大露天風呂の日記

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蔵王温泉 善七乃湯 貸切露天風呂天国で日帰り入浴

善七乃湯

日帰り入浴時間 10:30〜21:00 (清掃19:00〜19:30)
日帰り入浴料金 1000円
露天風呂    あり
お風呂の数   内湯露天(男1・女1) 貸切露天5

タオル     200円(ロゴあり)

客室数     34室

 

源泉  大平ホテル・辻屋混合源泉

泉質  酸性・含硫黄-硫酸塩泉

温度               49.6度

成分総計  4564mg      pH1.5


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蔵王温泉の起源は1900年ほど前。日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征に随行していた吉備多賀由(きびのたかゆ)が偶然発見し、矢の毒がたちまち全快したと伝えれています。神話時代の話なのでどこまでが本当かはわかりませんが、山形県最古の温泉と言われています。長らく最上高湯などと呼ばれていましたが、1950年に蔵王温泉に改称しました。


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善七乃湯は蔵王温泉のかなり入り組んだ坂道の先にあるホテル。

昔は大平ホテルという名前でした。すぐ近くにある源七露天の湯という名前の日帰り入浴施設と紛らわしい。

建物はロッジ風ですがかなり年季が入っているように見えます。


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善七乃湯は建物は古いですが、お客さんに喜んでもらおうとする努力がひしひしと感じられるホテル。ペット可をウリにしているほか、十代辻屋鍋という蔵王のお釜をかたどった斬新な鍋でお肉をいただくプランなどいろいろと魅力的です。


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日帰り入浴にも超積極的で、蔵王温泉では一番遅い夜の21時まで受け付けてくれます。また貸切風呂4つもあり日帰り入浴でも空いていれば別料金無しでは入れます。日帰り入浴の年間パスポートまでありました。


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入浴料は1000円と高め。タオルは200円。

露天風呂付きの内湯はいつでも入れますが、4つの貸切露天風呂はロビーで札をもらって入ります。貸切風呂は基本的には1時間単位での貸切となります。


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これが貸切風呂の札です。入浴中はこの札をドアノブに下げて鍵をかけて使います。ちなみに宿泊すれば、日帰り入浴終了後の21時以降は貸切風呂はフリータイムになり、空いていれば好きに入れます。


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売店の横にあった温泉の実験セット。夜には蔵王温泉の源泉を使った実験講座が催されるよう。


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ロビーのすぐ横には食堂があります。ここから発せられる肉の匂いが館内に充満しています笑 廊下もずっと肉の匂いがしました。


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客室棟の内装はきれいに改装されていて古さは全然感じません。


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廊下の途中には牛乳がおいてあります。宿泊者ならフリーで飲めます。


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まずは内湯から。夜の19時まではこちらが男湯。

蔵王温泉は強酸性の温泉。特にこちらの旅館の源泉はpH1.5で蔵王温泉でも最も強酸性の源泉。また成分量も蔵王温泉ナンバーワンの素晴らしい源泉です。蔵王温泉は2500mg前後の成分量が多い中、3700mgもあります。これは上湯共同浴場を超える数値。

 

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内湯から続く細い通路の先に露天風呂。お湯は少し白濁しています。


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ちなみに清掃時間を挟んで19時半以降はこちらが男湯になります。


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浴槽内にはキアニデウムカリダニウムというクロレラの一種である藻が。これ自体にも美肌効果があるそう。


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続いて貸切風呂。貸切風呂は七福神の名前がつけられていて、大浴場のすぐ横に大黒天も寿老人の2つのお風呂があります。

宿泊したので全部紹介しますが、日帰り入浴であれば入れるのは空いている一箇所だけだと思います。


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こんな感じでフロントでもらった札を下げて入ります。


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こちらが大黒天。このホテルの貸切風呂の中ではメインの一つだと思われます。5つある貸切風呂はどこも人か二人ぐらいのサイズです。

4月なので景色は味気ないですが、新緑の時期はきれいだと思います。


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続いて寿老人。壁を挟んで大黒天の真横にあるので、サイズ感や景色はほぼ同じ。テントみたいなものが張られていてますが、これは虫対策の蚊帳だそう。虫が苦手な方でも入れるようにとの配慮だそうです。椅子も置かれていました。


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一応、各貸切風呂にもドライヤーや洗面台などはあります。


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次は布袋尊。一度ホテルの外に出ます。中庭のようなところにある手前の小屋のひとつが布袋尊です。奥の小屋は弁財天ですが、こちらはか改修中で入れず。


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こたらが布袋尊のお風呂。シャワー付き。少し狭いですが、斜面側にあるので蔵王温泉街を見渡せます。濁りはあまりありません。


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最後の恵比寿天は一番遠く、ペットが泊まれる客室が並ぶ西館の先にあります。


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西館を出た通路の突き当りが恵比寿天です。


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鍵が少しちゃっちい造り。


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こちらが恵比寿天。浴槽はブリキ?のような感じでした。


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深さやサイズは寝湯のような感じ。窓は大きく半露天風呂のような感じ。景色はここが一番良く蔵王温泉街が一望できます。

 

お風呂はあと2つないと七福神ではありませんが、あと2つは今後オープン予定とのこと。


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【温泉分析書のみかた】

溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。陽イオンは酸性泉として名前が付く水素の含有量が圧倒的すぎて、他の陽イオンが20%を超えないため、陽イオンに名前が付かない特殊な泉質。陰イオンは硫酸イオンが20%を超えるので、硫酸塩泉になります。ちなみに硫酸水素イオンも硫酸イオンに含んで考えます。この硫酸水素イオンは硫酸が電離分解する際にできるもので、硫酸の濃度が濃い場合に多く含まれます。さらに分解が進むと硫酸イオンになります。通常は硫酸水素イオンは少量ですが、蔵王温泉では硫酸イオンの半分程度の量が含まれています。こちらの源泉は硫酸水素イオンが硫酸イオンより多い珍しい泉質。蔵王温泉ナンバーワンの成分量だけあります。

 

特殊成分として、水素イオンを1mg以上含むと酸性泉となりますが、こちらは31mg。蔵王温泉ではおそらく一番。

また硫黄分を2mg以上含むと硫黄泉となりますが、こちらは6mgで蔵王温泉では一番少ない量。以上より酸性・含硫黄-硫酸塩泉となります。