大露天風呂の日記

旅館好きの温泉ソムリエのブログ 旅館の日帰り入浴情報を徹底的に紹介します!

高湯温泉 旅館玉子湯 茅葺き湯小屋が立ち並ぶ硫黄泉に日帰り入浴

旅館玉子湯

 

1.入浴時間・料金・混雑度


 
○日帰り入浴時間 11:00〜14:00(受付13:00まで)
○日帰り入浴料金 1000円
○露天風呂    あり
○お風呂の数   玉子湯(内湯男1・女1)

                                    天渓の湯(露天男1・女1) 

         瀬音の湯(露天女1)

         滝の湯(大浴場男1・女1)

○客室数     49室

○タオル     300円(ロゴあり)

○公式HP     https://tamagoyu.jp/

○混雑度        お風呂で会った人数 7人

○個人的オススメ度 ★★★★★

 

2.場所・電話番号
 

 〇住所 福島県福島市町庭坂高湯7

〇電話番号   024-591-1171

 

 

3.泉質

 

■源泉    仙気の湯、滝の湯混合泉

■泉質    酸性-含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩泉

       (酸性含明礬石膏硫化水素泉)

■温度                48.6度

■成分総計  1227mg      pH2.67

 

 

4.高湯温泉の歴史

 



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高湯温泉は江戸時代の1607年の開湯の温泉。観光道路として名高い磐梯吾妻スカイラインの入り口に位置し、標高750mの高所に湧く温泉です。

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古くは信夫(しのぶ)高湯と呼ばれ、山形県蔵王温泉、白布温泉とともに奥州三高湯と呼ばれていました。幕末には戊辰戦争で官軍の温泉利用を恐れた米沢藩に火をかけられて焼失。明治時代には鬼県令と呼ばれた三島通庸により、山深い現在の地から、強引に麓の庭坂に移転させられた苦い歴史も持ちます。

庭坂への移転は13年にわたりましたが、その後、現在の位置に再び戻り、多くの湯治客を魅了してきました。写真は再移転後頃のものと思われ、高湯温泉の二大老舗旅館である吾妻屋と安達屋が写っています。手前にある大きな旅館は信夫屋という旅館で、現在は残っていません。かつての信夫屋旅館付近には現在は共同浴場のあったか湯になっています。

 

全国有数の硫黄の含有量とその薬効の高さから、東北の草津と呼ばれるほどの名湯です。

高湯温泉は開湯時からし、歓楽街などは全く無く、お土産物店すらありませんが、お湯の良さから、連日多くのお客さんで賑わいます。

 

 

5.外観・館内・お風呂

 


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旅館玉子湯は高湯温泉の入り口にあります。高湯温泉のシンボルとも言える旅館で、茅葺きの屋根の風情ある露天風呂を持ち、日帰り入浴客にも大人気。トタン屋根の外観はあんまり趣ありません。


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ロビー。日帰り入浴の受付は11時〜13時まででわずか2時間。それだけ人気なのでしょう。11時ちょっと前に受付けをしたのですが、ぴったりにならないとエレベーターに乗れません。

一番風呂を狙うためには気合を入れて来る必要があります。


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入浴料は券売機制。ここでチケットを買います。靴は左側にある下駄箱に入れて、スリッパに履き替えます。


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タオルは300円でちょっと高いですが、しっかりとロゴ入り。


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お風呂は男性は全部で3箇所、女性は4箇所入れます。

内湯の仙気の湯のみが宿泊者専用。

女性は女性専用の露天風呂である瀬音の湯があり4箇所になります。


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ロビーは4階。まずはメインである1階のお風呂向かいます。

大浴場の滝の湯以外はすべて1階にお風呂があります。


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こちらが1階。客室が並ぶ廊下を進みます。


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ここから一度外に出たところにお風呂があります。


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ここでサンダルに履き替えます。


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外に出ると真正面に現れるのが、苔むした茅葺屋根の超絶趣のある湯小屋。玉子湯の不動の人気を支えるお風呂です。

この中は宿の名前になっている玉子湯という内湯です。


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湯小屋のすぐ横には源泉があります。高湯温泉は玉子湯に限らず、お風呂のすぐそばに源泉を持っている宿が多く、新鮮なお湯を楽しめます。玉子湯と書かれた石もとてもいい感じ。記念撮影するならここですね。


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源泉は紙垂が張られ、とても神聖な雰囲気。

奥に見える源泉は青白く輝き、強烈な硫黄臭いを放ちます。


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ということでまずは玉子湯から入ります。

男女別の内湯です。


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入るとすぐにお風呂です。昔ながらの脱衣所とお風呂がつながるスタイル。すばらしい木造の湯小屋や湯船は文化財級の価値があると思います。


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脱衣場。お風呂の間に少し段差があるので注意です。


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泉質は酸性-含硫黄-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩泉。

当然ながらシャワーやカランはありません。

意外なことに温度は熱すぎず適温でした。


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高湯温泉は全国3位の硫黄含有量と言われますが、ここ玉子湯の源泉はそこまで硫黄が多いというわけではありません。

とは言っても硫黄の香りはさすが高湯だけあって、しっかりとあります。味は玉子湯のとおり、硫黄の玉子味とわずかに酸っぱさがあります。それにしても「玉子湯」というネーミングにはセンスしか感じません。

 

一番風呂でお湯が新鮮だっためか、濁りはなく硫黄泉というよりかは酸性泉のような青白い透明なお湯でした。


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これは飲めません。


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高湯温泉は全国温泉地ランキング一位だそう。

この写真はさきほどの玉子湯です。

 


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続いて露天風呂の天渓の湯に向かいます。玉子湯の湯小屋を正面にして左側へ進みます。

すると写真のように茅葺きの湯小屋が並びます。


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手前が女性専用露天風呂の瀬音の湯、奥が男女別露天風呂の天渓の湯です。


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こんな茅葺きの湯小屋が立ち並ぶ旅館なんてそうありません。

秋田の乳頭温泉郷の鶴の湯や黒湯にも負けてないと思います。


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こちらが天渓の湯。男女別です。


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脱衣所。


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こちらが露天風呂。茅葺きと乳白色のお湯の組み合わせはまさに東北といった趣。最高すぎる組み合わせです。

高湯温泉は全ての旅館で文句なしの源泉かけ流しです。


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お湯は少し熱め。お風呂的にはさきほどの玉子湯よりこちらの天渓の湯のほうが人気があります。

ちなみに女性側のほうが少し大きめの露天風呂になっているようです。


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天渓の湯から更に下ると足湯があります。


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高湯温泉で足湯が楽しめるのはここだけでないでしょうか。

源泉掛け流しの足湯です。


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続いて4階の大浴場へと向かいます。

脱衣所。


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こちらが大浴場。玉子湯や天渓の湯と異なり、特徴はあまりないシンプルな内湯です。

日帰り入浴客のほとんどはこのお風呂には目もくれないようで、空いていました。


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カランやボディソープ、シャンプーなどはここにしかありませんので、体を洗いたいならここです。


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お湯は少し熱め。玉子湯と同様に濁りはあまりなく、青白い透明なお湯でした。


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滝の湯までの廊下には資料の展示コーナーがあります。


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滝の湯までの廊下には資料の展示コーナーがあります。

かつての高湯温泉を写した貴重な写真。


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昔の玉子湯の写真です。


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こちらは宿帳。

 

 

まだまだあります 高湯温泉

 

【高湯温泉】日帰り入浴完全ガイド(温泉ソムリエのオススメ4選)硫黄含有量ランキング - 大露天風呂の日記

 

 

 

6.温泉分析書の説明

 


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溶存物質が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。陽イオンはカルシウム、アルミニウム、陰イオンは硫酸イオンが20%を超えるので、カルシウム・アルミニウム-硫酸塩泉となります。

 

また特殊成分として総硫黄(チオ硫酸イオン、硫化水素イオン、遊離硫化水素の合計)を2mg以上含むと硫黄泉となりますが、こちらは11mg含むため、含硫黄とつきます。100mg近い硫黄含有量が多い高湯温泉の中ではかなり少ない源泉。

 

その他、水素イオンを1mg以上含むと酸性泉となりますが、こちらは2mg含むため、酸性泉となります。酸性泉としてはそこまで強いものではありません。

 

泉質名にはなりませんが、保湿力が高く天然の美肌成分と言われるメタケイ酸も100mg以上で温泉の基準をクリアするところ、こちらは184mgと比較的多く含みます。