大露天風呂の日記

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蔵王温泉 伊藤屋 シルキーな白濁硫黄泉に日帰り入浴

伊藤屋

日帰り入浴時間 10:00〜15:00
日帰り入浴料金 500円
露天風呂    なし
お風呂の数   内湯(男1・女1)

 

 

源泉  蛇荒川折口・インキョ・上の川混合源泉

泉質  酸性・含硫黄-硫酸塩・塩化物泉

温度               53.3度

成分総計  3282mg      pH1.7


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蔵王温泉の起源は1900年ほど前。日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征に随行していた吉備多賀由(きびのたかゆ)が偶然発見し、矢の毒がたちまち全快したと伝えれています。神話時代の話なのでどこまでが本当かはわかりませんが、山形県最古の温泉と言われています。長らく最上高湯などと呼ばれていましたが、1950年に蔵王温泉に改称しました。



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伊藤屋は蔵王温泉のメインストリートである高湯通りの旅館密集エリアにあります。


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駐車場は宿の隣の山側にあります。宿の前のちょっとしたスペースには停められないようです。


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パット見は大きくありませんが、隣の招仙閣という旅館の裏を這うように3階建ての客室棟があり、なかなか大きな旅館です。


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入浴料は500円。蔵王温泉ではかなり安いほうですが、確かに以前は400円でした。


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ご主人は蔵王の山岳インストラクターだそうで、館内の至るところに蔵王の写真が飾られています。



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浴室はフロントの真横です。


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お風呂は内湯のみ。そんなに大きくはありませんので、コロナ対策で入浴は二人までとなっていました。

蔵王温泉の特徴的はなんと言っても強酸性であること。伊藤屋は目の前にある下湯共同浴場と同じ源泉を使用していて、成分総計は蔵王温泉でも指折り。pHも1.7でかなりの強酸性です。


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蔵王のお湯は酸性泉特有の透明な青緑色が多いですが、こちらはしっかりと白濁しているシルキーなお湯。人がしばらく入っていないと透明度が出てきますが、少し入浴すると湯船の底の湯の花が舞上がりあっという間に白濁します。


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木造の浴室とケロリン桶はとても良く似合います。

蔵王温泉は強酸性で殺菌作用に優れるため、切り傷や皮膚病、胃腸病などに効能があります。舐めると強烈ながらもさわやかな酸っぱさがあります。


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カランは2つ。鏡は硫黄分で腐食してしまっています。


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駐車場の真横から見たお風呂部分。

 

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【温泉分析書のみかた】

溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。ところが、この源泉は酸性泉として名前がつく水素を除き、陽イオンが20%を超えません。この場合どうなるかと言うと、陽イオンの名前が欠落します。これはかなり特殊な泉質です。一方、陰イオンは硫塩イオンと塩化物イオンが20%を超えるので、硫酸塩・塩化物泉になります。

特殊成分として、水素イオンを1mg以上含むと酸性泉となりますが、こちらは20mgで蔵王温泉でも有数。

また硫黄分を2mg以上含むと硫黄泉となりますが、こちらは9mgで蔵王温泉ではやや少なめ。以上より酸性・含硫黄-硫酸塩・塩化物泉となります。