大露天風呂の日記

旅館好きの温泉ソムリエのブログ 各温泉の日帰り入浴情報を全旅館紹介します

温湯温泉 佐藤旅館 見事に復活した老舗旅館で岩風呂に日帰り入浴

佐藤旅館

 

 

 

 

1.入浴時間・料金・混雑度


 
 
○日帰り入浴時間 10:00〜19:39

○日帰り入浴料金 500円
○露天風呂    なし
○お風呂の数   内湯(男1・女1)

○客室数     14室

○タオル     200円

○公式HP     https://nuruyu-sato.com/

○混雑度       お風呂で会った人数 9人

○個人的オススメ度 ★★★☆☆

 

2.場所・電話番号


 
〇住所  宮城県栗原市本沢温湯8-1

〇電話番号   0228-56-2251

 

 

 

3.泉質

 

 
■源泉   よしの湯

■泉質   ナトリウム-塩化物泉

■温度             64.4度    pH7.5

■成分総計  1248mg

 

 

4.温湯温泉について

 


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温湯(ぬるゆ)温泉は宮城県北部栗駒山南麓にある温泉。

国道398号線のヘアピンカーブが始まる手前の、一迫川沿いにある温泉です。同じ名前で青森にも温湯温泉がありますが、これは全く別。

福島に微温湯(ぬるゆ)温泉もありますが、読み方だけならとってもややこしい温泉。

温泉の歴史は平安時代末期の1150年に山崩れにより、突然温泉が湧き出したと言われています。かつては「寒湯」と書いて「ぬるゆ」と読んでいましたが、明治時代に栗駒山の火山活動の活発化により、湯温が上昇。「温湯」という字をあてるようになりました。 


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秋田へ通じる街道沿いにあり、仙台藩の寒湯番所が置かれていました。番所の立派な茅葺き門は今も現存しています。

宿は佐藤旅館一件のみ。


 

5.外観・館内・お風呂

 


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佐藤旅館の玄関。

佐藤旅館は2008年の岩手宮城内陸地震で甚大な被害を受け、長らく休業していましたが、地域おこし協力隊の協力もあり、2020年に日帰り入浴を再開。現在は宿泊も再開しています。

この地震栗駒五湯(温湯、湯倉、湯浜、駒の湯、新湯)と言われた秘湯をめちゃめちゃにした憎き地震

駒の湯は土石流により、7人の犠牲者を出し、湯倉温泉は犠牲者こそ出なかったものの、土砂ダムに水没し再開を断念。ランプの宿として魅力的な露天風呂を持っていましたが、廃業してしまいました。

ちなみに駒の湯は日帰り入浴施設として再開しています。


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玄関前は地震前とあまり変わりません。

佐藤旅館といえば、向かい合うように立つ木造の渋すぎる建物がシンボルでしたが、文化財級だった木造旅館は地震により致命的な損傷を受け、すべて解体。現在は残っていません。


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日帰り入浴確認の電話をしてみると、「お待ちしております〜」と好対応でした。日帰り入浴は10時から19時39分まで。電話でも「19時39分までです」としっかり言われました。39分という分刻みの時間がものすごく気になります。40分から一体何があるのよ?


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玄関です。


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ずらりと並んだ靴の数々。

館内からは賑やかな声が聞こえます。


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声の正体は団体様で、昼食休憩の方がたくさんいらしていました。

昼食にも力を入れているようで、ラーメンやカレーなどのオーソドックスなメニューから、いわなの漬け丼など宿オリジナルのメニューもあります。この辺りはコンビニ不毛地帯で昼飯に困るため、あわよくばラーメンでもいただこうかと思っていましたが。。

宿の人もてんやわんやで受付は不在。昼食はあきらめます。

すると、宿の子供さんと思われる小さな女の子が手慣れた感じで、「お風呂ですか?」受付してくれました。入浴料は500円。


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よく見たら券売機があったので、ここで買えばよかったのかも。

とすると、先程の女の子が、券売機でボタンを押し、券を出して帳場に持っていきました。私の分の処理を代わりにやってくれていたよう。小さいのにすごいなあとつくづく感心。


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ロビーにはなつかし美術館と称して、昭和レトロなグッズがたくさん展示してありました。


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とりあえず、勘に従い浴室を目指します。途中ちらっと宴会場が見えましたが、10人くらいの親族?と思われる団体様が賑やかに会食中。

 

一時は廃業の危機にあった佐藤旅館も、ここまで賑やかになって嬉しい限り。


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庭のようになっていたこのスペースがかつての木造旅館の跡地と思われます。今は跡形もありません。


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こちらがお風呂の入口。男湯ののれんが2つもあります。

地震前の佐藤旅館は混浴の岩風呂、女性専用の内湯、離れたところに御番所露天風呂がありましたが、露天風呂は復活していないようで、

かつての混浴岩風呂を男性用の内湯としています。

ちなみに、御番所露天風呂は、かつて寒湯番所が佐藤家所有だったこから名付けられたお風呂。茅葺きの門を模した特徴的な露天風呂だったようです。


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脱衣所。2つありますが、左右対称で同じ造りです。


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洗面台もありました。


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こちらが岩風呂。地震前と変わらぬお風呂です。

この以前と変わらぬ姿のお風呂を求めてか、地元の方と思われるたくさんのおじいちゃんが訪れていました。

昼飯食べてお酒飲んで、温泉入って仮眠なんかできれば、もう最高でしょう。

入れ墨を入れたおじいちゃんを発見し、少しびびります。


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泉質はナトリウム-塩化物泉で、いわゆる食塩泉。源泉は「よしの湯」という源泉を使用。これは隣の花山温泉温湯山荘で使用している源泉と同じです。佐藤旅館の源泉は先の内陸地震で枯渇してしまい、花山温泉の源泉を引湯しています。

塩素消毒はしていますが、かけ流しです。食塩泉ですがしょっぱさはあまり感じません。特にクセはない優しいお湯です。逆に言えば特徴はあまりありません。

 

番所露天風呂がどこにあったかは分かりませんが、露天風呂も早く復活して欲しいものです。

 

佐藤旅館も混みますが、隣の花山温泉温湯山荘もかなり混みます。

温湯山荘は露天風呂もあるキレイ系大型旅館。

佐藤旅館はキレイなホテルよりも、レトロ風呂が好きな方にオススメの温泉です。

 

 

6.温泉分析書の説明

 


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溶存物質が1000mg以上の場合は単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%以上のものを並べて名前をつけます。こちらは溶存物質が1248mg。陽イオンはナトリウム、陰イオンは塩化物イオンが20パーセントを超えるので、ナトリウム・塩化物泉となります。

旧泉質名では純食塩泉。