大露天風呂の日記

旅館好きの温泉ソムリエのブログ 各温泉の日帰り入浴情報を全旅館紹介します

那須湯本温泉 喜久屋旅館 スパイスのような硫黄香る白濁の酸性泉に日帰り入浴

喜久屋旅館

 

1.入浴時間・料金・混雑度

○日帰り入浴時間 10:30〜19:00(受付18時30分まで)

○日帰り入浴料金 500円

○露天風呂    なし

○お風呂の数   1箇所

○タオル     無料(貸出)

○客室数     5室

○公式HP     なし

○混雑度     ほとんど誰にも会わない

○個人的オススメ度  ★★★☆☆

 

2.場所・電話番号

〇住所  栃木県那須郡那須町湯本30

〇電話番号     0287-69-0303

 

3.泉質

■源泉    鹿の湯 行人の湯混合泉

■泉質    単純酸性硫黄泉(硫化水素型)

■温度                53.7度

■成分総計  1,064mg     pH 2.36

 

4.那須湯本温泉の歴史


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那須湯本温泉は茶臼岳の麓に湧く名湯。

今から約1400年前の奈良時代に発見された古い温泉です。

長い歴史の中で源頼朝日蓮松尾芭蕉など数々の著名人もこの温泉につかったと言われています。

江戸時代には湯治で栄えましたが、度重なる大火や山崩れなどにより、川沿いから現在の高台の位置に移転しました。

 


谷沿いにびっしりと旅館が並ぶ戦前の那須湯本温泉の様子。写真右奥にある大きな旅館は現在の松川屋那須高原ホテル。写真左側に雲海閣と思われる建物(斜面沿いの木造階段)部分も確認できます。

 

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風情ある木造旅館が並ぶ温泉街でしたが、第二次世界大戦中に、米軍による空襲を受けて焼失。昔からの木造旅館は、温泉街から少し離れていて焼失を免れた雲海閣を残すのみとなりました。

現在は小規模な旅館が通り沿いに軒を連ね、共同浴場の鹿の湯を中心に温泉街を形成しています。

 

この鹿の湯は那須湯本の代名詞と言える存在で、風情ある湯小屋に温度の異なる多数の湯船があることで有名ですが、週末ともなると大混雑します。

 

大混雑のわざわざ鹿の湯に入らなくても、実は那須湯本温泉は7件の旅館全てで日帰り入浴が可能です。なかなか全旅館で日帰り入浴可能という温泉街はありません。

 

5.外観・館内・お風呂

 


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喜久屋旅館は客室数5室の小さな旅館。

ちょっと大きな民家といった佇まいです。


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ロビー。

入浴料500円はです。

タオルを買おうと思ったのですが、無料で貸してくれるとのこと。

お風呂までタオル持ってきてくれるそう。

わざわざ持ってきていただなくなんて恐縮です。


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喜久屋旅館は内部構造が若干複雑。

お風呂まで一度階段を上がって、また階段を下って行かなければなりません。ロビーからすぐの階段で一度2階へ。


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すると、客室が並ぶ廊下に出ます。

ちょうど夕食時でしたが、こちらの旅館は部屋食で、一人旅の方も結構おられるようでした。


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別な階段でまた一階へ戻ります。

ちょうどここで、宿の方がタオルを持ってまっててくれました。

すれ違っていないのに、宿の方はどこから来たのか。。

 

この複雑な構造は、どうやら真ん中に帳場が挟まっているからのようです。なので宿の方は瞬時にお風呂の前へ移動できます。


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階段を降りるとすぐにお風呂です。このあたりは昭和な温泉旅館の

雰囲気があってとても好きです。

 

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脱衣所。木製のちょっと古びたつくりです。

 

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お風呂は内湯のみで、露天風呂はありません。

浴室内には濃厚な硫黄臭が立ち込め、温泉にきたぞという気分にさせてくれます。

ちょっとスパイスのような刺激臭がある硫黄の香りです。

 

石造りの浴槽で6人くらいは入れそうな大きさ。

お湯は少し熱めです。

右側にあるのは寝湯で竹の枕が置かれています。

かなり浅いですが、とても気持ちいいです。

お湯は少し熱め。

 

泉質は単純酸性硫黄泉です。こちらもこのあたり旅館に多い鹿の湯と行人の湯の混合泉を使用しています。

酸性泉は白濁しきらず、半透明な白濁か青みがかったお湯になることが多いですが、こちらは硫黄分が多いためか、しっかりと白濁しています。


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シャワー、ボディソープ、シャンプーもあります。

 

お湯は単純酸性硫黄泉です。こちらもこのあたり旅館に多い鹿の湯と行人の湯の混合泉を使用しています。お客さんには誰にも会わずゆっくり入浴できました。

 

 

まだまだあります 那須湯本温泉

 

【那須湯本温泉を入りつくせ!】日帰り入浴OKな旅館8件現地レポまとめ(単純酸性硫黄泉) - 大露天風呂の日記

 

6.温泉分析書の説明


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溶存物質が1000mg以下の場合は単純温泉となります。

こちらは975mgでかなり惜しい!

単純温泉と言っても何も入っていないわけではありません。

もし1000mgを超えていればカルシウム-硫酸泉(石膏泉)となる温泉です。なので石膏が主成分の単純温泉と言えます。

 

また、特殊成分として水素イオンが1mg以上で酸性泉となりますが、

こちらは4mg含むため酸性泉です。

 

その他に総硫黄(硫化水素イオン、チオ硫酸イオン、遊離硫化水素の合計)が2mg以上で硫黄泉となりますが、こちらは88mgもあります。一般的に100mgを超えると、全国でも有数の硫黄濃度と言われますので、那須湯本温泉の硫黄がいかに豊富かわかります。

 

硫黄分は全て遊離硫化水素(ガス成分)として含んでいるのも特徴的。

 

合わせて単純酸性硫黄温泉となります。