大露天風呂の日記

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増富温泉「不老閣」日帰り温泉体験|神秘的な岩風呂とラジウムの力を堪能

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営業情報とアクセス

▶日帰り入浴時間

13:00〜18:00

▶日帰り入浴料

3500円(部屋付き休憩プランのみ)

▶タオル

バスタオル・フェイスタオル付き

▶お風呂の数

内湯(男1・女1) 

岩風呂(時間により男女交代)

露天(貸切1 宿泊客のみ)

▶サウナ

あり

▶住所

山梨県北杜市須玉町小尾6672

▶電話番号

0551-45-0311

 

不老閣の外観と館内


 

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不老閣は山梨県増富温泉にある宿。

この宿は増富温泉でも特別な存在で、湯治色の強い旅館です。

というのもこちらの天然岩風呂はラドンの含有量が非常に高く、その効能を求めて、多くの人が訪れます。


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不老閣は通常の日帰り入浴は行っておらず、部屋付き休憩プランのみ。


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コロナ禍は部屋プランも休止中だったので、やっと再開したという感じ。

部屋付きで5時間も滞在できて3500円なので、高くはないと思います。

 

ただし、予約が本当に取れない。。

日帰り休憩プランは1週間前から予約可能なのですが、ほぼ取れません。特に夏場ば非常に混み合うため、予約は至難の業。

 

今回、たまたま11月の月曜日に空きがあったのでなんとか予約できました。

 

ちなみに宿泊予約はもっと至難の業です。


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念願の不老閣。やっと来れました。

料金を支払い、まずはお部屋へ向かいましょう。

「今日は空いているのでゆっくり入れますよ」とのこと。

それは楽しみ。増富温泉はかなりぬるいので、冬場は不老閣でも比較的空いているようです。


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お部屋は二階を案内されました。

一人では十分すぎるお部屋です。

ここでゴロゴロしたくなりますが、不老閣の温泉は別格中の別格。

ラドンを多く含む5つの源泉を保有し、いずれも100%源泉かけ流しです。

温泉に入りまくらないと非常に勿体ないです。

というわけで、ほぼ部屋にいることはありませんでした。


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アメニティはこんな感じ。

バスタオルにフェイスタオル。フェイスタオルは嬉しいロゴ入り。

歯ブラシもつきます。

ただ、浴衣はついていません。

 

不老閣の岩風呂



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まずはやっぱり岩風呂。

岩風呂は細かく男女の時間が決まっており、13:30〜14:55までが男性、15:00〜16:25までが女性、16:30〜17:00までは混浴になります。

逆にそれ以降の時間は夜間で危ないので、宿泊客でも入浴はできません。


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岩風呂に行く際は、フロントでその旨を伝えます。

岩風呂は施錠されいるので、ここで鍵をもらいます。

狭いお風呂なので、人数制限あり。

先客が何人いるか教えてくれます。


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岩風呂に行くにはちょっとした山登りが必要。


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不老閣の裏山に岩風呂の湯小屋があり、徒歩で5分ちょっと。


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ちょうど紅葉が色づいた時期で、紅葉狩りも楽しめました。


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途中途中にこうした癒し系の看板があります。


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階段を登りきると、見えました。あれが岩風呂の湯小屋です。

ちょうど谷間の部分に小屋が建っています。

あそこが増富温泉で最もラドンが強い場所。


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やっと到着しました。30代の私でもちょっと息が切れた。。


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脱衣所。男女の別はないので、混浴時間に女性が入るのはキツイかも。冬場はストーブが置いてあります。


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ではお風呂へ。左が岩風呂ですが、まずは右の加温浴槽で体を温めます。


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奥が加温浴槽。こちらは温泉ではありません。

ここでしばらくぬくぬく。頑張っても四人入れるかどうかなので、譲り合って入ります。

 

手前がアトム風呂、右は不老閣霊泉。

アトム風呂はかけ湯専用なので入ることはできません。


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体が暖まったらいよいよ天然岩風呂へ。


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この先が天然岩風呂。


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こちらが不老閣の代名詞とも言うべき天然岩風呂。

手前に千手観音様がいらっしゃるのでまずはお参り。


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天然の岩窪で、この下から温泉がプクプクと自噴しています。

頑張っても四人くらいが限界のサイズ。

貴重な温泉なので長湯はせず、譲り合って入ります。

とにかくここは神秘的な雰囲気。

ガスが溜まるため、一番風呂の方は少し空気を撹拌して入ったほうがよいとのこと。


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泉質は含放射能-ナトリウム-塩化物冷鉱泉

不老閣の中でもラドンを多く含み、刺激の強い温泉です。

そのため、癌治療を目的とする方が多く、「何個取った?」などの会話が日常だそう。

ここは皆さん真剣に湯治をしにくるので、無用の私語は禁物。

静かに温泉を楽しみましょう。

 

放射能の濃度が高く、湯疲れしやすいため、1日1回が目安。

最大10分ぐらいが良いそうで、あまり長湯すると立てなくなる人もいるのだとか。

 

そんなことを聞いてしまうと、入る時ちょっと緊張します。

 

泉温は19度〜22度で、ちょっと冷たい。冬場はなかなか気合がいります。ですが、しばらく入っていると、不思議とポカポカ。

炭酸ガスを多く含むため、お湯の表面でパチパチしています。


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岩風呂に入った後は、さきほどの加温浴槽に戻り、体をあたためます。


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ここで忘れずにやって欲しいのがアトム風呂のかけ湯。

実はここが不老閣でも最も放射能の強い岩風呂3号源泉。

さきほどの岩風呂が30.8 ×10⁻¹⁰Ciなのに対し、こちらは2315×10⁻¹⁰Ciというとんでもない数字。

こんな数字は東日本では見たことがなく、怖くなるくらいラドン含有です。

 

ですが、皆さん岩風呂が一番強いと思うのか、アトム風呂を見落としがち。

私もかけ湯なんてと思っていましたが、お風呂で出会ったおじいちゃんに激しくオススメされたので、やってみました。


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湯船からわずか5mの場所で湧くため鮮度抜群のお湯。

ここも17度〜22度と冷たいので、ちょっとずつかけ湯。

冷たいのですが、一度かけると、体がカーッと熱くなる感覚。

尋常じゃないラドン含有量だけのことはあります。

 

最後にかけ湯をすると、なんと1時間は放射能泉の効能が持続するのだとか。すげえ。


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その奥にあるのが不老閣霊泉。

ここは不老閣で2番目に放射能が強い不老閣1号源泉を使用。

ラドンは1440×10⁻¹⁰Ciと、アトム風呂とまでは行きませんが、とてつもない数字。かつては飲用できましたが、現在は衛生上の理由により汲むことすらできません。

 

ちなみにアトム風呂と不老閣霊泉は、他の源泉とブレンドされた状態ですが、貸切のラジウム水晶風呂で入浴可能。

ただし、貸切風呂は日帰りプランでは入浴できず、宿泊者限定です。

残念すぎます。


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岩風呂の後は内湯へ。

階段を駆け下りていると、「お兄ちゃん早いね。お風呂も早かったしもっと入ったほうがいいよ笑」とおじいちゃん。

不老閣はなぜか、初対面の入浴客どうしで会話がしやすい雰囲気。

私も3人くらいに話しかけられました。

これも湯治の楽しみのひとつ。

 

不老閣の内湯


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内湯は不老の湯と長寿の湯と2つ。

それぞれ対称の造りではなく、源泉も設備も異なります。


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日帰り入浴では不老の湯が女性、長者の湯が男性用です。


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こちらが長寿の湯。手前が加温浴槽で、こちらは温泉ではありません。奥が長寿の湯で不老閣2号源泉を使用。

 

まずは加温浴槽で5分程体を温めて、毛穴を開かせます。


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その後、長寿の湯に10分程つかり、これを3回程度繰り返すのがオフィシャルの入り方。 

 

長寿の湯は地下40mから自然湧出する温泉で、温度は30度〜36度。 

 

このくらいであれば、ぬる湯と言えるくらいの温泉で、冬場でも抵抗なく入れます。夏場なら最高に気持ちの良い温度。

こちらのラドンの含有量は1.5×10⁻¹⁰Ciと不老閣では一番少なく、泉質名はナトリウム-塩化物冷鉱泉です。


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ここでも別のおじいちゃんに話しかけられます。

この方も癌治療を目的でいらしているそうで、毎月訪れているのだそうです。ここの温泉に入り、癌が小さくなった方や消えた方もいるのだとか。


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微量の放射能ホルミシス効果と言って、自然治癒力を高めると言われており、放射能泉には不思議な効能があります。 

まして、不老閣ほどのラドン含有量があれば、癌が小さくなると言われても不思議ではありません。

ちなみに放射能ラドンは気体なので、浴室で深呼吸すると良いようです。

 

温泉話のほか、山登りの話や、出身地の話などで思いのほか盛り上がり、1時間半近く話してしまいました。


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長寿の湯の更に奥には湯窪の湯。

泉質は含放射能-ナトリウム-塩化物冷鉱泉

こちらは岩風呂2号源泉を使用。岩風呂とほぼ同じ成分ですが、ラドン含有量は646×10⁻¹⁰Ciとかなりのもの。

これは天然岩風呂よりも多く、不老閣でつかれる源泉としては一番高い濃度です。

ちなみに、不老の湯にはこの源泉を引く浴槽はないので、女性の方は宿泊しないと入れません。


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泉温は天然岩風呂とほぼ同じで、ちょっと冷たい。

入るには気合いが必要です。こちらも炭酸ガスの含有量が多くシュワシュワしています。

サイズは2人くらいですが、1人入っていると皆さん遠慮して入らない感じでした。


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日帰り入浴客ではここまでですが、以前宿泊したので不老の湯側もご紹介。こちらは日帰り入浴時間帯では女湯になっています。

左が加温浴槽、右がぬる湯の浴槽です。

 

右は長寿の湯と同じ不老閣2号源泉。ラドン含有量は少ないですが、少しぬるめで入りやすい温度です。


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不老の湯では、放射能の強い岩風呂2号源泉に入れませんがその代り、蒸気吸入室があります。

ミストサウナのような感じで、増富温泉では唯一の施設。

 

なかなか熱く、普通のサウナくらいの温度がありました。

ラドンは気体なので、蒸気吸入室ではより多くのラドンを取り込むことができます。


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あっという間に時間が過ぎ気づけば5時前。

せっかくなので、もう一回岩風呂に行ってみることに。

ちょっと山道が暗いので、自信がない方はやめたほうがいいかも。

 

この時間は混浴の時間帯ですが、わずか30分しかないこともあり、

他の入浴客は男性1名のみ。

皆さんあまり利用していませんでした。

もう一度岩風呂に浸かり、放射能パワーをもらって帰ることに。


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帰りの山道からみた景色。夕焼けがきれいですねえ。

見えているのは甲斐駒ヶ岳です。

 

結局部屋でゴロゴロする時間はなく、ほぼずっとお風呂に入っておりました。

 

日帰り入浴してみた感想

 

不老閣の日帰りプランは予約がなかなか取りにくいですが、比較的月曜日は取りやすいような気がします。

土日は宿泊客で満室であることが多く、部屋がないため、日帰りプランは予約できない日が多いです。

夏場は平日でもかなり混んでいるため、冬場がオススメです。

 

温泉は恐ろしいほどに刺激が強いですが、その分効能もすごい。

帰りの道中はずっと体がポカポカしていました。

友人とワイワイガヤガヤ来る温泉ではなく、1人のお客さんがほとんど。

本気で湯治をしたい方におすすめです。

 

 

 

 

 

不老閣の泉質と効能

 

▼天然岩風呂


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放射能-ナトリウム-塩化物冷鉱泉

✓源泉 不老閣岩風呂

✓温度   20.1度(冷鉱泉

✓pH値 6.3(中性泉)

ラドン 30.8×10⁻¹⁰Ci(8.4マッヘ)

✓成分総計 10842mg

✓効能 リウマチ、痛風、糖尿病、肝臓病、慢性消化器疾患、神経痛、関節痛、病後回復期

 

▼不老閣霊泉


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二酸化炭素放射能-ナトリウム-塩化物冷鉱泉

✓源泉 不老閣1号源泉

✓温度   18.6度(冷鉱泉

✓pH値 6.0(中性泉)

ラドン 1440×10⁻¹⁰Ci(395.6マッヘ)

✓成分総計 4905mg

✓効能 リウマチ、痛風、糖尿病、肝臓病、慢性消化器疾患、神経痛、関節痛、病後回復期

 

▼アトム風呂

 


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放射能-ナトリウム-塩化物冷鉱泉

✓源泉 岩風呂3号源泉

✓温度   21.0度(冷鉱泉

✓pH値 6.0(中性泉)

ラドン 2315×10⁻¹⁰Ci(635.9マッヘ)

✓成分総計 5032mg

✓効能 リウマチ、痛風、糖尿病、肝臓病、慢性消化器疾患、神経痛、関節痛、病後回復期

 

 

▼湯窪の湯



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放射能-ナトリウム-塩化物冷鉱泉

✓源泉 岩風呂2号源泉

✓温度   21.5度(冷鉱泉

✓pH値 6.1(中性泉)

ラドン 646×10⁻¹⁰Ci(177.4マッヘ)

✓成分総計 5147mg

✓効能 リウマチ、痛風、糖尿病、肝臓病、慢性消化器疾患、神経痛、関節痛、病後回復期

 

▼長寿の湯・不老の湯


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ナトリウム-塩化物冷鉱泉

✓源泉 不老閣2号源泉

✓温度   32.2度(低温泉)

✓pH値 6.4(中性泉)

ラドン 1.5×10⁻¹⁰Ci(0.4マッヘ)

✓成分総計 11395mg

✓効能 リウマチ、痛風、糖尿病、肝臓病、慢性消化器疾患、神経痛、関節痛、病後回復期