ホテル観山
1.入浴時間・料金・混雑度
○日帰り入浴時間 15:00〜(要確認)
○日帰り入浴料金 1000円
○露天風呂 あり
○お風呂の数 内湯露天(男1・女1)
○客室数 38室
〇公式HP http://www.naf.co.jp/kanzan/
○混雑度 お風呂で会った人数 2人
○個人的オススメ度 ★★★★★
2.場所・電話番号
〇電話番号 0241-33-2233
3.泉質
■源泉 大塩裏磐梯温泉旅館組合源泉
■泉質 ナトリウム-塩化物強泉
(強食塩泉)
■温度 63.2度 pH7.2
■成分総計 18835mg
4.大塩裏磐梯温泉について
大塩裏磐梯温泉は喜多方市街から裏磐梯へ通じる国道459号線沿いにある温泉。会津と米沢をつなぐ街道の宿場町として栄えた地区。今から1200年ほど前に、塩不足で悩んでいたこの地に空海が訪れ、一宿の恩義を受けた老婆のために、神力によって塩水を湧出させたと言われています。山間の温泉ながら海水に匹敵する塩分濃度を誇る温泉で、古くからこれを煮詰めて製塩し、会津藩や皇室に献上されていました。温泉としての開発は前後の昭和30年代。大塩温泉や北塩原温泉などと呼ばれていましたが、金山町にある大塩温泉と区別するために、大塩裏磐梯温泉という長ったらしい名前になっています。一時は10件近くあった旅館も、現在では観山と米澤屋の2件のみになりました。
5.外観・館内・お風呂
ホテル観山は大塩裏磐梯温泉で一番大きな旅館。
一番と言ってもここと米澤屋の2件しかありません。
一方の米澤屋は日本秘湯を守る会にも加盟している小さな旅館。
かつては日帰り入浴可能でしたが、現在は不可。
大塩裏磐梯温泉で日帰り入浴可能なのは、観山のみです。
観山に日帰り入浴可能か電話で聞いてみると、「ほとんどやっていん」というつれない返事。これはだめかと思いましたが、「15時以降ならいいですよ」とのこと。結局のところ、いつもやっているのかどうかはよく分からず。
以前にも訪れたことがあるのですが、その時は飛び入りでもなんの問題もなく日帰り入浴できました。
日帰り入浴料は1000円です。
お風呂はロビーからそのまま一階の奥へ。
館内はお琴のBGMが流れ、雅な雰囲気。
途中水が流れる池の演出も。雰囲気は大型の和風旅館という感じですが、規模はそこまで大きくはありません。
ここを右でお風呂です。
すると変に曲がった傾斜スロープ。
長い廊下を歩きます。
一段低くなっているお風呂入り口。
木のぬくもりを感じる脱衣所。
こちらが大浴場。細長い湯船に少し緑色がかった白濁の濁り湯が満たされています。
カラン。
一見すると白濁の硫黄泉のようにも見えますが、硫黄分は一ミリも含まれていません。
この濁りの正体はなんと食塩。
泉質はナトリウム-塩化物強泉で、旧泉質名では強食塩泉という温泉。名前の通り、塩の含有量は尋常ではありません。
味は超しょっぱい。というかおそらく飲んでは行けない危険な濃度。
口に入れた瞬間に吐き出しそうになるビリビリくるしょっぱさ。
成分総計は1万8000mgを超え、普通の温泉のおよそ18倍の濃さ。
熱塩温泉や柳津温泉など、濃い食塩泉が多い会津地区にあってもナンバーワンの濃度です。
すごいのは湯船の底。なにやら沈殿物でフカフカになっているのですが、これ全部塩です。
にごり湯で見えませんが、湯船の底にはシャリシャリの食塩が一面絨毯のように広がっています。これにはびっくり。
塩分をすくおうと試みましたが、すくい上げる途中でホロホロと溶けてしまいます。
塩分は浴槽の縁にもびっしり。ついている跡は私の手形と足形です。
これも全部塩です。
海から遠い会津盆地でこれほどの食塩泉が湧くのかは謎で、数十メートル下に巨大な岩塩の結晶があり、そこに温泉が触れて強食塩泉になる、地下に化石海水の潮流があるなど、諸説あるようです。
強食塩泉はヨーロッパではゾール泉とも言われ、あたたまりの効果が強く、体が特にポカポカになります。また強い殺菌作用により、切り傷や火傷にも効能あり。湯船に使っていると、傷はないはずなのに、お尻のあたりが染みてくるくらいです。
そしてこの温泉の塩、なんと結構うまいのです。
会津山塩として古くから珍重されてきた塩ですが、大塩裏磐梯温泉に宿泊すれば、この塩で作った絶品の塩ラーメンがいただけます。
写真はお隣の米澤屋の夕食のシメに出てくる塩ラーメン。
内湯の他に露天風呂もありますが、残念ながら露天風呂は温泉ではありません。
石組みの風情ある露天風呂ですが、ここにあの温泉を入れたら、塩だらけになって大変そうなのでやむ無し。
ちなみに以前訪れた際の内湯はこんな感じ。
このときはにごり湯ではありませんでした。
米澤屋のお風呂もにごり湯ではありません。
なぜ観山だけ、あんな色になるのか謎です。
色や湯船のフカフカ具合いは塩の溜まり具合によるのかもしれません。
塩が絨毯のように沈殿している温泉は他でも見たことはありません。
味も一級品の山塩温泉。ぜひ一度試してみては。
6.温泉分析書の説明
溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。こちらは圧倒的な18835mgで1000mgを超えます。陽イオンはナトリウム、陰イオンは塩化物イオンが20%を超えるので、ナトリウム-塩化物泉となります。
また、温泉水1キログラム中に食塩を15g以上含むと強食塩泉になりますが、こちらは
15.7g含むため、ナトリウム-塩化物強塩泉となります。