大露天風呂の日記

現在662湯掲載 旅館好きの温泉ソムリエのブログ 旅館の日帰り入浴情報を徹底的に紹介します!

福島県の温泉
栃木県の温泉
群馬県の温泉
新潟県の温泉
千葉県の温泉
山梨県の温泉
埼玉県の温泉
静岡県の温泉

羽根沢温泉 加登屋旅館 湯元の旅館で八角形のレトロ湯に日帰り入浴

 

基本情報

 

【日帰り入浴時間】

8:00〜20:00

【日帰り入浴料】

400円

【タオル】

200円

【露天風呂】  

なし

【お風呂の数】 

内湯(男1・女1)

【客室数】

15室

【公式HP】

http://hanesawaonsen-katoya.com/

【個人的オススメ度】

★★★★☆

 

 

住所・電話番号

 

 【住所】

山形県最上郡鮭川村中渡1312

【電話番号】

0233-55-2525

 

泉質

 
■源泉

羽根沢源泉

■泉質   

含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉

(含重曹食塩硫黄塩泉)

■温度           

 45.2度 

■pH値

pH8.3

■成分総計  

3697mg

 

 

山形県 羽根沢温泉ってこんなとこ

 


f:id:zenigame1:20240603215945j:image

羽根沢温泉は山形県北部の鮭川村にある温泉。

鮭川村は人口4000人弱の山形県で二番目に小さな村。

そんな小さな村に温泉が湧いたのは大正8年(1919年)。石油の掘削ボーリング中に温泉が湧き出しました。湯量豊富な源泉は山形では珍しい間欠泉ですが、現在は安全のため蓋がされており、どこに源泉があるかはよくわかりませんでした。

 

旅館は3件で隣り合うように建っています。全ての旅館で日帰り入浴可能です。

 

羽根沢温泉湯元の旅館です

 


f:id:zenigame1:20240603220654j:image

加登屋(かとや)旅館は3件並ぶ旅館のうち、真ん中にある旅館。


f:id:zenigame1:20240603231837j:image

隣に加登屋食堂もありますが、関係は不明。

ただ、直接旅館が経営しているわけではなさそう。


f:id:zenigame1:20240603221645j:image

加登屋旅館は石油の掘削会社から温泉の権利を取得した湯元の旅館です。

日帰り入浴にはとても寛容。

 

他の2件は時間が合わずに入浴できないこともありますが、

こちらはいつ行っても入浴できるイメージで、羽根沢温泉では最も安定して日帰り入浴できます。

なので、私も訪れるのは3回目。

お湯が個性的で好みなんです。

 

f:id:zenigame1:20240603221221j:image

館内。ロビーは昼でも少し薄暗い。

羽根沢温泉はどの旅館もボロいですが、加登屋旅館は湯元の旅館だけあって、建物は一番古そうな感じがします。


f:id:zenigame1:20240603221810j:image

以前宿泊したことがありますが、館内はこんな感じ。

昭和レトロを極めすぎた館内。

微妙に木造の部分も残っています。

複雑に入り組んだ建物で、探検の仕甲斐がありますわ。


f:id:zenigame1:20240603221933j:image

2階から見た写真。

中央の八角形の部分がなんと大浴場。


f:id:zenigame1:20240603222104j:image

外からは分かりませんが、中庭は池のようになっていて、

そこに浮かぶように八角形のお風呂棟があります。

なんとも奇抜な建物。池があるなんて想像もしませんでした。


f:id:zenigame1:20240603222222j:image

奥に見えるのは現在使われていない別館。

かすかな文字で静雲荘と書かれています。

これはもはや廃墟。

廃墟マニアも喜びそうな見た目。


f:id:zenigame1:20240603222417j:image

入浴料金は400円。

日帰り入浴をお願いすると、「は〜い いらっしゃいませ」と気さくそうな女将さん。

今どき400円なんてかなり安い。


f:id:zenigame1:20240603222654j:image

タオルは200円。しかもバスタオル付きです。

バッチリロゴ入りで嬉しい。


f:id:zenigame1:20240603222806j:image

大浴場はロビーに直結。フロントから徒歩5秒くらい。


f:id:zenigame1:20240603222740j:image

ロビーに謎のアーチの空間。

中には自販機がありましたが、それにしても暗いですね。

今ではお目にかかれない珍しい造り。


f:id:zenigame1:20240603223019j:image

自販機の奥には卓球台が押し込められていましたが、帳場に言えば貸してもらえるようです。


f:id:zenigame1:20240603221527j:image 

こちらは民芸風の休憩エリア。湯上がりにぴったり。

マンガ本もたくさんありました。


f:id:zenigame1:20240603223328j:image

金魚の水槽。

ロビーが薄暗いので良く目立ちます。

 

八角形のレトロな浴室


f:id:zenigame1:20240603223228j:image

さっそくお風呂へ。先程の八角形の部分です。


f:id:zenigame1:20240603223838j:image

こちらが大浴場。反対側は女湯になっているので、八角形を半分にした形の浴室と湯船。

青い壁やモザイク柄の壁など、色使いが派手。

露天風呂はありません。

 

f:id:zenigame1:20240603224126j:image

浴室のガラス窓は二重。間は中庭のような構造になっています。

こんな浴室は見たことない。

もちろんカランも八角形に沿って並んでいます。

羽根沢温泉では最もデカいお風呂。

 

f:id:zenigame1:20240603232306j:image

湯口は超シンプルでタイルに突き刺さった塩ビ管。

泉質は含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。

旧泉質名では含重曹食塩硫黄塩泉です。


f:id:zenigame1:20240603232456j:image

もちろん源泉かけ流しです。

湯船からのお湯が絶えずオーバーフロー。

さすがは湯元という感じ。

湯船の淵で寝そべって温泉を楽しんでいるかもおられました。


f:id:zenigame1:20240603232815j:image

無色透明の温泉ですが、羽根沢温泉は特徴だらけの個性的なお湯。

 

まずは匂い。石油の掘削中に湧出した温泉だけあり、お湯は強めのアブラ臭。ガソリンに近い匂いです。

なので、浴室に入った瞬間、ふわっとガソリンの匂いがします。

硫黄も含んでるため、アブラ臭に硫黄臭も混ざり、独特の刺激臭。

なんですが、なぜかクセになりそうな感じ。


f:id:zenigame1:20240603233125j:image

アルカリ性のお湯は、かなりヌルヌル。

重曹を含む温泉はより一層お湯にトロミがありますが、こちらもかなりヌルヌルします。

山形県でここまでトロミの温泉は他にありません。

まるでローションのよう。

 

羽根沢温泉の旅館はすべて同一の源泉。

どの旅館も大体熱めで、以前訪れた際は、こちらの旅館もかなり熱かった印象ですが、この日はむしろ少しぬるめくらい。

入りやすい温度でラッキー。

 

食塩を含むため、出汁のような味も。

食塩が皮膚をパックするため、温まりがよく、お風呂からあがってもしばらくポカポカが続きます。

成分総計は3500mgを超える濃い温泉です。

 

ボリュームがすごい!夕食の数々


f:id:zenigame1:20240603233737j:image

羽根沢温泉はどの旅館も建物はボロいが、飯は最高。

加登屋旅館もリーズナブルな宿泊料金からは想像できないボリュームです。

松葉荘や紅葉館はちょっと手が込んでいますが、こちらはシンプルに素材を生かした料理とボリュームで攻めてきます。


f:id:zenigame1:20240603234228j:image 

鮭川村はきのこが特産。

そんなわけで、秋になればきのこ尽くしの料理。

珍しいきのこも出てきます。


f:id:zenigame1:20240603234346j:image

きのこ鍋。高級な素材は入っていなくても美味しい。


f:id:zenigame1:20240603234443j:image 

牛のしゃぶしゃぶ。豪華ですねえ。


f:id:zenigame1:20240603234520j:image

山形らしく具沢山の芋煮。盛りが良いです。 


f:id:zenigame1:20240603234621j:image 

馬刺し。羽根沢温泉は馬刺しが出てくる率が高い。

 

腹がはちきれそうなくらいお腹いっぱい。

羽根沢温泉は本当にすごい。

 

昭和のくたびれた旅館しかない温泉地ですが、どの旅館も食事をかなり頑張っており、ありえないくらいのコスパの良さ。日帰り入浴もいいですが、ぜひ宿泊もオススメです。

 

 

温泉分析書 重曹と食塩を含むアルカリ性の硫黄泉

 

 

 
f:id:zenigame1:20240603235743j:image

溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは3697mgで1000mgを超えます。

陽イオンはナトリウム、陰イオンは塩化物イオンと炭酸水素イオンが20%を超えるので、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉となります。食塩と重曹を含む温泉。

 

また特殊成分として、総硫黄(硫化水素イオン、チオ硫酸イオン、遊離硫化水素の合計)が2mg以上で硫黄泉となり含硫黄とつきます。

こちらは2.8mgでギリギリ硫黄泉。遊離硫化水素(ガス成分)ではなく、ほとんどが硫化水素イオンとして含んでいるのも特徴的