大露天風呂の日記

旅館好きの温泉ソムリエのブログ 各温泉の日帰り入浴情報を全旅館紹介します

高湯温泉 静心山荘 木造浴室で光り輝く純白の硫黄泉に日帰り入浴

静心山荘

 

 

 

1.入浴時間・料金・混雑度


 
○日帰り入浴時間 10:00〜16:00
○日帰り入浴料金 700円
○露天風呂    あり
○お風呂の数   内湯(男1・女1)

○客室数     4室

○公式HP      http://www.takayuonsen.jp/seisinsansou/

○混雑度        お風呂で会った人数 3人

○個人的オススメ度 ★★★★☆

 

2.場所・電話番号

 


 〇住所 福島県福島市町庭坂湯花沢1-15

〇電話番号   024-591-1129

 

 

 

3.泉質 

 


■源泉    湯花沢1番源泉

■泉質    酸性-含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩泉

       (酸性含明礬石膏硫化水素泉)

■温度                43.8度

■成分総計  1723mg      pH2.7

 

 

4.高湯温泉の歴史

 


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高湯温泉は江戸時代の1607年の開湯の温泉。観光道路として名高い磐梯吾妻スカイラインの入り口に位置し、標高750mの高所に湧く温泉です。

 

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古くは信夫(しのぶ)高湯と呼ばれ、山形県蔵王温泉、白布温泉とともに奥州三高湯と呼ばれていました。幕末には戊辰戦争で官軍の温泉利用を恐れた米沢藩に火をかけられて焼失。明治時代には鬼県令と呼ばれた三島通庸により、山深い現在の地から、強引に麓の庭坂に移転させられた苦い歴史も持ちます。

庭坂への移転は13年にわたりましたが、その後、現在の位置に再び戻り、多くの湯治客を魅了してきました。写真は再移転後頃のものと思われ、高湯温泉の二大老舗旅館である吾妻屋と安達屋が写っています。手前にある大きな旅館は信夫屋という旅館で、現在は残っていません。かつての信夫屋旅館付近には現在は共同浴場のあったか湯になっています。

 

全国有数の硫黄の含有量とその薬効の高さから、東北の草津と呼ばれるほどの名湯です。

高湯温泉は開湯時からし、歓楽街などは全く無く、お土産物店すらありませんが、お湯の良さから、連日多くのお客さんで賑わいます。

 

5.外観・館内・お風呂


 


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高湯温泉といえば、玉子湯や安達屋などが超有名ですが、静心山荘を知っいる人はよほどの温泉好きだと思います。

 

場所は吾妻屋旅館の横から、えっ?と思うような細い道を一瞬入ったところにあります。

山荘という名前からして、見た目も三角屋根のロッジ風。

全4室の高湯で一番小さい旅館です。


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ガラガラと引き戸を開けて、いざ入館。

ちょっとタメ口が混ざる気さくなご主人が受付。

入浴料は700円で、高湯温泉最安値。


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床にコンセントの差込口があったりと、ツッコミどころ満載、

ちなみにトイレは和式しかないのかと思いましたが、

2階に洋式トイレがあります。


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こちらの旅館はご夫婦で経営されていて、奥さんが作る、見た目にも華やかな絶品の夕食が有名です。


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一泊二食付たった8500円でこのクオリティがでてきます。

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間違いなく高湯温泉で最強のコスパ旅館です。

高湯温泉は他の旅館が有名すぎて、静心山荘はあまり知られていないですが、めちゃめちゃおすすめの旅館。

日帰り入浴もいいですが、この旅館はぜひ宿泊がオススメ。


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お風呂の紹介に戻ります。お風呂は玄関から長い階段を登った先にあります。


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途中踊り場のような一角があります。こちらに流し台があります。

脱衣所には洗面台はありません。


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硫化水素の強い臭気で、蛇口は完全に腐食しています。

それもそのはず。高湯温泉は全国3位の硫黄濃度を誇ります。


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しかも、こちらの宿の裏手は高湯温泉の源泉地帯。

手前が吾妻屋へ伸びる引湯管で、奥が安達屋へと伸びています。

この2つの旅館は高湯温泉の湯元でもあります。

源泉までの近さで言えば、静心山荘が一番近いことになります。

ちなみに、信じられませんがこの源泉地帯にはかつてスキー場があったそうです。



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踊り場からさらに階段を登ります。

この階段に敷かれているカーペットみたいなマットは、

とても触り心地がよく、素足で歩いても全然気になりません。

ちなみに東日本大震災の際は、ご主人によると、この旅館も大きな被害を受け、この階段や湯小屋は全て破壊されたそうです。ロッジの客室部分は被害を免れたそうですが、この源泉付近がなぜか一番被害がひどく、安達屋や吾妻屋もかなりの被害を受けたそう。


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所々に当時の補修が跡があります。


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階段を登り切ると男女別のお風呂があります。

エレベーターなどはないため、足が不自由な方はかきついかもしれやせん。


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ロッジ風の脱衣所。


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こちらがお風呂。


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浴槽も壁も趣ある木造です。

露天風呂はなく、内湯のみ。


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ちょうど朝日が差し込み、お湯が真っ白に輝いています。


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思わず見入ってしまうほどの、まばゆい白濁湯。


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泉質は酸性-含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩泉。

旧泉質名では酸性含明礬石膏硫化水素泉とながーい名前。

明礬(ミョウバン)とは硫酸アルミニウムのこと。

同じ福島県中ノ沢温泉も明礬を多く含みます。

全国3位の硫黄濃度を誇るため、強い硫化水素臭があり、お風呂上がりも温泉に入ったことがバレるくらいの硫黄臭が体に残ります。


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酸性泉のため、殺菌作用に優れ、肌のデキモノや切り傷はあっという間に治ります。高湯温泉は熱いお湯が多いのですが、こちらの旅館は唯一ちょっとだけぬるめのお湯。入りやすい温度です。

 

マニアックな旅館なので、そんなに混まないだろうと思っていましたが、日帰り入浴開始時間の10時ちょうどに訪れても、先客がいらっしゃったことがありました。その日は、その後続々とお客さんが訪れて、撮影チャンスなし。

今回は二度目で、宿泊しての挑戦。

 

日帰り入浴時間帯は、意外と混んでいるなというのが率直な印象。

ご主人に聞いたところ、常連さんや要望があれば、10時前でも空けることがあるそうです。

 


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カランは一つのみ。硫黄分で腐食するため、鏡などはありません。

秘湯あるあるのシャワーが弱い!温度調節が難しい!ということはなく、ちゃんとストレスなく出ます。

 

まだまだあります 高湯温泉

 

【高湯温泉】日帰り入浴完全ガイド(温泉ソムリエのオススメ4選)硫黄含有量ランキング - 大露天風呂の日記

 

 

6.温泉分析書の説明

 


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溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。陽イオンはカルシウム、アルミニウム、陰イオンは硫酸イオンが20%を超えるので、カルシウム・アルミニウム-硫酸塩泉となります。

 

また特殊成分として総硫黄(チオ硫酸イオン、硫化水素イオン、遊離硫化水素の合計)を2mg以上含むと硫黄泉となりますが、こちらは86mg含むため、含硫黄とつきます。これは全国有数の濃度です。

 

その他、水素イオンを1mg以上含むと酸性泉となりますが、こちらは1.9mg含むため、酸性泉となります。高湯温泉の中では少しだけ酸性度数は弱め。

 

泉質名にはなりませんが、保湿力が高く天然の美肌成分と言われるメタケイ酸も100mg以上で温泉の基準をクリアするところ、こちらは181mgと比較的多く含みます。