大丸温泉旅館
1.入浴時間・料金・混雑度
○日帰り入浴時間 11:30〜15:00(受付14:30まで)
○日帰り入浴料金 1000円
○露天風呂 あり
○お風呂の数 内湯(男1・女1・貸切1)
露天(混浴3・女2)
○客室数 20室
○公式HP http://www.omaru.co.jp/
○混雑度 お風呂で会った人数 5人
○個人的オススメ度 ★★★★★
2.場所・電話番号
〇電話番号 0287-76-3050
3.泉質
■源泉 桜の湯
■泉質 単純温泉
■温度 77.9度 pH7.3
■成分総計 900mg
■源泉 川の湯
■泉質 単純温泉
■温度 36.8度 pH7.5
■成分総計 363mg
■源泉 桜の湯・川の湯混合泉
■泉質 単純温泉
■温度 42.1度 pH7.5
■成分総計 493mg
5.外観・館内・お風呂
大丸温泉旅館は大丸温泉の一軒宿。日本秘湯もを守る会にも加盟している人気旅館。山奥にありながら、かなりの高級感を放つ建物。
この旅館は、食事も美味しいと評判で、建物もキレイ、風呂も素晴らしいで三拍子揃った優秀な旅館。
宿泊すれば1泊2万円前後のまさしく高級旅館なのですが、日帰り入浴には結構積極的です。
旅館の目の前までは、車で行くことはできません。
奥に見えるのが大丸温泉旅館。
手前に公営の広い駐車場があり、ここに駐車して歩きます。
歩くと言っても徒歩5分くらい。坂も大してきついわけではな、隣の北温泉のように、しんどい歩きではありません。
宿泊すれば、帰りはこのわずかな距離でも、宿のバンで送迎してくれます。
坂の入口には日帰り入浴客への看板があります。
日帰り入浴には積極的なのですが、受付時間は11時半〜14時半となかなか短いので、狙って来ないと入浴は難しいかもしれせん。
坂を降りる途中に、右下に目をやると、旧館と思われるこじんまりした建物が見えます。
旅館棟と繋がっているようでしたが、現在は使われていないようでした。
旅館の玄関に到着。客室数は20室足らずですが、大きな旅館に見えます。風情ある庭木や和風の建物で、テンションあがる玄関です。
ロビーもすばらしく綺麗。黒木を基調とした館内で、甲子温泉の大黒屋旅館にもちょっと雰囲気が似ています。
日帰り入浴料は1000円もしますが、後で紹介する露天風呂の凄さを考えれば安いくらい。
ではさっそく館内へ。格子戸を開けると坪庭のような一角があります。
廊下右手にあるのが飲泉所。左手が売店です。
こちらが飲泉所。飲めば胃腸病に効能があるそうです。
味自体は普通のお湯とさほど変わらず、クセはなく飲みやすい温泉です。
ちなみに宿泊すれば、この温泉を使用したしゃぶしゃぶや温泉粥も頂けます。
売店はこんな感じでかなりハイセンス。小洒落た雑貨屋さんといったところでしょうか。オシャレな益子焼のラインナップが豊富でした。
その他、大丸温泉オリジナルの温泉の素なども販売。
温泉の素は帰りに購入させていただきました。
お風呂へどんどん向かいます。廊下を直進。
このあたりは食事処で、ここで左に曲がります。
増改築を繰り返したであろう館内は、複雑に入り組んでいて、
ともすると本気で迷いそうになります。
途中には大丸温泉の古写真が展示されている歴史ゾーン。
置かれているのは、高貴な人が湯治に訪れる際に使用した駕籠ですが、竹細工でいかにも弱そう。ガタイのいいお客なら底抜けるでしょうね。
これは当時のお風呂の写真。川まるごと露天風呂として利用するスタイルは昔と変わらないようで、周囲の建物は変わりましたが、お風呂は今でもわかるくらいそのままです。
ようやくお風呂の入口に到着。
大丸温泉旅館はお風呂の数がすごいことになっています。基本的に内湯は男女別ですが、露天風呂は混浴。露天は川まるごと風呂になっていて、メインは下流の白樺の湯、中流にあじさいの湯、上流にあざみの湯があります。更に女性専用露天風呂として山百合の湯と石楠花の湯があるので、女性の方は混浴に行かずとも、露天風呂を楽しめます。
こちらが脱衣所。内湯はそのまんまでいいのですが、内湯から露天風呂へ行く際は、男性でも湯浴み着の着用が必須になっていて、すっぽんぽんで行くのは厳禁とされています。
なので、混浴ですが女性の方でも入りやすくなっていると思います、
男性用は湯浴み着と言っても、ただのパンツです。
パンツは脱衣所に置かれていますので、これを着用します。
さっそく内湯へ。浴槽は2つありますが、どちらも温度はまあまあ熱め。入れなくはないですが、ゆっくりとは浸かれない温度。
すぐ外は混浴露天風呂のため、すりガラスで内湯からの景色は全くありません。洗い場やアメニティは、秘湯にありがちな貧相なものではなく、さすがのクオリティでした。
パンツに着替えて露天風呂へ。
このパンツは海パンとは異なり、作務衣のような感じ。
お湯に入ると体にひっつき、絶妙な気持ち悪さを感じます。
ここは一番下流の白樺の湯。露天風呂は写真奥へと点々と続きます。
右手の建物が女性用の内湯と入口になっています。
この日は宿泊したので、早朝の誰もいない時間を狙い、誰もいないことを確認して撮影。
浴槽の下は大きな玉砂利になっていて、歩くと足つぼのようになります。
爪なんかを不用意にぶつけると怪我をするので、要注意。
歩きにくいですが、我慢して奥へ奥へと進んでみます。
温度は下流の方がなぜか熱め。白樺の湯は所々に激熱のホットスポットがあるほか、熱い源泉の投入口もありました。全体的には入りやすい温度です。
こちらが中段にあるあじさいの湯。白樺の湯よりいくぶんぬるめで、個人的にはここが一番お気に入り。浴槽の底は玉砂利ではなく砂で、歩きやすいです。
大丸温泉の川風呂は清掃がきちんと行き届いていて、砂利や砂がぬるぬるするなんてことはありません。
お湯は当然源泉かけ流しなので、清潔そのもの。自然のままの川を露天風呂として利用していますが、全く汚さはありません。
ちなみに、同じくプールのような大露天風呂で有名な、那須温泉郷の北温泉はかなりヌルヌルしていました。これだけの広さの風呂を清潔に維持するのは大変な苦労だと思います。
あじさいの湯から上流へ向かう階段の途中から一枚。
奥は先程の白樺の湯です。
階段の横はまさに天然の川。この入り組んだスペースには入浴しませんでしたが、入ろうと思えば、さながら野湯のような入浴体験が味わえると思います。
こちらが一番上流のあざみの湯。頑張って上まであがってきましたが、ここが一番フツウのお風呂で、天然の川感はあまりありませんでした。
泉質はすべて単純温泉。川の湯と桜の湯という源泉をブレンドしていて、川の湯は温度が低く、成分も薄めの源泉。桜の湯は高温で、成分も少し濃い目の源泉です。
透明で特徴はなさそうなお湯ですが、メタケイ酸という保湿に優れる成分がかなり多く、美肌の湯としての効能もあります。
味やお湯の匂いは、明らかに少し鉄のような風味があるのですが、分析書を見るとなぜか鉄分はゼロ。もしかしたら、源泉ではなく川の地質自体に鉄分が混ざっているのかもしれません。
那須湯本温泉のドギツイ硫黄泉もたまりませんが、たまには透明でくせのない、なおかつ源泉かけ流しの大丸温泉のお湯にも入りたくなります。
川露天風呂のお湯は、そのまま大量に玄関脇の川へと捨てられ、濁流となって流れていきます。なんとも贅沢な湯遣いですが、川ごと露天風呂なので、「捨てる」という表現は違うかもしれません。
ちなみに、その他にも貸し切りの内湯がありますが、日帰り入浴では利用不可です。
また、川露天風呂は冬季(12月~4月くらい)は閉鎖されるため、入浴できません。この日も冬じまいに備えて、せっせと単管パイプで工事を始めている真っ最中でした。
川を利用した混浴露天風呂はインパクト抜群。日帰り入浴客は多いですが、お風呂が広いため、混んでいるという感覚は感じません。お湯自体に特徴は大してありませんが、那須に来る際はぜひとも寄ってほしい温泉のひとつです。
6.温泉分析書の説明
溶存物質が1000mg未満の場合は単純温泉になります。
こちらは899mgのため、惜しくも単純温泉です。
単純温泉といっても何も入っていないわけではなく、成分的には硫酸カルシウム(石膏)が主成分です。
また、メタケイ酸が50mg以上で温泉と認められますが、こちらは319mgと栃木県でおそらくナンバーワンの含有量です。