かぢや旅館
1.入浴時間・料金・混雑度
○日帰り入浴時間 12:00〜19:00
○日帰り入浴料金 700円
○露天風呂 なし
○お風呂の数 内湯(男1・女1)
○客室数 20室
○タオル 200円(ロゴあり)
〇公式HP https://www.kajiyaryokan.com/
○混雑度 お風呂で会った人数 1人
○個人的オススメ度 ★★★☆☆
2.場所・電話番号
〇住所 千葉県富津市金谷3887
〇電話番号 0439-69-2411
3.泉質
■源泉 房州大福温泉
■温度 20.2度 pH不明
■成分総計 2010mg
4.房州大福温泉について
房州大福温泉は、景勝地として有名な鋸山の近くにある温泉。
このあたりは、かつて鋸山金谷温泉として何件かの旅館がありましたが、あまり景気が良ろしくなく、いずれも閉館。旅館として残っているのはかぢや旅館一件のみとです。かつて金泉館という名前であった旅館は、現在は金谷ステーションとしてリニューアルオープンし、日帰り入浴を受け付けています。
5.外観・館内・お風呂
いかにも古い旅館らしい名前です。
老舗の温泉旅館が少ない千葉県では貴重な存在。
鉄筋4階建ての比較的大きな旅館です。
鋸山からの下山者を狙っているのか、「一人温泉は入れます 700円で」と書かれたのぼり旗がたくさん。
日帰り入浴も大歓迎といった雰囲気。
事前に電話したところ、優しそうな女将さんのような方が対応。
日帰り入浴をお願いしたところ、めちゃめちゃ感じが良かったです。
のぼり旗もたくさん立っているので安心して入れます。
鋸山からの下山者と思われる家族連れのグループ、一人登山者など、いろいろな方がかぢや旅館を目指して歩いていました。
下山後に温泉に入れるなんて、千葉県ではなかなかありません。
さっそく入館。老舗らしい木造の看板がお出迎え。
ちょっとごちゃごちゃしているロビー。
野点傘や水槽などなど、なんでもあり。
外観はきれいに塗装し直されていましたが、館内はちょっと年季が入っています。
奥に見えるのはタカアシガニ。かぢや旅館はタカアシガニ料理が有名な旅館。孤独のグルメにも登場するとお店として有名です。
温泉よりも、そちらのほうが有名かもしれません。
ズワイガニが食べられるお店はあっても、タカアシガニはあまり聞いたことがありません。
入浴料は700円。受付は先程の電話の方と思われる、とても感じの良い女将さん。日帰り入浴も快く対応していただきました。
かぢや旅館は海鮮料理が名物なので、至るところに貝殻が飾ってあります。帳場にも、しいたけのような、饅頭のような貝殻。
これはタカラガイという貝殻だそう。
宿泊客の夕食になるであろう伊勢エビ。
ちちんぷいぷいの湯と書かれています。
おまじないのように効能があるという意味のようです。
お風呂は一階の突き当りにあります。
夕食の支度をしている厨房をチラ見しながら進みます。
こんな所にも貝殻コレクション。
博物館クラスです。
自販機の奥が大浴場の入り口。
お風呂前にはトイレはありません。トイレは廊下右側。
ここから一度外へ出ます。
朱塗りの橋を渡った先がお風呂です。
よく見ると、ハロウィンらしい飾り物も。
廊下の途中にはベンチが何個かあり、ここでお風呂上がりの休憩をしている方もおりました。
奥にかぢや旅館の旧館と思われる木造の建物が見えました。
房総らしくヤシの木も。
ここがお風呂の入り口。正面が男湯、左側が女湯ですが、
どうみてもこれはトイレの入り口ですね。
中に入るとちゃんと脱衣所。
もう10月ですが、「賀春」と貼ってありました。
洗面台の石鹸入れにもアワビの貝殻が。
これはナイスなアイデアだと思いました。
こちらが大浴場。周囲は鋸山の密林に囲まれているため、ちょっと薄暗い感じ。観葉植物が浴室の中にも置かれていて、余計にジャングル感があります。
独特の曲線が見事な浴槽は、昭和レトロなタイル張り。
東北ではたまに見かけますが、千葉にも絶滅せずにタイル風呂が残っていました。
ライオンの湯口から出るお湯は、ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩冷鉱泉。
無理やり旧泉質名にすると、含正苦味石膏芒硝泉になります。
石膏(硫酸カルシウム)や芒硝(硫酸ナトリウム)、硫酸マグネシウムなどを含むお湯です。
マグネシウム硫酸塩泉は正苦味泉(せいくみ)と呼ばれ、その名のとおり、苦いことが最大の特徴です。
正苦味泉は数が少なく、貴重な温泉。
こちらの温泉は、わずかに苦味がある他は、お湯自体に特徴はさしてありません。源泉温度は20度の冷鉱泉ですが、適温に加温されていました。
洗い場。鏡はありません。
古い浴室だと、このように窓際にカランがあったりします。
それにしても、笑ってしまうほどの椅子の散乱具合。
どうすれば、こんなにぐちゃぐちゃになるんでしょう。
このパイプからはものすごい勢いで、浴槽の中へ水流が出ていました。加水、加温、循環ろ過ありです。
6.温泉分析書の説明
溶存物質が1000mg以上の場合は単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%以上のものを並べて名前をつけます。こちらは溶存物質が2010mgで1000mgを余裕で超えます。陽イオンはナトリウム、カルシウム、マグネシウム、陰イオンは、硫酸イオンが20%を超えるので、ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩泉はとなります。