大露天風呂の日記

現在662湯掲載 旅館好きの温泉ソムリエのブログ 旅館の日帰り入浴情報を徹底的に紹介します!

福島県の温泉
栃木県の温泉
群馬県の温泉
新潟県の温泉
千葉県の温泉
山梨県の温泉
埼玉県の温泉
静岡県の温泉

毒沢鉱泉【宮乃湯旅館】日帰り入浴記「毒だけど薬に!?珍しいオレンジ色の温泉」

毒沢鉱泉 宮乃湯旅館の日帰り入浴ってどんな感じなの?

年間300箇所以上日帰り入浴している温泉ソムリエが、実際に訪れてレポートします。

こんな人におすすめ 

 

・とにかく珍しい温泉に入りたい

・オレンジ色のにごり湯に入りたい

・レトロな雰囲気が好き

 

営業情報とアクセス

▶日帰り入浴時間

11:00〜20:00

▶日帰り入浴料

1100円

▶タオル

330円(ロゴあり)

▶お風呂の数

内湯(男1・女1)

露天(男1・女1)

▶サウナ

あり

 

宮乃湯旅館と外観と館内


f:id:zenigame1:20240813201546j:image

 

毒沢鉱泉は長野県下諏訪町にある温泉。

戦国時代の永禄年間に武田信玄が金鉱を掘り当てた際、怪我人の治療に利用したと伝えられています。

信玄の隠し湯と言われると効能の高い鉱泉で、戦前には売薬許可を受けていたほど。

 

3件の旅館がありましたが、現在は神乃湯と宮乃湯の2件のみ。

どちらも日帰り入浴可能です。

 

宮乃湯旅館は毒沢鉱泉の2件ある旅館のうちの一つ。

大正12年創業の歴史あるお宿です。

 

もう一件の神乃湯は日本秘湯を守る会にも加盟し、比較的知名度もありますが、宮乃湯はツウ向けの旅館といったところ。


f:id:zenigame1:20240813202157j:image

毒沢というなんと恐ろしい名前。

毒なんて言葉、普通なら絶対温泉にはつけないでしょう。

名前の由来は、武田信玄が薬効の高い鉱泉を隠すため「毒沢」と名付けたとも、鉱泉で川の魚が死滅したからとも言われています。


f:id:zenigame1:20240813201848j:image

看板も渋いです。半分松の木に覆われちゃってます。

秘湯感も漂うお宿でございます。


f:id:zenigame1:20240813202034j:image

日帰り入浴可能か電話したところ、ちょうど貸切利用のお客さんが入っていたようで、11時半頃なら良いとこのこと。


f:id:zenigame1:20240813202133j:image

ロビーはこんな感じ。ちょっと薄暗い館内。

古そうな旅館ですが、バリアフリーを重視している宿なので、設備はしっかりしています。

宿の息子さん?と思われる方が受付。

日帰り入浴は1100円。秘湯にしてはちと高いかな。


f:id:zenigame1:20240813202524j:image

タオルも330円でちょっと高い。ですがしっかりロゴ入り。

毒沢タオルはどうしてもゲットしたかったので購入。


f:id:zenigame1:20240813202646j:image

お風呂は一階の廊下左側。

女将さんが案内してくれます。


f:id:zenigame1:20240813202745j:image 

お風呂入口。


f:id:zenigame1:20240813202829j:image 

アットホームな感じの脱衣所。

 

宮乃湯旅館の温泉


f:id:zenigame1:20240813202914j:image

こちらお風呂。テラスの湯という名前です。

おー 何やら毒々しい色のお湯。

手前が加温浴槽、奥は15度の源泉そのままの浴槽です。

温冷交互浴がいいそう。


f:id:zenigame1:20240813205035j:image

浴室は全体的にかなりシブーい雰囲気。 

内湯のみで露天風呂はありません。

ちなみに女湯側は新しい檜風呂で、テラスの湯ほどの渋さはありません。


f:id:zenigame1:20240813205120j:image

奥には超年季の入ったサウナと水風呂があったのですが、

なんか怖かったので入りませんでした。


f:id:zenigame1:20240813210150j:image

中は温かったので、現役のサウナだと思われます。


f:id:zenigame1:20240813203324j:image

妙に洋風だったりするので独特の雰囲気を放っています。


f:id:zenigame1:20240813203755j:image  

毒沢ミネラル温泉と書いてあります。

錆びついたこのタンクみたいなものは、使われていないようでした。


f:id:zenigame1:20240813203216j:image

ポリ湯船の浴槽に鮮やかなオレンジ色のお湯。

ポリ湯船ってのもあまり見かけないですよね。

逆に新鮮で楽しいかも。


f:id:zenigame1:20240813203433j:image

不思議なのは非加熱の源泉は透明。

加熱をすると酸化して鮮やかなオレンジ色に変化するのだとか。

ちなみにサイダーを混ぜると緑色に、お茶を混ぜると真っ黒になるのだそう。聞けば聞くほど不思議な鉱泉です。

源泉はマンガンや銅、亜鉛なども微量に含んでいるため、これらが関係しているのかもしれません。

 

温度は15度かなり冷たいので、夏場でも入るのはちょっと無理でした。


f:id:zenigame1:20240813203718j:image

こちらは飲泉用の蛇口。

女将さんからは、「レモン水みたいでおいしいですよ。たまに渋くておいしくないという人もいますが。味覚次第です」とのこと。

 

確かに飲んでみるとレモン水そのもの。全然渋くはありませんでした。

毒々しい見た目とは裏腹に意外とさっぱりイケるお味。

ちなみに炭酸も比較的多めに含んでいます。

ワインに似てるお味とも言われるようですが、さすがにスパークリングワインにはならないかな。。


f:id:zenigame1:20240813204242j:image

泉質は酸性・含鉄(Ⅱ)-アルミニウム・硫酸塩冷鉱泉

これは非常に珍しい泉質。

毒沢という名前も伊達ではありません。

 

硫酸アルミニウムはいわゆるミョウバン

漬物の色止めや消臭に使われるミョウバンですが、慢性皮膚病などに効能があると言われています。

鉄分を含むため、貧血などにも効能があります。

 


f:id:zenigame1:20240813204608j:image

硫黄を含む酸性明礬泉は草津蔵王温泉など、活火山地帯で見られますが、硫黄を含まず、逆に鉄を含むというのは激レアです。

お湯をすくってみると、酸化鉄の塊のようなものが浮いています。


f:id:zenigame1:20240813204932j:image

この鉱泉は一リットル550円で販売されていました。

戦前は鉱泉水そのものが売約許可を受け、皮膚薬として販売されていたくらいなので、相当薬効があるのだと思います。


f:id:zenigame1:20240813210133j:image

毒沢鉱泉の入浴剤も売っていました。

 

宮乃湯は珍しすぎる貴重な泉質を楽しむことができます。

誰にも会わずにゆっくり入浴できました。

 

以上、宮乃湯旅館の日帰り入浴情報をご紹介しました。

いかがだったでしょうか?

毒沢鉱泉に日帰りで訪れた際の参考にしていただければ幸いです。

 

日帰り入浴してみた感想まとめ

宮乃湯旅館は超珍しい泉質が魅力。

お風呂はなかなか渋いので、きれい好きの方には向かないかも。

温泉重視のツウ向けの温泉といったところ。

冷たい源泉もあるので、特に夏場におすすめです。

誰にも会わずにゆっくり入浴できました。

 

 

 

宮乃湯旅館の泉質と効能


f:id:zenigame1:20240813211053j:image

 

酸性・含鉄(Ⅱ)-アルミニウム・硫酸塩冷鉱泉

✓源泉 毒沢鉱泉

✓温度 15.1度(冷鉱泉

✓pH値 2.5(酸性泉)

✓成分総計 1424mg

✓効能 アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症、末梢循環障害、糖尿病、貧血、慢性皮膚疾患、水虫