大露天風呂の日記

旅館好きの温泉ソムリエのブログ 各温泉の日帰り入浴情報を全旅館紹介します

三斗小屋温泉 煙草屋旅館 片道徒歩2時間のホンモノ秘湯に日帰り入浴

煙草屋旅館

 

 

1.入浴時間・料金・混雑度


 
○日帰り入浴時間 10:00〜15:00

         (13:00〜14:00は女性専用時間)

○日帰り入浴料金 1000円 
○露天風呂    あり
○お風呂の数     混浴露天1 女性用内湯1

○客室数     21室

○公式HP     https://tabakoyaryokan.com/

○混雑度        お風呂で会った人数 5人

○個人的オススメ度 ★★★★★

 

2.場所・電話番号


 〇住所 栃木県那須塩原市板室910

〇電話番号   090-8589-2048

 

 

3.泉質

 

 
■源泉   三斗小屋4号噴気泉

■泉質   単純温泉

■温度             93.0度    pH3.4

■成分総計  139mg

 

4.三斗小屋温泉について


 
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三斗小屋(さんどごや)温泉は那須連山の裏側に位置する秘湯中の秘湯です。温泉に辿り着くには、しっかりとした登山装備で、片道約2時間もの距離を歩かなれければなりません。温泉の歴史は古く、平安時代の1142年に発見されたと伝えられています。江戸時代、会津中街道がこの付近に開かれると、三斗小屋宿も作られ、参勤交代や湯治客で賑わいました。現在ではこんな山奥に宿場町があったこと自体信じられないくらいです。その後、三斗小屋宿は会津藩と新政府軍の戊辰戦争の激戦地となり、戦火で焼失。

徐々に衰退し、1957年には最後の一戸が退き、今は往時の面影はほとんどありません。一方の三斗小屋温泉は明治初期まで5件の旅館がありましたが、廃業が相次ぎ、大正時代には現在まで残る煙草屋と大黒屋の2件のみとなりました。煙草屋旅館は明治末期の参入で、大黒屋が古参です。現在では那須連山の登山拠点として、登山客を中心に賑わう人気の温泉になっています。

 

5.外観・館内・お風呂

 


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三斗小屋温泉への道のりは片道2時間の登山です。

温泉までの距離とアクセスの悪さを考えると、那須界隈の温泉では最高難易度です。 

那須連山の登山の入口にあたる峠の茶屋に車を停めて、いざ登山開始。峠の茶屋駐車場はハイシーズンには満車になることも多いので要注意です。

最初の15分くらいはよく整備された石畳と階段の登山道を登ります。


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すると突然、あっという間に視界が開け、砂礫の登山道に変わります。

左は茶臼岳。景色の変化に富むため、そこまで疲れは感じません。


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このような岩場の登山道もあります。

茶臼岳を始めとする那須連山は人気なだけあり、登山道はよく整備されています。三斗小屋温泉まで道のりで危険な箇所はほぼなく、登山レベルで言えば初級くらいです。


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徐々に雄大な山並みが姿を現します。遠くに見えるのは朝日岳


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温泉だけを目指す場合、朝日岳も茶臼岳も登る必要はありません。

遠くに見える峰の茶屋という避難小屋を目指します。

その先は三斗小屋温泉までずっく下りになるため、あと少しです。


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峰の茶屋に到着。このあたりはいつも多くの登山客で賑わいます。

ここまでで登山口から一時間くらい。

ちょうど全行程の半分くらいです。

峰の茶屋は風が強いことで有名。強風時は長居しないほうがよいです。


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峰の茶屋からは急な下りを降りていきます。

ここが一番ガレていて、三斗小屋温泉への道のりの中では比較的危ないポイント。ですが、注意して下りれば全く問題ありません。


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晴れていれば、このあたりから三本槍岳などが望める絶景が広がります。


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ガレ場はあっという間に終わり、樹林帯へ入ります。

ここから三斗小屋温泉まではほぼなだらかな道のり。



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途中には延命水という湧き水があります。


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この水が予想以上に冷たくて美味しいお水です。


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ここまでくればあと少し。なだらかな樹林帯の道を進むと。


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ようやく三斗小屋温泉が見えてきました!


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やっと三斗小屋温泉に到着です!!


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こちらが煙草屋旅館の全容です。徒歩2時間の距離にあるにしては、意外と大きな旅館。携帯電話は完全なる圏外です。


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煙草屋の入り口。温泉の川が流れ、湯けむりが上がります。

温泉卵を作れるところもありました。


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日帰り入浴料は1000円と高めですが、立地を考えればお風呂に入らせていただけるだけでも幸せなことです。

煙草屋旅館は少し前までは日帰り入浴不可でした。もう一件の大黒屋も不可のため、三斗小屋温泉の湯に浸かるには宿泊しなければなりませんでした。コロナ禍をきっかけに日帰り入浴を始めたようですが、

「期間限定」と書いてあるので、今後も日帰り入浴が継続するかは不明です。入れる今のうちが狙い目!


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日帰り入浴で入れるお風呂は混浴露天風呂と女性専用の内湯の2箇所。13時〜14時は露天風呂も女性専用となるため、この時間帯は男性は日帰り入浴不可となります。


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日帰り入浴で入れるお風呂は、混浴露天風呂と女性専用の内湯の2箇所。

露天風呂は玄関に入って右奥の廊下を進みます。


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外履きに履き替えて一度外へ出ます。奥に見えるのは煙草屋の別館。現在も使用しているのかどうかは謎。


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ちょっとした坂を登った先が露天風呂です。


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こちらが露天風呂!残念ながらこの日の景色はあいにくでしたが、それでも抜群の開放感。2時間も歩いてお風呂への期待もかなり高まっていましたが、それを裏切らない見事な露天風呂です。


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晴れていればこんな感じで、遠くに三本槍岳が見えていた

はずです。。


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脱衣所は簡素で、男女別に分かれてもいないため、女性の方にはハードルが高いんじゃないかなと思います。


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お湯は適温でずっと入れます。灰色に濁っているいかにも濃そうな温泉ですが、意外にも泉質は単純温泉です。鉄分を比較的多く含むため、味や臭いに鉄分の金気を感じます。浴感も少しキシキシします。

弱酸性のお湯で、ほんの少しだけ酸っぱいです。


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煙草屋の源泉は旅館の奥から隠居倉、朝日岳方面へ向かう登山道沿いにあります。

もうもうと蒸気が立ち込め、源泉温度は93度の超高温です。

ここから旅館まで引湯される間にお湯は適温になるのだと思います。



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ちなみに、もう一件の大黒屋旅館は煙草屋のちょっと下側にあります。


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大黒屋は日帰り入浴不可。

煙草屋よりも老舗の旅館で、建物は明治時代のもの。

煙草屋が大きな山小屋といった雰囲気であるのに対し、大黒屋は昔からの湯治場のような雰囲気が残ります。

どちらが好きかは完全に好みです。

絶景露天風呂の煙草屋をとるか、雰囲気の大黒屋をとるか。

通好みなのは大黒屋。煙草屋には目もくれず大黒屋しか訪れない常連客もいるようです。


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こちらが大黒屋のメイン風呂。露天風呂はなく、派手さはありませんが、この渋い雰囲気がたまりません。お湯はかなり熱めです。


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大黒屋にはもう一つ、これまた渋い岩風呂があります。

この岩風呂と木のお風呂が一時間おきに男女交代になります。

ちなみに大黒屋は煙草屋とは源泉が別で、鉄分を全く含みません。

 

6.温泉分析書の説明

 


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溶存物質が1000mg未満の場合は単純温泉になります。

こちらは139mgのため、単純温泉です。

 

単純温泉と言っても何も入っていないわけではなく、主成分は、カルシウム-硫酸塩で石膏です。

 

その他、泉質名になるほどではありませんが、鉄とアルミニウムを2mg含みます。