大露天風呂の日記

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二岐温泉 大丸あすなろ荘 足元自噴の極上石膏泉に日帰り入浴

大丸あすなろ荘

日帰り入浴時間 11:00〜14:30
日帰り入浴料金 900円
露天風呂    なし
お風呂の数   内湯露天(男1・女1)

        自噴内湯(混浴1)

        露天風呂(男1・女1)

客室数     24室

 

源泉  二岐温泉10号源泉

泉質  カルシウム-硫酸塩泉(石膏泉)

温度          53.6度

成分総計 1449mg      pH8.8


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二岐温泉(ふたまた)は郡山と会津の中間の山間に位置する温泉。1200年の歴史があると言われています。周囲に大きな町はなく、まさに秘湯という言葉がぴったりの温泉。旅館は6件ほどありましたが、アクセスの悪さが仇となったのか今では旅館は3件のみです。


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郡山からアクセスする上での最大の難所はこの鳳坂峠(ほうさか)。

国道ではありますが、急勾配や九十九折の道が続き二岐温泉ファンをはばみます。冬季は四駆が無難です。ちなみに今年12月に鳳坂トンネルが開通しぐっとアクセスが良くなる予定。


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大丸(だいまる)あすなろ荘はひなびた二岐温泉の中で、唯一高級旅館として君臨する人気旅館。入り口には立派な茅葺きの門があります。

夏場はここに暖簾がさがり、一層お高い雰囲気を醸し出します。

 

こちらの旅館は日本秘湯を守る会の会長さんが営むお宿としても有名。ちなみに秘湯という言葉はこの二岐温泉が発祥なんだとか。


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入口。小さそうな建物ですが、宿の建物は二岐川の斜面に立っていて二階が玄関。裏から見るとまぁまぁ大きな旅館に見えます。 

入浴料は900円。お風呂は1階です。


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浴室は全部で三箇所あり、露天風呂付きの内湯以外は一度屋外に出ます。


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大丸あすなろ荘の名物はなんといっても二岐川すれすれの渓流露天風呂と自噴泉の甌穴岩風呂。とりあえず内湯はスルーして外に出ます。


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階段を降ります。


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すぐ右が自噴泉甌穴岩風呂の湯小屋。

自噴風呂は一つしかないため、日帰り入浴時間帯は混浴となっています。


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混浴と言っても脱衣所は男女別ではないので、女性の方にはかなりハードルが高いと思います。


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宿泊すれば混浴時間はなく、完全に時間での男女入れ替え制になります。


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脱衣所は数年前にきれいに改修されたようで、まだ新しい木の匂いがしました。ドライヤーはなく、浴室内にカランもありません。


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脱衣所の中にあった暖簾。これは夏場に茅葺きの門にさがっていたやつでは。。冬季はここにあるようです。

 

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こちらが宿の名物である自噴泉甌穴岩風呂。窓は少なく幻想的な雰囲気さえ感じます。

湯船は天然の川床を利用していて、岩の隙間からお湯が染み出しているという他に類を見ない特異なお風呂です。つまり湧きたてほやほやのお湯がかけ流しにされているということ。


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自噴のため温度のコントロールができません。夏場は激熱で入れないという口コミもありますが、この日は冬だったせいか少し熱めくらいの比較的適温。


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甌穴(おうけつ)とはこの穴のことです。川が渦を巻いて流れているところで小石が何度も回転し、長い年月をかけて岩にすり鉢状の穴を開けます。天然の造形とは思えない見事な円形。


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お湯は甌穴の下から湧いているのかと思いきや、お湯が出ているのはこうした岩の割れ目のようです。ところどころに激熱スポットがあります。


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かつて利用されていたような湯口の跡。

泉質はカルシウム-硫酸塩泉でいわゆる石膏泉です。二岐温泉は石膏以外の成分をほとんど含まない純粋な石膏泉。白い析出物は石膏です。


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続いて露天風呂。自噴風呂の先を進みます。


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露天風呂の湯小屋。露天風呂は男女別。


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脱衣カゴのみの簡素な湯小屋。暖房もないので寒い。


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渓流露天風呂。こちらも大丸あすなろ荘の名物のひとつ。

二岐温泉は渓流露天パラダイス。二岐川沿いに源泉が点在しているため、どの旅館も自慢の渓流露天風呂を持っています。


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美しい雪見露天風呂。周りは民家一つない本物の秘湯。


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露天風呂から見た湯小屋。この日は雪が深々と降っていたため少しぬるめ。一度入ったら出られなくなる温度。


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渓流露天風呂は大小2つの湯船があり、奥の小さい方の湯船がよく雑誌などで見るアングルのお風呂。冬季はかなりぬるくなるため、入浴禁止になっていました。残念。。


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石膏泉は特有の焦げくさい臭いがありますが、そこまで成分の濃い温泉ではないので、臭いもなく、味もありません。


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続いて内湯。


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暖簾をくぐると、会長の宿らしく秘湯を守る会のを提灯がお出迎え。

脱衣所はドライヤーなどのアメニティ類は揃っています。


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内湯。こちらもリニューアルしたようで、まだ木の香りのするキレイな浴室。檜の香りが充満する気持ちのよい空間。

湯船はなんか浅めです。

カランは露天風呂は自噴風呂にはなくここにしかありません。

 


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内湯にも露天風呂もあり。露天も少し浅め。


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【温泉分析書のみかた】

成分総計が1000mgを超えると、単純温泉にはならず、陽イオン-陰イオンの順に20%超のものを並べて名前をつけます。陽イオンはナトリカルシウムが83%、陰イオンは硫酸イオンが97%を占めるため、ナトリウム-硫酸塩泉となります。旧泉質名は石膏泉。

 

硫酸ナトリウム(石膏)以外の成分をほとんど含まないほぼ完璧な石膏泉です。ここまで純粋な石膏泉は珍しい。

 

二岐温泉は山間にありアクセスは悪いですが、自噴風呂というなかなか他では味わえない貴重な温泉に入れます。人気旅館なだけあり日帰り入浴時間も短いので注意。