鷲倉温泉高原旅館
1.入浴時間・料金・混雑度
○日帰り入浴時間 10:00〜14:00
○日帰り入浴料金 800円
○露天風呂 あり
○お風呂の数 硫黄泉 内湯露天(男1・女1)
緑礬泉 露天(男1・女1)
○客室数 16室
○タオル サービス(ロゴあり)
〇公式HP https://www.washikuraonsen.com/
○混雑度 お風呂で会った人数 1人
○個人的オススメ度 ★★★★☆
2.場所・電話番号
〇電話番号 0242-64-3224
4.鷲倉温泉について
鷲倉温泉は、個性的な温泉が集まる土湯峠にある一件宿の温泉。
周囲には新野地温泉、野地温泉、赤湯温泉、幕川温泉などが点在し、いずれも温泉好き垂涎のお風呂を持っています。このあたりは、まとめて土湯温泉郷と呼ばれますが、歴史は明治からとそこまで古い温泉ではありません。
5.外観・館内・お風呂
鷲倉温泉は冬季には休業してしまう一件宿。
建物は2001年にリニューアルしているため、土湯温泉郷の中でも新しい感じがします。磐梯吾妻スカイラインの入口に最も近いため、ライダーの方なので混み合うのかと思いましたが、土曜日でも意外とお客さんはまばら。駐車場にはたっぷり車が停まっていましたが、皆さんどこにいたのでしょうか。
館内もまだ真新しい感じ。入浴料は800円。
ロゴ付きのフェイスタオルは1本サービスしてくれます。
こちらがタオル。
鷲倉温泉は2つの源泉を持ちます。ひとつは土湯温泉郷ではポピュラーな単純硫黄泉の源泉。もう一つは土湯温泉郷でここだけの酸性緑礬(りょくばん)泉という温泉です。酸性緑礬泉は非常にレアな温泉で、福島県内でもここだけです。
玄関から入り、右側が硫黄泉がある内湯と露天風呂、左側が酸性緑礬泉の岩根の湯という露天風呂です。日帰り入浴ではどちらも入浴可能。正反対にあるので、素っ裸でお風呂間を移動なんてことはできません。
見た目的に温泉らしいのは、硫黄泉の方ですが、温泉ソムリエとしては、ここは迷わず緑礬泉の方へ。
緑礬泉の岩根の湯は、一度外へ出た離れになります。
ここで外履きを履くのですが、スリッパが驚くべきビッグサイズ。
内履きのスリッパを履いたまま、かぶせて履けるという画期的なビッグスリッパでした。
離れと言っても徒歩10秒くらい。
離れに入ると、さっそく飲泉用のひしゃくがありましたが、残念ながらコロナで使用中止。
飲用後、「お茶やコーヒーは飲まないでください」とありました。
強い温泉だけに、どうなるのかちょっと怖い。
岩根の湯は露天風呂のみで、洗い場などはありません。
入り口もちょっと小さめ。
脱衣所。周りが暗めの木造なので、かごの中が暗くて見えにくいです。帰りに一瞬、靴下の片方を見失いました。
こちらが岩根の湯の露天風呂。
湯船の底や縁は見事に濃く赤茶けています。
お湯は透明です。そして透明なのにめちゃくちゃ酸っぱい!
見た目とお湯のギャップは、気持ち悪いくらい衝撃的です。
酸性緑礬泉の「緑礬」とは硫酸鉄のこと。湧出時は無色透明ですが、次第に酸化されて赤茶色になります。
緑礬泉は通常、硫黄などを伴うことが多いのですが、こちらは硫黄分も全く含まない珍しい温泉。
鉄を間違いなく多量に含んでいるのですが、不思議なことに鉄の味はほとんどしないのです。鉄泉自体も珍しく、福島県内にはほとんどありません。
お湯はちょっと熱めでした。こんなに貴重なお湯ですが、皆さん硫黄泉の方で満足するようで、誰にも会いませんでした。
そういう私も以前訪れた際は、緑礬泉は白濁していないとの理由で完全スルー。実にもったいないことをしました。
酸性緑礬泉をひとり、じっくり堪能した後は硫黄泉の方へ。
またまたロビーへ戻ります。
看板には「弱硫黄泉」とありましたが、どんなお風呂なのか楽しみ。
硫黄泉の方は内湯と露天風呂がくっついています。
洗い場もあり、メイン風呂はこちらという位置づけ。その他にも家族風呂の露天風呂がありますが、これは宿泊者専用なので入れません。
では早速お風呂へ。脱衣所。
こちらが大浴場。木製の湯船です。
お湯は完全な白濁とまでは行きませんが、薄っすらと白濁しています。
泉質は単純硫黄泉。
ほんの少しだけ鉄を含むので、湯口が赤茶けています。弱硫黄泉とあるとおり、硫黄以外の成分はかなり薄め。
主成分として大きな割合を占めるのはなんとアンモニア。
これはとても珍しいのですが、成分量が少ないのでアンモニア感はほとんどありません。
洗い場。
お次は露天風呂へ。遠くには東吾妻山など、磐梯吾妻スカイラインが貫く山々が見えます。囲いがあるため、そんなに見晴らしはよくありませんが、立てば絶景なので、開放感は満足。
露天風呂はちょっとぬるめで、ずっと入りたくなる気持ちよさ。
露天は岩風呂になっています。
土湯温泉郷の野地温泉ホテルなどに比べれば、白濁も弱めで、露天風呂も小さいため、お客さんがめちゃめちゃ多いわけではありません。
道路側には塀があるのですが、山側は見晴らしがあります。
露天風呂の隣にはナナカマドがキレイな実をつけていました。
この木が一本あるだけで、実に秋らしい露天風呂になります。
硫黄泉側のお風呂自体はインパクトが強いわけではありませんが、しっかりとした硫黄泉なので満足感は高め。
6.温泉分析書の説明
【緑礬泉】
【硫黄泉】
✓源泉 鷲倉温泉(イ)
✓温度 69.0度(高温泉)
✓pH値 6.1(中性泉)
✓成分総計 195mg
✓効能 アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症、末梢循環障害