらが大浴場。木製の湯船です。


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お湯は完全な白濁とまでは行きませんが、薄っすらと白濁しています。


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泉質は単純硫黄泉。


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ほんの少しだけ鉄を含むので、湯口が赤茶けています。弱硫黄泉とあるとおり、硫黄以外の成分はかなり薄め。

主成分として大きな割合を占めるのはなんとアンモニア

これはとても珍しいのですが、成分量が少ないのでアンモニア感はほとんどありません。


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洗い場。


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お次は露天風呂へ。遠くには東吾妻山など、磐梯吾妻スカイラインが貫く山々が見えます。囲いがあるため、そんなに見晴らしはよくありませんが、立てば絶景なので、開放感は満足。


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露天風呂はちょっとぬるめで、ずっと入りたくなる気持ちよさ。

露天は岩風呂になっています。

土湯温泉郷の野地温泉ホテルなどに比べれば、白濁も弱めで、露天風呂も小さいため、お客さんがめちゃめちゃ多いわけではありません。


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道路側には塀があるのですが、山側は見晴らしがあります。


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露天風呂の隣にはナナカマドがキレイな実をつけていました。

この木が一本あるだけで、実に秋らしい露天風呂になります。

 

硫黄泉側のお風呂自体はインパクトが強いわけではありませんが、しっかりとした硫黄泉なので満足感は高め。

 

まだまだあります 土湯温泉

 

【土湯温泉】日帰り入浴完全ガイド(温泉ソムリエのおすすめ10選)成分量ランキング - 大露天風呂の日記

 

6.温泉分析書の説明

 

 

【緑礬泉】


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溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは1262mg

で超えています。陽イオンはアルミニウム、陰イオンは硫酸イオンが20%を超えるので、アルミニウム-硫酸塩泉となります。

 

また特殊成分として総鉄(鉄Ⅱと鉄Ⅲの合計)を20mg以上含むと含鉄泉となりますが、こちらは26mg含むため、含鉄とつきます。

これがとっても珍しい。

 

その他、水素イオンを1mg以上含むと酸性泉となりますが、こちらは2.5mgで基準を満たすため、一番頭に「酸性」とつきます。

 

以上より、酸性・含鉄(Ⅱ、Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩泉となります。

この温泉のように、特殊成分が2以上ある場合、順序にルールがあり、酸性を一番最初につけるとこになっています。

 

その他、泉質名にはなりませんが、美肌成分として知られるメタケイ酸を235mg含んでいますが、これ温泉基準値の4倍以上の数値です。

 

【硫黄泉】


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溶存物質が1000mg未満の場合は単純温泉になります。

こちらは109mgとかなり少なく、単純温泉です。

 

その他、総硫黄(硫化水素イオン、チオ硫酸イオン、遊離硫化水素の合計)が2mgを超えると硫黄泉になりますが、こちらは22mg含むため、硫黄泉になります。そのほとんどを遊離硫化水素(ガス)として含むため、白濁のお湯になります。

 

硫黄分意外は成分量がかなり少ない温泉です。