小滝鉱泉
1.入浴時間・料金・混雑度
○日帰り入浴時間 10:00〜17:00
○日帰り入浴料金 500円
○露天風呂 なし
○お風呂の数 内湯(男1・女1)
○タオル なし
○公式HP https://kotaki007.wixsite.com/kousenn
○混雑度 ほとんど誰にも会わない
○個人的オススメ度 ★★★★★
2.場所・電話番号
〇住所 栃木県矢板市平野1618
〇電話番号 0287-43-0941
3.泉質
■源泉 小滝鉱泉
■泉質 泉質名なし(2条鉱泉)
■温度 17.8度
■成分総計 532mg pH3.7
4.小滝鉱泉について
矢板市といえば宇都宮市からも近く、東北自動車道や東北新幹線も通る交通の要衝。そんなところに秘湯があるのかと思いますが、このあたりには小滝鉱泉の他に、赤滝鉱泉、寺山鉱泉と3つの鉱泉群があり、いずれも一軒宿の閑静な秘湯です。温泉の歴史は比較的浅く、明治に入ってからの開湯。1892年に湯治宿として開業しました。
栃木県といえば温泉の宝庫。鬼怒川温泉や塩原温泉郷などの大温泉地もあれば、奥鬼怒温泉郷などで秘湯と呼ばれる温泉も数多くあります。栃木の秘湯といえば、徒歩でしか行けない加仁湯や八丁湯などが有名ですが、車でこそ行けるものの、それを上回る手つかずの秘湯が矢板市にあります。県道からの分岐点はこんな感じ。
少し進むと、さらに分岐があります。奥へ直進すると赤滝鉱泉へと至り、左へ曲がると小滝温泉へと続きます。
看板があるので迷うことはないと思います。このあたりから既に秘湯感が漂います。
道幅は狭いですが、序盤はこんな感じの松林ドライブ。秘湯と言っても矢板市ですし、こんな感じの道ですぐに宿につくだろうと思っていましたが。。
急なヘアピカーブが始まります。
道幅は車1台がやっとで、すれ違いは困難。
そのうち舗装もなくなり、フラットダートになります。
正直なめてました。。矢板市にこんな秘湯があろうとは。この感じは東北の名だたる秘湯を攻める際の道路と同じです。たとえるなら、山形の大平温泉への道が近いと思います。
ところどころに崖が洗掘されている箇所もありました。
路面はだんだんと凸凹が目立ち、車がガタガタと揺れます。
車の腹も何度かするほどの道です。
四駆ではない普通の車で来たことを後悔。ちゃんと帰れるのか?坂道登れなかったら宿の方を呼んで手伝ってもらおうかなど、途中で不安がよぎります。
5.外観・館内・お風呂
そんなこんなで、ヘアピカーブよ悪路を15分ほど下りきると、突然開けて、小綺麗な民家のような建物が現れます。これが一軒宿の小滝鉱泉。道の酷さから、さぞかしひなびた旅館だと思っていましたが、きれいすぎる建物に少し拍子抜け。非力そうな軽自動車もとまっていたので、少し安心しました。携帯電話はドコモでしたが完全なる圏外。
宿の前には小さな渓流がありますが、この日はがっつり濁っていました。
宿の中はすこぶる綺麗。それもそのはずで、明治時代の建物は1998年頃に建て替えれ、古さはまったくありません。
ひなびた建物が好みの方は赤滝鉱泉がオススメ。こちらは当時の建物で現在も営業しています。
玄関には建て替え前の建物の写真が載った新聞記事もありました。
入浴料は500円。タオルは無料で貸してくれます。
ご夫婦で切り盛りされているようで、ご主人は料理中でした。
広間には予約席と書かれていましたが、こちらの宿は手打ちうどんも絶品と評判です。
お風呂は一階の廊下を進んですぐ。
浴室入口。お風呂は貸し切りではなく男女別です。
スッキリとした脱衣所。
洗面台。これだけの秘湯でありながら、建物が新しいため、水回りもきれいです。
こちが浴室。内湯のみで露天風呂はありません。
矢板市の他の鉱泉は一人か二人サイズの小さなお風呂ですが、こちらはしっかりとしたお風呂です。鉱泉なので沸かしてあります。冷めないように蓋がしてありますので、これを外して入ります。
なかなかの重労働ですが、お風呂上がりも忘れずに蓋をかけましょう。
意外なことにシャワーも完備。
蓋を全部外すと黄褐色のお湯がお目見えします。
鉄分も少し含むため、このような色になります。弱酸性ですが、酸っぱさはあまり感じませんでした。鉄の味はあまりなく、苦味があります。循環とのことでしたが、全然わからないくらいのお湯の鮮度。
同じく矢板鉱泉トリオの寺山鉱泉は鉄分を豊富に含むため、もう少し強い濁りがあります。その代わり、小滝鉱泉は保湿効果が高く美肌成分と言われるメタケイ酸が多く含まれています。
浴槽の底には鉄分の粉のような湯の花があり、滑りやすいので要注意です。私は見事に滑って転び、浴槽をいい感じにかき混ぜたので、更に黄褐色にお湯が濁りました。
長湯しようと思ったのですが、帰り道が不安になり、早めにあがりました。
帰りに女将さんが、「熱い中わざわざ来てくれてありがとう」と、
冷たい麦茶を出していただきました。なんと宿の湧き水で淹れている麦茶だそうです。こんなサービスいただけるなんて嬉しい限り。
今度は運転上手い人連れて、泊まりに来ます。
帰り道が不安である旨相談してみると、「四駆じゃなくても普通に行けるので大丈夫」とのこと。
車が登れないほどの急坂はないので、帰り道は案外難なく帰れました。
6.温泉分析書の説明
鉱泉分析指針では、泉温が25度以上または溶存物質が1000mg以上で温泉になりますが、こちらは源泉温度が17度で冷たい鉱泉。溶存物質も532mgで1000mgに届かないため、鉱泉分析指針上の療養泉として泉質名がつく温泉になりません。
ただし、温泉法上の特定の成分を一定量含む場合には、泉質名はありませんが温泉として名乗れます。
温泉法上、メタケイ酸が50mg以上で温泉に該当しますが、こちらはメタケイ酸を124mg含むため、泉質名のない温泉となります。
これは、療養泉を定義している鉱泉分析指針と、温泉法の定義が異なるためで、後者の方が広い定義になっています。このように温泉法上の温泉には該当するものの、鉱泉分析指針の療養泉には該当しないため、泉質名がつかない温泉は2条鉱泉と呼ばれます。