大露天風呂の日記

旅館好きの温泉ソムリエのブログ 各温泉の日帰り入浴情報を全旅館紹介します

中ノ沢温泉  扇屋旅館 老舗旅館の檜露天で熱めの酸性泉に日帰り入浴

扇屋旅館

 

1.入浴時間・料金・混雑度

 

〇日帰り入浴時間 10:00〜17:00
〇日帰り入浴料金 700円
〇露天風呂    あり
〇お風呂の数   内湯露天(男1・女1) 

〇タオル     100円(ロゴなし)

○タオル     150円(ロゴあり)

〇公式HP     https://ohgiya-nakanosawa.jp/

○混雑度     ほとんど誰にも会わない

○個人的オススメ度 ★★★★☆

 

2.場所・電話番号


〇住所  福島県耶麻郡猪苗代町蚕養沼尻山甲2855-143

〇電話番号   0242-64-3221

 

 

 

3.泉質

 

■源泉  沼尻元湯

■泉質 酸性・含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉

■温度          68.3度

■成分総計 2761mg      pH2.13

 

4.中ノ沢温泉について

 


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中ノ沢温泉は毎分1万3400リットルという日本一の湧出量を誇る上流の沼尻元湯からの引湯です。山深い奥地にあった沼尻元湯から1885年にこの地に引湯され、温泉街を形成しました。沼尻スキー場も近く、冬期はスキー客でも賑わいます。


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現在は9件の旅館があり、全ての旅館で日帰り入浴可能です。

中ノ沢温泉は徒歩圏内の道路沿いに旅館が並ぶため、旅館をはしごして入浴するのも簡単です。

 

 

5.外観・館内・お風呂


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扇屋旅館は温泉街の中心部に位置します。

奥に長く建物が続き、中ノ沢温泉では比較的大きな旅館です。

扇屋、花見屋、西村屋の4件は中ノ沢温泉開湯初期からの主要旅館。


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玄関。


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ロビー。意外とアンティークな照明。フロントで呼べど呼べど旅館の人は出て来ず。。諦めて帰ろうと思ったら、トイレ中だったようです。何度もベル鳴らしてすみません。。

愛想はあまりよくありません。。

入浴料は700円で中ノ沢温泉の平均入浴価格。


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タオルは100円ですが、これはサラリーマンの挨拶に使う粗品タオルでは。。旅館のロゴはなし。


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ロビーの真ん中の囲われたスペースには囲炉裏。現役で火が入っていました。宿の方?と思われるおばあちゃんが気持ち良さそうに隣でお休み中。


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浴室ヘはなかなか遠いです。ロビーから引き戸を開けるとこのようなスペース。


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ピアノの横のドアを開けます。


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右へ。建物は少し年季が入っています。


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廊下をそのまま進みます。


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中ノ沢温泉の開湯当初からの旅館だけあり、古い資料があちこちに飾られています。中ノ沢温泉の歴史を勉強するなら扇屋がオススメ。

これは開湯当初の絵図。扇屋旅館の名前も見えます。


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かつてあった沼尻鉱山の精錬所の絵図。


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中ノ沢温泉の歴史。


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扇屋、白城屋、花見屋の3件が沼尻温泉からお湯を引っ張り中ノ沢温泉開湯。


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資料がたくさん飾ってある広いスペース。ここを左で浴室です。右側の階段は今は使っていない旧館に繋がっているようでした。


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浴室入口。


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脱衣所。ドライヤーあり。


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内湯。浴槽は木製です。お湯はかなり熱め。


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シャワーはありますが、石鹸は使えません。温泉成分が石鹸の成分を溶かしてしまうのだそう。


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日が差し込むとお湯は青緑色に輝きます。緑色は中ノ沢温泉に含まれる硫酸鉄が関係していると思われます。鉄と硫酸イオンを含むと緑礬泉(りょくばんせん)となりますが、中ノ沢温泉は緑礬泉の特徴も有します。


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泉質は酸性・含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉。

源泉温度は熱めですが、扇屋旅館は他の中ノ沢温泉の旅館に比べて熱め。舐めるとかなり酸っぱく、後味に金属味があります。アルミニウムの味かどうかはわかりませんが、鉄も含みます。


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露天風呂。こちらはちょうどいい温度。最初は透明ですが、底に白い湯の花が沈んでおりますかき混ぜると白濁します。

 

扇屋旅館は建物は少々古いですが、中ノ沢温泉の生き字引。また中ノ沢温泉の中でもお湯が熱めですので、熱いお湯が好きな方にオススメ。

 

まだまだあります 中ノ沢温泉

 

【中ノ沢温泉】日帰り入浴完全ガイド(温泉ソムリエのオススメ9選) - 大露天風呂の日記

 

 

 

6.温泉分析書の説明

 


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成分総計が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。陽イオンはカルシウムとアルミニウム、陰イオンは硫酸イオンと塩化物イオンが20%を超えるので、カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉となります。

 

特筆すべきは水素イオンで、1mg以上で酸性泉となりますが、ここは7.9mgもあります。また総硫黄(分析書の硫化水素イオン、チオ硫酸イオン、遊離硫化水素の合計)が2mg以上で硫黄泉ですが、こちらは100mg以上と圧倒的。そのほんとが遊離硫化水素ですので、硫化水素型の硫黄泉となります。以上から温泉名の頭には特殊成分として酸性・含硫黄とつき、最後に(硫化水素型)とつきます。

 

合体して、酸性・含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)です。