大露天風呂の日記

旅館好きの温泉ソムリエのブログ 各温泉の日帰り入浴情報を全旅館紹介します

那須湯本温泉 旅館山快 おもしろすぎるお風呂のデパートに日帰り入浴

旅館山快

 

1.入浴時間・料金・混雑度

○日帰り入浴時間 土日祝日10:30〜14:00 平日 10:30~20:00

○日帰り入浴料金 600円

○露天風呂    なし

○お風呂の数   1箇所

○タオル     100円(フェイスタオル・バスタオル貸出) 

○客室数     11室

○公式HP     https://nigoriyu-sankai.com/

○混雑度     ほとんど誰にも会わない

○個人的オススメ度 ★★★★★

 

2.場所・電話番号

〇住所  栃木県那須郡那須町湯本22

〇電話番号  0287-76-3070

 

 

3.泉質

■源泉    鹿の湯 行人の湯混合泉

■泉質    単純酸性硫黄泉(硫化水素型) 

■温度                57.2度

■成分総計  899mg      pH2.59

 

4.那須町湯本温泉の歴史


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那須湯本温泉は茶臼岳の麓に湧く名湯。

今から約1400年前の奈良時代に発見された古い温泉です。

長い歴史の中で源頼朝日蓮松尾芭蕉など数々の著名人もこの温泉につかったと言われています。

江戸時代には湯治で栄えましたが、度重なる大火や山崩れなどにより、川沿いから現在の高台の位置に移転しました。

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谷沿いにびっしりと旅館が並ぶ戦前の那須湯本温泉の様子。写真右奥にある大きな旅館は現在の松川屋那須高原ホテル。写真左側に雲海閣と思われる建物(斜面沿いの木造階段)部分も確認できます。

 

 

風情ある木造旅館が並ぶ温泉街でしたが、第二次世界大戦中に、米軍による空襲を受けて焼失。昔からの木造旅館は、温泉街から少し離れていて焼失を免れた雲海閣を残すのみとなりました。

現在は小規模な旅館が通り沿いに軒を連ね、共同浴場の鹿の湯を中心に温泉街を形成しています。

 

この鹿の湯は那須湯本の代名詞と言える存在で、風情ある湯小屋に温度の異なる多数の湯船があることで有名ですが、週末ともなると大混雑します。

 

大混雑のわざわざ鹿の湯に入らなくても、実は那須湯本温泉は7件の旅館全てで日帰り入浴が可能です。なかなか全旅館で日帰り入浴可能という温泉街はありません。

 

5.外観・館内・お風呂


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旅館山快は那須湯本の入口付近にある旅館。

鉄筋3階建ての旅館です。那須湯本温泉松川屋を除き、どこも似たようなサイズ感の旅館が並びます。

旅館山快へ行くには大通りから急なカーブを曲がり、坂道を登ります。冬は四駆じゃなくてもギリギリ登れるくらいです。

駐車場は宿から少し離れた坂を登りきったところにありますが、宿の前にも2台くらいは駐車可能です。


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小ぢんまりしたロビー。立派な振り子時計が時を刻みます。

入浴料は600円。

お風呂は写真右側ののれん。ロビーから10秒くらいの至近距離にあります。


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タオルは100円でバスタオルとフェイスタオルの2枚をレンタルできます。100円でバスタオル付はかなりお得です。


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お風呂は千慈の湯と若鹿の湯の2つ。

日帰り入浴時間帯は千慈の湯が男性、若鹿の湯が女性となります。どちらかもほとんど同じようなお風呂ですが、お風呂の種類が微妙に違います。

 

お風呂は22時で男女入れ替えになります。


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脱衣所に入ると、なんともカラフルな脱衣かご。

脱これだけ派手な色なら人のやつと間違えたりはしなさそうです。

 


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浴室です。内湯のみで露天風呂はありません。

が、ここは内湯がすごいのです。

 

この狭い空間になんと4つも湯船が詰め込まれています。

よくこれだけの湯船を作ったもんです。

そして、ひとつひとつが工夫されてて面白い。


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まずはかぶり湯から。

これは浴槽ではなく、ひしゃくでお湯をすくって体にかける入浴法です。共同浴場の鹿の湯ではおなじみの入浴法で、那須湯本の伝統スタイル。

 

かぶり湯は頭をタオルで覆い、後頭部から首筋にかけてお湯をかけます。

 

ただ、数回かければよいというわけではなく、なんと50回~100回もやるのです。お湯がまあまあ熱くて大変なのでこれは諦めました。

 


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次は打湯と名付けられた湯船。

 

うちゆってなんなのかよくわかりませんでしたが、要は打たせ湯です。浴槽の真ん中には丸い石が置いてあり、ここに座ってお湯に打たれます。ところが、秋や冬期は湯量調整のため、お湯が出ていないときもあるそう。

 

この日は1月の厳冬期。打たせ湯からお湯が出ない日だったようで、残念ながら体験できませんでした。


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肩こりなどに効能があるそう。


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3番目は寝湯です。

これはそのままで、寝るにはちょうどよい浅い湯船。寝湯にしては少しお湯が熱めですがいいお湯です。


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最後は一番奥にある特に名前のない湯船。ここが一番大きい湯船です。といっても5人も入ればいっぱいくらい。


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シャワーとボディソープ、シャンプー完備です。

 

 

こちらのお湯も鹿の湯 行人の湯の混合泉です。同じ源泉を使っている他の旅館よりも成分総計は若干少ない感じがしますが、十分濃いお湯でした。入ったあとは明らかに肌がさらさらになります。

誰にも会わずゆっくり入れました。

 

インパクトのある内湯はとてもオススメです。

もつひとつの若鹿の湯も同じように、打湯などバリエーション豊かな湯船があり、寝湯の代わりに腰湯もあるそうです。

 

まだまだあります 那須湯本温泉

 

【那須湯本温泉を入りつくせ!】日帰り入浴OKな旅館8件現地レポまとめ(単純酸性硫黄泉) - 大露天風呂の日記

 

 

6.温泉分析書の説明


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溶存物質が1000mg以下の場合は単純温泉となります。

こちらは843mgでかなり惜しい!

単純温泉と言っても何も入っていないわけではありません。

もし1000mgを超えていればカルシウム-硫酸泉(石膏泉)となる温泉です。なので石膏が主成分の単純温泉と言えます。

 

また、特殊成分として水素イオンが1mg以上で酸性泉となりますが、

こちらは4mg含むため酸性泉です。

 

その他に総硫黄(硫化水素イオン、チオ硫酸イオン、遊離硫化水素の合計)が2mg以上で硫黄泉となりますが、こちらは56mgもあります。硫黄分は全て遊離硫化水素(ガス成分)として含んでいるのも特徴的。

 

合わせて単純酸性硫黄温泉となります。