釈迦の霊泉
1.入浴時間・料金・混雑度
○日帰り入浴時間 9:30〜17:00
○日帰り入浴料金 1000円
○露天風呂 なし
○お風呂の数 内湯(男1・女1)
〇公式HP なし
○混雑度 ほとんど誰にも会わない
○個人的オススメ度 ★★☆☆☆
2.場所・電話番号
〇電話番号 0278-72-3173
3.泉質
■源泉 奈女沢温泉
■泉質 2条鉱泉(メタけい酸の項目で該当)
■温度 22.2度 pH 9.5
■成分総計 150mg
4.奈女沢温泉について
水上温泉の少し南にある上牧温泉から、山奥へ進んだ先にある1件宿の温泉です。上杉謙信の隠し湯とも言われ、明治時代には温泉として利用されていたようです。
5.外観・館内・お風呂
奈女沢温泉は結構な山奥にある一件宿。上牧温泉から細い道を山間に向かって進んでいきます。
温泉への分岐には看板がたくさん立っているのでわかりやすいですが、「世界で一箇所の御神水」、「奇跡の御神水」や仏神道教会なる宗教法人の名前など、この時点で怪しさマックス。
営業しているのか、おそるおそる電話してみると、意外にも普通のおばあちゃんの声。「いついらっしゃる?」と聞かれ、今から行きますと伝えると、「今ならどうぞ」という感じでした。
温泉とは名ばかりのコテコテの宗教施設で、勧誘なんか受けたらどうしようと一抹の不安を抱きながらも、奈女沢温泉へ向かうことにします。
温泉へはこのような細い道。しかもこれ宗教法人の私道なのかだから驚き。急坂などはなく、川沿いに伸びる細い道を10分ほど進むと温泉です。
杉林の中を進みます。秘湯へ向かう道といった感じ。
意外にもよく整備されていますが、冬季はちょっと通りたくないかな。基本的には舗装されていますが、ほんの数メートル未舗装の区間もありました。
写真は撮りませんでしたが、中程にいかにもな巨大な宗教施設の建物がありました。
奥に何やら見えてきました。
この建物は温泉の本体ではなく、宗教施設の付属建物のような感じ。
先程の建物を通り過ぎると、ようやく奈女沢温泉に到着。
温泉は宗教法人の施設ですが、東北の秘湯に来たかのような外観。
食事付きの宿泊はなく、素泊まりと日帰り入浴専門の施設です。
駐車場には意外にも車が何台か停まっていました。
玄関にはドデカイ効能書きの看板。
末期癌にも効くとありますが。。
建物に入ると先程の電話の方と思われるおばあちゃんが受付。
宗教施設感は全然なく、普通に山奥の秘湯といった感じ。
日帰り入浴料は1000円と高め。
「初めてお越し?」と聞かれ、そうですと答えると、「これから説明しますね」と案内してくれました。
まずい。これは宗教チックな話をされるかもと一瞬びびりましたが、
そういう話は全然ありませんでした。
まずは帳場で紙コップを渡されます。ここの温泉は飲みながら入るとより効能があるそうで、常連の方はマイコップを持参するようです。
温泉を御神水と呼んでいて、「人にもよりますが、様々な効能があります」とのこと。
この御神水は宅配販売もしているそうで、「興味があれば資料読んでみて下さい」と言われましたが、勧誘的なものもありませんでした。
脱衣所には御神水の飲泉所があります。
紙コップでいただいてみると、ちょっとぬるい水という感じで、味などはありません。言われたとおり、お風呂で飲泉するため、紙コップに御神水を入れて浴室内へ。
こちらがお風呂。露天風呂はありません。建物は秘湯チックだったのですが、お風呂だけは妙にピカピカでちょっとした違和感を感じます。
床はなんと大理石。
浴槽は浅めで、壁際が少し斜めになっていてます。
半身浴のようにちょっと寝そべりながら入浴しやすくなっています。
誰もいない浴室でコップを片手に飲泉しながら、寝そべり入浴。
ですが、温泉は絶妙なぬるさのためか、不思議とゴクゴクとは飲めないのです。
当の温泉ですが、成分はかなり薄く、温度も22度と低いため、〇〇泉という名前のつかない温泉。泉質名はありません。
神奈川県の七沢温泉などもこんな感じのお湯。
源泉温度が低いため、当然加温はしていますが、循環消毒はない源泉かけながしの温泉です。
間違いなく温泉ではありますが、成分的にには末期癌に効くかどうかはちょっと謎です。
美肌成分のメタケイ酸は温泉基準値を超えているため、美肌には確かに効能があります。
pH9.5でかなりのアルカリ性なのですが、お湯にぬるぬる感はありませんでした。
奈女沢温泉と検索すると、ラジウムを多量に含むなどの記事もありますが、温泉分析書を見る限りラジウムはゼロ。
もしラジウムを含むのなら、玉川温泉や新潟の村杉温泉のように癌に効くと言われるのもわかるのですが。
ちなみに浴室内にはボタン式のミストサウナもありました。
しばらく使っていなかったようで、中が寒かったので使用はしませんでした。
お風呂上がりに着替えていると、外から先程の女将さんに「〇〇ナンバーの車の方いますか?」と呼び出しが。
どうやら私の車のライトが点きっぱなしだったようで、わざわざ知らせに来てくれたようです。
怪しいなんて言ってすみません。
休憩スペースには体験ノートが。
中を見てみると、来ているお客さんは皆さん普通の人達。
人工透析や重病の方の体験談もありましたが、皆さんここの温泉で調子が良くなっているよう。泉質だけは語れない何か不思議な力があるのかもしれません。
6.温泉分析書の説明
鉱泉分析指針では、泉温が25度以上または溶存物質が1000mg以上で温泉になりますが、こちらは源泉温度が22度で冷たい鉱泉。溶存物質も150mgしかないため、鉱泉分析指針上の療養泉として泉質名がつく温泉になりません。
ただし、温泉法上の特定の成分を一定量含む場合には、泉質名はありませんが温泉として名乗れます。
メタケイ酸を50mg以上含むと温泉となりますが、こちらは54mg含むため、温泉としての基準はギリギリクリア。
この場合、「メタケイ酸の項目により、温泉法2条の温泉に該当」などと書かれます。