大露天風呂の日記

現在662湯掲載 旅館好きの温泉ソムリエのブログ 旅館の日帰り入浴情報を徹底的に紹介します!

福島県の温泉
栃木県の温泉
群馬県の温泉
新潟県の温泉
千葉県の温泉
山梨県の温泉
埼玉県の温泉
静岡県の温泉

肘折温泉 大穀屋旅館 サービスが魅力の賑やかな旅館で日帰り入浴


 

 

基本情報

【日帰り入浴時間】

12:00〜17:00

【日帰り入浴料】

400円

【タオル】

200円(ロゴあり)

【露天風呂】  

なし

【お風呂の数】 

内湯(男1・女1・貸切2)

【客室数】

21室

【公式HP】

https://www.oyado-daikokuya.com/

【個人的オススメ度】

★★★★☆

 

 

住所・電話番号
 

 【住所】

山形県最上郡大蔵村南山507

【電話番号】

0233-76-2336

 

泉質
 

■源泉

組合2号源泉、組合3号源泉、組合5号源泉

■泉質   

ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉

■温度           

 65.9度 

■pH値

pH6.6

■成分総計  

3410mg

 

 

山形県 肘折温泉ってこんなとこ
 
f:id:zenigame1:20240529215933j:image

肘折温泉山形県大蔵村にある温泉。

開湯は平安時代初期の807年。肘を折った老僧が、この湯につかったところ、たちまち傷が治ったとの伝説が残ります。

 

山形県のほぼ中央に位置しますが、四方を山に囲まれたカルデラの底に温泉街があり、道路も一本しかありません。

アクセスは決しいいとは言えませんが、昔ながらの湯治文化を今でも色濃く残す今では珍しい温泉地で、連日多くの湯治客が訪れます。

 

メインストリートでは、毎日地元のおばあちゃんによる朝市が開かれ、肘折温泉の名物になっています。

 

狭いエリアに18件の旅館が密集しており、約半数ほどで日帰り入浴可能です。

 

温泉街のど真ん中にある旅館


f:id:zenigame1:20240528223840j:image

大穀屋旅館は肘折温泉のメインストーリーに面する旅館。

場所的にも肘折温泉のちょうどど真ん中。

以前、日帰り入浴をアポ無しアタックで試みて玉砕。

それ以来、日帰り入浴はできないものと心得ていました。

 

ダメ元で電話してみると、「何名様ですか?今どのあたりですか?」

「今なら大丈夫ですよ」とのこと。

これは嬉しい!日帰り可能だったとは。


f:id:zenigame1:20240528224050j:image

裏から見るとこんな感じ。鉄筋五階建てで肘折ではデカめ。

年季の入ったひなびた旅館が多い中、こちらは建物も新しい感じで

かなり清潔感があります。


f:id:zenigame1:20240529000233j:image

日帰り入浴は500円。

タオルは200円。ちゃんとロゴありです。


f:id:zenigame1:20240528224231j:image

ロビーもご覧の通りピカピカ。

ひなびた雰囲気を求めて肘折温泉を訪れる方には物足りないかも。

ですが、エレベーターも完備でトイレや設備も充実。

 

大穀屋旅館は湯治スタイルが基本なので、値段もリーズナブル。

現代的で快適な湯治旅ができます。

丸屋や元河原湯もキレイ系旅館ですが、湯治メインではなくちょっと高い。

湯治宿としては、肘折温泉で一番キレイな宿と言っても過言ではありません。


f:id:zenigame1:20240528224617j:image

お風呂はエレベーターで2階。

 

大穀屋旅館の印象としては、とにかくおばさまの女性スタッフが元気。女性スタッフの数が多く、いつもなんか賑やかな感じなのです。

皆さんテキパキと動く上、とてもきさく。

「どちからいらしたの?」など会話も盛り上がります。

明るい笑い声が響いている、そんな感じの旅館なのです。

 

実は以前一人で宿泊したことがあるのですが、

帰り際、みなさん玄関に出てきて、総出でお見送りをしてくださいました。

湯治プランの安いソロ客にここまでしてくれるんだなと、とても感動した記憶があります。

 

そんなわけで、肘折温泉でサービス部門ナンバーワンは大穀屋だと思っています。


f:id:zenigame1:20240528225326j:image

お風呂はエレベーターで2階。

この日も女性スタッフの方がテキパキとご案内。

しかも、エレベーターまで一緒に乗って、お風呂の前まで案内してくれるんですねえ。

短い時間ですがいろいろと話しかけてくれます。

さすが大穀屋ですわ。

 

清潔感のある大浴場


f:id:zenigame1:20240529215958j:image

大浴場の高砂の湯。

f:id:zenigame1:20240528225650j:image

脱衣所もキレイです。


f:id:zenigame1:20240528233823j:image

扉には大穀屋のロゴ。

稲穂の形そのままでまさに穀物

大黒屋なら良くある名前ですが、大穀屋というのは他にないのでは?


f:id:zenigame1:20240528225843j:image

こちらが大浴場。

長方形の湯船に緑色のにごり湯。

鉄分で赤茶けた床に明るいグリーンが映えます。

肘折温泉でも一番緑が強いお湯に見えました。


f:id:zenigame1:20240528233751j:image

泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。

旧泉質名では含重曹食塩泉。

もちろん源泉かけ流しです。


f:id:zenigame1:20240529220151j:image

岩に挟まったアヒルさんがかわいい。

お湯は熱め。

鉄分のほか、炭酸泉と言えるほどではありませんが、炭酸ガスも比較的多めに含んでいます。


f:id:zenigame1:20240528235109j:image

源泉は肘折温泉で最もポピュラーな組合2号、3号、5号源泉を使用。

肘折温泉は同じ源泉を使用していても、投入量屋や湯使いによって微妙に色が違ったり、炭酸の感じ方が違ったりと、様々な表情を見せます。


f:id:zenigame1:20240528235657j:image

成分のメインは重曹と食塩。

重曹は洗剤にも使われる通り、皮脂などの汚れを取り除いてくれるほか、皮膚の角質を柔らかくすることで、温泉成分が染み込みやすくなりす。そのため、肌の若返り効果があるそう。

食塩は殺菌作用のほか、食塩自体が皮膚をパックし、湯冷めしにくい温泉です。


f:id:zenigame1:20240529000048j:image

カランもキレイで文句なし。

ボディソープやシャンプーは炭。

試しに使ってみましたが、本当に真っ黒でした。


f:id:zenigame1:20240529212938j:image

ちなみに大穀屋には小さいですが貸切風呂もあります。

こちらは宿泊者専用。

 

帰り際に女将さんと思われる方とお話し。

遠くから来た私の帰り道を心配しているようでした。

「今日帰られるんだか?」

「今日は肘折泊まる予定なんです。大穀屋さんも前に泊まったことあるんですよ」

「そうでしたか だから駐車場の場所わかんだか」

 

湯治プランもおススメです


f:id:zenigame1:20240529214058j:image

以前泊まった際の大穀屋の湯治飯はこんな感じ。

肘折温泉はほとんどの旅館で、6000円前後で2食付の湯治プランが用意されています。

どの旅館も部屋までお膳を運んで来てくれて、食べ終わったら廊下に出しておくスタイル。

他のお客さんを気にしなくて良いので、ソロ泊にピッタリなんです。


f:id:zenigame1:20240529214407j:image

内容はエビフライや焼き魚、


f:id:zenigame1:20240529214713j:image

キクラゲと菊の花のおひたし、豆腐と豚肉のすまし汁など。どれも家庭的ですがホッとする味。一人ならこの量で十分です。

こんな健康的なご飯を食べて、温泉には入りまくる。

しかもめちゃくちゃ安い。

他の温泉地では味わえない肘折温泉の魅力です。

これがたまらないので、私も何度も訪れています。

 

まるでガレージ!?個性的すぎる手作り風呂

 

日帰り入浴では案内されませんが、

実は大穀屋には他にもすごいお風呂があります。

その名も3代目手作り離れ岩風呂

こちらは完全に宿泊者専用。

しかも、4月〜11月のみの営業で期間限定です。

以前泊まった際、お湯の良さに感動したので合わせて紹介します。


f:id:zenigame1:20240529202254j:image

まずは場所から。右が大穀屋。

離れ岩風呂は、銅山川に面する左のガレージのような建物の中。

ちょうど宿の駐車場の横にあたります。

えっ こんなところにお風呂があるの!?という感じ。


f:id:zenigame1:20240529202614j:image

こちらが入口。

ここにお風呂があるなんて。外観からは到底想像できませんね。


f:id:zenigame1:20240529202951j:image

卓球台や自転車など、まさに宿の方の私物が保管されているであろうガレージ笑 


f:id:zenigame1:20240529203126j:image

かなり戸惑いましたが、左の扉が入口。

よーく見ないと分かりませんが、ちゃんと看板がありました。

探検気分でワクワクします。


f:id:zenigame1:20240529203259j:image

中へ入ってみると。お〜 めちゃくちやゃ民家。

一気に人様のお宅にお邪魔したかのような気分。


f:id:zenigame1:20240529204327j:image

こちらが岩風呂。なんと素晴らしい!

隠れ家感満載のお風呂は、コテコテの析出物で、湯船の淵も床も赤茶けています。

手作り感も相まって、他では味わえない雰囲気。 

三代目やりますね。

 

f:id:zenigame1:20240529204521j:image

そしてこの岩風呂はお湯が最高!

源泉は大浴場と全く同じはずなのですが、明らかに浴感が違う。

肘折温泉はほとんどの旅館がちょい熱のお湯なのですが、

少しぬるめで入りやすい。

 

片っ端から肘折温泉を入りまくった私ですが、

肘折温泉でぬるめの温泉は、他に三春屋とゑびす屋のみでした。


f:id:zenigame1:20240529205252j:image

肘折温泉は炭酸も含んでいますが、ぬるめだと炭酸ガスが飛びにくいため、同じ源泉でも、より炭酸を強く感じます。

これは三春屋、ゑびす屋も同じ。

シュワシュワのぬる湯はかなり気に入りました。

 

 

大穀屋旅館は肘折温泉で一番賑やかな感じの旅館。

設備や建物も新しく快適な湯治旅ができます。

宿泊してぜひ離れ岩風呂も体験してみては。

 

 

温泉分析書 重曹を含む食塩泉

 

f:id:zenigame1:20240529212918j:image

溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは3410mgでかなり濃い温泉。

陽イオンはナトリウム、陰イオンは塩化物イオンと炭酸水素イオンが20%を超えるので、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉です。

 

鉄を感じるお湯ですが、鉄分は2.3mg。含鉄泉は20mg以上なので泉質名にはなりません。

 

また、遊離二酸化炭素炭酸ガス)を357mg含んでいますが、炭酸泉は1000mg以上なのでこちらも泉質名に出てきません。

 

その他、美肌成分と言われるメタケイ酸が146mg、殺菌作用のあるメタホウ酸が54mgで比較的多めに含まれています。