ヴァルトベルク
日帰り入浴時間 11:00〜15:00
日帰り入浴料金 1000円
露天風呂 あり
お風呂の数 内湯露天(男1・女1
タオル 110円(ロゴあり)
客室数 36室
源泉 湯左の沢1号源泉・湯左の沢2号源泉
泉質 酸性・含硫黄-マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉
温度 51.3度
成分総計 2079mg pH1.8
蔵王温泉の起源は1900年ほど前で山形県最古の温泉と言われます。日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征に随行していた吉備多賀由(きびのたかゆ)が偶然発見し、矢の毒がたちまち全快したと伝えれています。多賀由の名前をとって長らく高湯温泉と呼ばれていましたが、1950年に蔵王温泉に改称。蔵王温泉は福島の高湯温泉、山形の白布温泉と並び奥州三高湯と呼ばれます。
ヴァルトベルクは蔵王温泉でも標高高めな場所にあるホテル。
蔵王温泉の山側の道路は複雑怪奇で、曲がりくねった坂道や急斜面の細い道路が幾重にも伸びています。初見だとなかなか難解です。
正面から見ると小さく見えますが奥に長い建物です。
一階はスキー用のフロアになっていてロビーは二階です。
蔵王温泉は冬のスキーシーズンが最も賑わい、宿泊料金も爆上がりするのでゆったりと温泉を楽しみたいなら冬以外がオススメ。
ロビー。入浴料は1000円と少しお高め。
ですがお茶が一本サービスでついてきます。
お風呂上がりにいただきます。
一方タオルはちゃんとロゴ入りなのに110円とお安め。
堺屋旅館と書かれていますが、ヴァルトベルクはもとは堺屋という蔵王では名の知れた大きな旅館の別館でした。
堺屋旅館は10年ほど前に火災を起こしそのまま廃業したようです。
描かれているのは高山植物の女王と言われるコマクサ。
東北地方では蔵王の他、岩手山、秋田駒ケ岳にしか咲いていない貴重すぎる花です。
館内には堺屋旅館を偲ぶ品々が飾られています。
お風呂は3階です。
客室が並ぶ廊下をまっすぐ進みます。
ヴァルトベルクはドイツ語で森林という意味らしいです。
各客室にも森マーク。
こんなところも徹底しています。
廊下には在りし日の蔵王温泉の写真がありました。
蔵王温泉はスキー場やエコーラインの開通などで開発が進み、湯治場としての雰囲気はほぼ残っていません。もし写真のように旅館が残っていたら銀山温泉のようになっていたかもしれません。唯一現在も面影があるのは深山荘高見屋くらいでしょうか。
浴室入口。
脱衣所。
アメニティ設備。
広めの内湯。蔵王温泉の特徴はなんと言っても国内屈指の強酸性のお湯ですが、こちらのお湯は蔵王の中でも一番酸っぱい味がしました。
お酢のような強烈な収斂味があります。
また、蔵王温泉は硫黄臭は意外に薄いのですが、こちらの内湯はしっかりと硫黄の臭いを感じることができます。
これだけの大きさでもなんと源泉かけ流し。
カラン。蔵王温泉はお湯の強力な酸性と硫化水素による腐食を恐れて木造の浴室が多いのですが、こちらは珍しく木造ではありません。
泉質は酸性・含硫黄-マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉。
蔵王温泉はアルミニウムが主成分であることが多いのですが、こちらの源泉はマグネシウムが優勢で、むしろアルミニウムは少なめ。
このようなお湯は蔵王温泉でもここだけです。
続いて露天風呂。奥がメイン露天で手前は寝湯。
蔵王温泉は各源泉により青白い透明な色であったり、すこし濁りがあったりしますが、こちらは濁りありのお湯。よく見ると細かい粒のような湯の花がお湯の表面に漂っています。
寝湯は温めに保たれていました。
こちらのホテルの源泉は成分総計は多い方ではないのですが、酸っぱさといい、硫黄臭といい蔵王温泉でも一番のお湯なのでとてもオススメです。
【温泉分析書のみかた】
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。陽イオンはマグネシウム、陰イオンは硫酸塩と塩化物イオンが20%を超えるので、マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉。
特殊成分として、水素イオンを1mg以上含むと酸性泉となりますが、こちらは16mgとかなり多く含みます。
また硫黄分を2mg以上含むと硫黄泉となりますが、こちらは13mg含みます。以上より酸性・含硫黄-マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉となります。