白根館
1.入浴時間・料金・混雑度
○日帰り入浴時間 10:30〜16:00
○日帰り入浴料金 1000円
○露天風呂 あり
○お風呂の数 内湯露天(男1・女1)
○公式HP http://nukuyu.com/shiranekan/
○混雑度 お風呂で会った人数 10人以上
○個人的オススメ度 ★★★★☆
2.場所・電話番号
〇電話番号 0556-48-2770
3.泉質
■源泉 奈良田温泉七不思議の湯
■泉質 含硫黄-ナトリウム-塩化物泉
(含食塩硫黄泉)
■温度 47.8度 pH9.1
■成分総計 3905mg
4.奈良田温泉について
奈良田(ならだ)温泉は日本一人口の少ない町として知られる山梨県の早川町にある温泉。南アルプスに挟まれたまさに深山幽谷の秘境に位置し、身延町から30分以上延々と川沿いの山道を走らないとたどり着きません。温泉の歴史は隣の西山温泉とともに古く、奈良時代の女帝孝謙天皇が湯治に訪れたと言われています。本当かどうかはわかりませんが、孝謙天皇がこの地も都の「奈良」だと言ったことから、奈良田温泉になったと言われています。そんな奈良田温泉ですが、一度完全にダム開発でダム底に沈んでしまいます。その後、1979年に新たに町がボーリングを行い、奈良田温泉が復活しました。
5.外観・館内・お風呂
白根館は奈良田温泉の一件宿で、日本秘湯を守る会にも加盟し、ジビエ料理が美味しい旅館として人気を博していましたが、2020年に人手不足を理由に惜しまれつつ宿泊業は終了。その後は日帰り入浴専門の施設として営業しています。
秘湯を守る会の提灯はまだ健在でした。
近くに奈良田の里温泉女帝の湯という施設がありますが、白根館とは全く別の町営の温泉施設です。
南アルプスの北岳の登山口なども近く、多くの登山客やキャンプ客と思われるお客さんで賑わいます。この日もオープン時間と同時に訪れましたが、先客が何人も受付を待っていました。
さすが人気温泉ですが、こんな山奥に午前中から来れる人が、これだけいるとはなめてました。
皆さん一体どこから来たのでしょうか。
入浴料は1000円とちょっと高め。タオルは別売りですが、旅館時代の名残で巾着袋、ロゴ付きの立派なもの。
お風呂は一階の外にあります。
右側が女性用の露天風呂、左側が男湯と女性用の内湯です。
男性は内湯と露天風呂がつながっていますが、
女性は少し離れたところにあります。
こちらが内湯。泉質は含硫黄-ナトリウム-塩化物泉。
お湯の色が透明、グリーン、白濁と日によって変わることがあるため、七不思議の湯と呼ばれているそうです。
この日は透明のお湯。
南アルプスに囲まれた場所にあるにもかかわらず、結構しょっぱい温泉です。こんなところに高濃度の食塩泉が湧いているのも不思議。
特徴はなんと言ってもとろとろのお湯。化粧水に入っているかのような感覚になります。
続いて露天風呂。あいにくの雨ですが、露天風呂からは早川の流れを見ることができます。内湯も露天風呂も山梨ではな珍しく熱めのお湯。硫黄の香りもしっかりありますが、火山が少ない山梨県では硫黄泉自体も珍しいもの。さらに硫黄泉は通常酸性のため、奈良田温泉のように強アルカリ性の硫黄泉はとても希少。いろいろな意味で七不思議のお湯です。名湯と言われるのも納得。
あわよくば、いつの日か宿泊も再開して欲しいものです。
ちなみに女性用の露天風呂はこちら。
かつて宿泊可能だった頃の日帰り入浴はこちらが男湯でした。
白根館と言えばこちらの露天風呂のほうが有名で、メインのお風呂になります。
6.温泉分析書の説明
溶存物質が1000mg以上の場合は単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%以上のものを並べて名前をつけます。こちらは溶存物質が3905mgでかなり濃いめの温泉。陽イオンはナトリウム、陰イオンは塩化物イオンが20%を超えるので、ナトリウム-塩化物泉となります。
また、特殊成分として総硫黄(硫化水素イオン、チオ硫酸イオン、遊離硫化水素の合計)を24mg含みます。総硫黄を2mg以上含むと硫黄泉となり、先頭に含硫黄とつきます。
以上より含硫黄-ナトリウム-塩化物泉となります。
成分の殆どを食塩と硫黄が占める面白い温泉。