大露天風呂の日記

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東山温泉 おやど東山 菊の花形の凝りまくったレトロ風呂に日帰り入浴

おやど東山

 

 

 

1.入浴時間・料金・混雑度

 

 
○日帰り入浴時間 11:00〜18:00

○日帰り入浴料金 500円 
○露天風呂    なし
○お風呂の数      内湯(男1・女1)

○客室数     13室

○タオル     100円(ロゴなし)

○公式HP     http://aizu-yado.com/

○混雑度        ほとんど誰にも会わない

○個人的オススメ度 ★★★★☆

 

2.場所・電話番号

 
〇住所 福島県会津若松市東山町大字湯本下原255-3

〇電話番号   0242-28-1222

 

 

3.泉質


■源泉   原瀧源泉

■泉質   ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉 

      (含塩化土類芒硝泉)

■温度                58.0度

■成分総計  1860mg      pH7.6

 

 

4.東山温泉について

 


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東山温泉は今から約1300年前の奈良時代天平年間に行基によって発見されたと言われる温泉。行基といえば東大寺の大仏造営に携わった高僧です。三本脚のカラスに導かれて発見したと伝えられています。

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江戸時代には会津藩の保養所が置かれるなど、湯治場として栄えました。この上級武士の保養所は現在でも向瀧という旅館として残っています。戦前の写真には向瀧の他、新滝旅館や不動旅館も見て取れます。東山温泉の老舗旅館は〇〇滝という名前の旅館が多いのも特徴。

 


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訪れる人を圧倒する威風堂々たる向瀧の建物は、国の登録有形文化財に指定され、東山温泉のシンボルとなっています。

 

そんな東山温泉は数々の著名人をも魅了した名湯。幕末には新撰組土方歳三が入湯し、美人画で知られる竹久夢二歌人与謝野晶子も東山温泉に度々訪れています。

現在では芦ノ牧温泉と並ぶ会津奥座敷として、大小様々な規模の旅館が立ち並びます。

 

5.外観・館内・お風呂

 


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おやど東山は東山温泉の奥まった場所にある中規模の旅館。


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奥に見える奇抜な建物は原瀧旅館のハイグレードな別館今昔亭です。

 


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玄関周りや外観は大正ロマン風なちょっと洒落た感じになっています。


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さっそくお邪魔します。ロビーですが、おや?誰もいない。


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このお宿はロビーに人はいないことが多く、このインターホンで呼び出します。筆者は5年くらい前にも訪れたことがありますが、その時もそういえばこんな感じでした。

インターホンをかけると、すぐに女将さんが出てきてくれました。

入浴料は500円。

きれいな感じの旅館なので、もう少しとられるかなと思っていましたが、意外にも良心的。


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ロビーのシャンデリアもオシャレな感じですね。


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中庭みたいな一角には立派な錦鯉がたくさん。

近づくと猛烈な勢いで寄ってきます。


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お風呂の詳しい案内がなかったので、適当に館内を散策。

こちらは休憩スペースですが、ここもまあなんともオシャレな感じ。


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お風呂はちょっとわかりにくいのですが、ロビーから奥へ進み、右側の階段からワンフロア降りたところにあります。


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お風呂入り口。いい感じの暖簾です。

よく見ると男とか女とか書いてませんが、色で無意識に誘導されちゃうから不思議。


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脱衣所。


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洗面台。このあたりはちょっとだけ古さを感じますが、全然きれいです。


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どんだけ深いんでしょうか?


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さっそくお風呂へ。うっとりするくらい素晴らしいレトロな浴室。

右側は浅くなっています。


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カラン。


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何と言っても面白いのは湯船の形。

菊の花を模したものだと思いますが、お風呂を作った人のセンスを感じます。浴槽の中は二段になっていて、奥が深くなっています。

といっても、張り紙にあるほど深くはなく、腰上くらいまで浸かる程度。


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花びら部分は円弧になっていますが、これがちょうど大人ひとりがすっぽりはまるサイズ。段差になっているので、腰を掛けるとちょうどいい感じ。これも計算されて作られていると思います。お見事。


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湯船に刻まれた放射状のラインもいい仕事をしています。

湯口は大理石でこれも見事な菊の花形。


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お湯が染み出すようにちょろちょろと流れ落ちます。

似たような意匠は、長野県の浅間温泉菊之湯などにもありますが、

こちらはお湯が流れやすいように、花びら一枚一枚にくぼみが作られており、仕事の細かさには感嘆です。


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泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉。

明らかなしょっぱさはありませんが、湯上がりにほんの少しベタつきがあるかな?くらい。味はちょっと苦いです。

旧泉質名では含塩化土類芒硝泉。お隣の原瀧旅館の源泉を使用しています。比較的熱めのお湯が多い東山温泉ですが、ここは適温でずっと入っていられる温度でした。


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内湯のみで、露天風呂はありませんが、これだけの内湯があれば露天風呂はなくても十分。大きく取られた窓からは、湯川が眺められるので、開放感も申し分なし。

正直そこまで期待はしていませんでしたが、こんな素晴らしいお風呂があるとはびっくり。東山温泉に来ると、御宿東鳳などの日帰り入浴をつい利用したくなりますが、ここは穴場という感じ。

個人的には東山温泉で一番好きなお風呂です。

 

6.温泉分析書の説明

 


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溶存物質が1000mg以上の場合は単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%以上のものを並べて名前をつけます。こちらは溶存物質が1843mg。陽イオンはナトリウムとカルシウム、陰イオンは、硫酸イオン、塩化物イオンなので、ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉となります。

旧泉質名では含塩化土類芒硝泉という名前になります。

東山温泉の中でも濃い目の源泉です。